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商社(専門商社(医療・医薬品)) / サービス(環境・リサイクル関連) / 金融(リース・レンタル)
最終更新日: 2008/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
福祉用具の県内シェア7割を目指し、会社経営を軌道に乗せた、営業のプロ。
事務系−経営企画
代表取締役
外山 慎司 (46歳) Shinji Toyama
入社21年目 / 駒澤大学 経営学部 経営学科 出身

プロフィール
在学中から、スープ専門の喫茶店や学習塾、イベントツアー企画など、様々なビジネスを立ち上げる。いずれも軌道に乗せるが、「会社を大きくするためには、組織を知らなければならない」との考えから、機械系商社に就職。営業として活躍する。1988年、シルバーとっぷ起業。現在もベンチャー精神を忘れず、邁進している。

プロローグ
「福祉用具を必要とする方が、世の中にはたくさんいる。そんな人たちのために商品を届けるんだ。そして、シルバーとっぷだから商品を頼みたい、と言ってもらえる会社にする」。外山はそんな想いから、まだ介護ビジネスという言葉が定着していない時代に会社を立ち上げた。

シルバーとっぷは、病院や施設への福祉用具の提供をメイン事業にしている。つまり、接するのは病院や施設の方々であって、福祉用具の利用者であるご老人さんと直接の接点は少ない。しかし外山には、当初から思っていることがあった。それは、「福祉用具の利用者に、より快適な生活を送ってほしい」ということ。「そのためには病院・施設の職員と協力しあい、よりよいサービスを考える必要がある。単なる業者とお客様という関係ではなく、パートナーになりたい」。そう考えていた。

まずは、千葉県内の病院・施設のマーケットシェアを7割にすることを目標に据えた。おそらく商品の安さを重視するお客様もいる。パートナー関係を結び、よりよい福祉用具の提供を真剣に考えてくださるお客様はおおむね7割はいるであろう事が、経験上分かってきたのだ。目標も決まり、外山の営業活動は始まった。

どの施設も、門前払いだった。 1
取引先を開拓する毎日。千葉県内のあらゆる病院、施設に足を運んだ。しかし、どこも反応は同じ。玄関に入るやいなや、「帰ってください」の一点張りだった。

「どうすれば、施設の方々と関係性が構築できるんだろう…」。外山は必死に考えた。「そうだ! “感動”をつくり出そう。施設の方々を喜ばせる企画を考えればいいんだ」。外山は早速動いた。

施設で夏祭りをやるとなれば、「こんな新しい取組みをやってみてはどうですか?」とアイデアを出す。屋台を開いてはどうですかと提案したのだが、施設の方には「それいいね!」と喜んでもらえた。屋台の準備も、当日の手伝いも、すべて無料で買ってでた。いつもとは違う夏祭り。お年寄りも楽しそうに過ごしている。施設の方々も、楽しむお年寄りの姿をみて、満足そうだった。「外山さん、ありがとう」。最後には、そんな言葉ももらえた。

また元旦には、朝一番から新年のご挨拶に伺った。施設の方々は、元旦でも通常どおり働いている。そこで外山は「施設職員と同じ気持ちでご老人さんと接したい」と思ったのだ。そしてその気持ちは伝わった。施設職員から「出入り業者の一人」としてではなく、「信頼できるパートナー」として認められるようになっていった。

地道な努力が実を結ぶ。同時に、新事業スタート。 2
外山の熱意はクチコミとなって広がり、スタッフも増え、福祉施設や病院のシェアはついに70%を超えた。2000年4月より始まった公的介護保険制度。これにより、在宅でも福祉用具を利用しやすくなった。信頼されている施設や病院から、在宅で療養するご老人さん達の福祉用具レンタルや購入の紹介が、爆発的に増えていった。

しかし、福祉用具の性能を100%発揮させるためには、「住宅改修」はどうしても避けて通れないものであった。例えば車椅子。車椅子は畳の部屋では使えない。住宅内部には、あちこちに段差もある。部屋の出入り口の間口が車椅子の幅より狭い作りになっていたりもする。

嬉しい事にその頃には、建築の知識を持った仲間も数名いた。外山一人で営業活動していた時とは違う。「会社の理念に共感した」と言って、多くの仲間が入社していてくれたのだ。新事業に着手できるだけの知識と人員はある。遂に、住宅改修事業が動き出した。

苦渋の決断。売上は、2億円下がった。 3
住宅改修は、まず現地調査からスタートする。そして、どこを改修する必要があるのか、住まいを見ながらプランニング。続いて、提案書や見積書の作成、工事業者の手配…。やらなければならないことは、数多くあった。加えて、福祉用具の提案も同時進行だ。営業メンバーの勤務時間は、どんどん長くなっていった。毎日深夜まで目を真っ赤にしながら残業する日が続く。

「このままではいけない!」。外山は、社員の姿を見て心を痛めた。「社員は、家族」。外山は常々思っている。が、その大切な大切な家族が、今、目の前で苦しんでいる。「どうにかしなければ…」。外山は考えた。

また、ふとあることにも気付く。「福祉用具のプロを目指していたはずなのに、建設業に振り回されてはいないか?」。外山は、事業の停止を決断した。売上高は、2億円減。利益は、1億円減となった。

新たなスタート。アイデアを出し合う文化が生まれた。 4
「社員が犠牲になるなんて、意味がない」。そう考えての決断だった。ビジネスへの信念を曲げたわけでもない。外山に迷いはなかった。しかし中には、不安を感じた社員もいるようだった。

外山は、社員に声をかけた。「福祉用具のプロを目指し、プライドを持って仕事をしよう」。外山の言葉に共感し、住宅改修に代わるビジネスモデルを考えてくれる社員が現われ始めた。「こんな取組みをやってみたらどうでしょう?」。アイデアを出しあい、ベストな取組みを創り上げていく文化が生まれた。

その1つが、福祉用具の利用者である要介護老人さんへの、シルバーとっぷからの「文字豆の鉢」のプレゼント。「文字豆の鉢」とは、鉢に毎日、愛情を込めて水を与えると、その双葉に“ありがとう”と文字が刻まれた芽が出る植物の事。要介護老人さん達から、家族やヘルパーさん、ケアマネージャーさん達への感謝の気持ちをプレゼントしていただくのである。驚きと感動が生まれた。

感動は、波及する。シルバーとっぷのファンとなってくださる方は、どんどん増えた。売上も1年間で1億円伸びた。

エピローグ
事業は拡大しているが、外山はまだまだ満足していない。「より多くのお客様に感動を与えていきたい」と意気込む。「そのためには、一緒に困難なことにもチャレンジしてくれる仲間が必要だ」。外山は、社員という家族の存在のありがたさを改めて感じている。

「今後は、日本一の会社を目指す」と外山は話す。日本一の会社とは、社員に“高い給与”と“将来性”を保証できる会社。そのためには、“感動”を提供することだと思っている。感動を提供し続ける経営姿勢は、変わることはない。
社員1人ひとりの声にしっかり耳を傾けるのが、外山のポリシー。この信念は、この先いくら会社が大きくなろうとも変わらない。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
「起業して経営者になる」と決めて、大学に進んだ外山。在学中から、精力的にビジネスを興した。たとえば、社会人をターゲットにしたスープ専門店の起業、学習塾の立ち上げなど。この頃から養われた、人々のニーズを汲み取る力や、チャレンジ精神は、経営者として活躍する今も、大いに活かされている。
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