『HAVE A NICE TRIP』は旅を切り口に『快適・やすらぎ』を提供するというコンセプトのブランド。1年を4シーズンに分け、シーズンごとに世界各地をテーマにした商品を展開している。レディースウエアのみならず、インテリア商品も展開する同社の社長にお話を伺った。
行き詰ったその先で受けた衝撃。『SPA事業』との出会い。
ブランド『HAVE A NICE TRIP』はどのような背景で誕生したのですか。
高校を卒業し、大阪のアパレル企業に就職した後、『HAVE A NICE TRIP』の前身となる『ファッションブラウスいちたすいち』という会社を立ち上げました。26歳の頃でしたね。その会社の業績は好調。その後『ヴァレン』という会社に社名変更して、直営店を始めました。当時、自社で複数のブランドを扱い、利益も上々。でも、卸がやっている小売り。自分たちが売りたいものを集めて「山手お嬢さんのハイセンスな…」なんてコンセプトを後付けして、お客さんに押し付けていました。「もうこのスタイルは限界じゃないか。社長である自分の能力が育たない限り、会社は今以上大きくならない。でも自分の能力はもう使い切ってしまった」。私は行き詰まりました。
そこで辿り着いたのが「専門知識を持つ人たちと一緒に仕事をすれば良いんじゃないか」という考え。後日、ある企画会社をあたってみると、実は競合他社も同様のことを感じていたみたいで、同じような相談を企画会社にしていました。でも、それが一層私の危機感を募らせました。企画会社の社長と話を進め、『HAVE A NICE TRIP』のコンセプトを生み出したのです。
そうして、卸からSPAへ業態転換を実施。1997年、全国11店舗でスタートしました。社内の反対もありましたが、「今は将来良くなるための苦しい時期なんだよ。僕たちがやっていることは“人のために役立つことをしよう”という『Can I help you』の精神からきているんだ。これが受け入れられないはずはないよ」と言い続けました。「周囲の評価っていうのは、後からされるんだ。良いものを作っているんだから心配するな」と自分自身に言い聞かせながらね。
ビジョンを語る際にお話ししておきたいのは、ハヴァナイストリップの哲学についてです。1つ目は、顧客第一主義。2つ目は、オンリーワン。3つ目は、利益主義。この3つが私たちの哲学で、木にたとえると、根っこの部分。人には見えないけれど、私たちを支えている重要な考えなのです。そして、木の幹になるのが、「旅を切り口にして、人々に『快適・やすらぎ』を提供する」という『HAVE A NICE TRIP』のブランドコンセプト。この根っこと幹からたくさんの枝葉が伸びているわけです。しかし、この木を大きくさせるには、空気と水と光が必要。つまり、会社を成長させる企業文化がそれにあたると思うのです。私たちが築いてきた文化とは、1つ目は報告する文化。何でも話し合って皆で決めていくという会社の透明性です。2つ目が柔軟な文化。これは変化に対応する姿勢ですね。そして3つ目が学習する文化。知らないことは勉強しようよという風土を築いています。さらにもう1つあって、それが正義の文化。フェアに仕事をしようよという考えがあるのです。これらの企業文化が空気になり水になり光になって、会社を成長させているのです。
まずは、『衣』のレディースウエアでは、これまで『HAVE A NICE TRIP』やデイリーズベスト(日常の極上)の『joie de vie』を展開してきました。今後はさらに一格上を望むお客様に向けて新たなブランドを展開していこうと考えています。ブランド名は、『MASSTIGE(マスティージュ)』。イタリアやフランスのこだわりの素材を使います。