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サービス(レストラン・フードビジネス)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問 株式公開
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「社員を大事にする」。それ以外にないですから、私の仕事は。
「人と人とのつながりが希薄になる現在。皆さんには、残りの学生生活で一人でも多くの仲間を作って、社会に出てきてほしい」。
株式会社一六堂
代表取締役 社長
柚原 洋一   (41歳)
Yoichi Yuhara
【プロフィール】
▼東京都出身。▼少年時代より野球に打ち込み、高校3年生時には夏の全国高校野球選手権大会に出場。▼大学在学中より不動産会社で働き始め、21歳にしてNO.1営業となる。▼23歳の時、ひょんなことから起業を決意。時計の卸売事業を手がけ、全国を飛び回る。▼1995年、(株)一六堂を設立。▼1996年、フードビジネスに着目し、『KUSHIYAKI & BAR 五大陸』をオープン。飲食業界に参入する。▼1999年、事業を飲食店経営に一本化。本格的に多店舗展開に乗り出す。▼「負けは許されない」がモットー。「生きることと仕事をすることはイコール」と言うほど仕事に情熱を傾けるその姿勢に、社員からの信頼は厚い。
INTERVIEW
『天地旬鮮 八吉』 『ORIENTAL DINING 五大陸』など、個性的な店舗を多数展開する一六堂は、その事業戦略も個性的だ。「立地条件に合わせたスピーディーな業態開発」 「マニュアルのない店舗運営」…。その戦略に秘められた真意とは? 柚原社長に創業の経緯や社員への想い、自身の仕事観などを伺った。
Question まずは、御社創業の経緯からお聞かせください。
Answer 起業したのは23歳の時なのですが、きっかけは実は行きがかり上と言いますか…。その当時、私はある企業に勤めていました。そこで営業をやっていたのですが、ずっと胸に引っかかっていることがあった。うーん…何と表現したら良いのかな、組織そのものにエネルギーを感じられないと言うのかな。自分個人のエネルギーの方が大きいんじゃないか、とさえ思っていた。それである日、「起業して自らの目指すべき会社、理想を実現させていきたい」と、周囲に漏らしてしまったのです。性格上、一度口にしたことは実現しないと気が済まないものですから(笑)、「じゃあ、起業しよう」、と。

飲食店経営に目を向けたのは、独立後、しばらく経ってからです。理由は、外食業界が「そこで働く人よりも、お客さんの方が詳しいことがある」業界だから。例えば、「他店と比べてここの料理はどうだ」とか、「料金はどうだ」とか。下手をするとお客さんの方が詳しかったりします。それはつまり、事業として始めやすい、ということ。一顧客としての自分の考えを、店舗作りにいくらでも活かすことができますからね。

理想とするのは、心が痩せていくような社員を一人も生まない企業をつくること。店舗で働いていれば、自分の店舗が黒字か赤字か、ということはすぐに分かるわけで。それで、赤字だったら気にするじゃないですか、やっぱり。それによって社員の心が痩せていくのはつらい。だからこそ、赤字店舗を作らないということは常に心がけています。もちろん、23歳の時からそんな考えだったわけではないですが。起業時からそこまで考えていたら気持ち悪い(笑)。様々な経験をする中で、現在の考えに至ったのです。
Question 社員の皆さんのことを、すごく大事に思っていらっしゃるんですね。
Answer 人間である以上、周囲の人を大事にするのは当たり前なわけで。別に特別なことだとは思いません。社員全員で目標に向かって進んでいく。運命を共有する。社長として、それに対する責任もありますし。大事にするのは当然。と言いますか、それ以外にないですから、私の仕事は。

店長や役員の連中と一緒に暮らしているのも、そのせいですかね。もう、5年半くらいになります。全然強制したわけではなくて、自然とそうなっていった。これもまた、行きがかり上と言いますか。もともと、私が会社の近くにマンションを借りていたんです。それで、社員たちが「都合が良い」ということで新店舗のオープンを控えた忙しい時期に利用したり、自分たちの抱えている悩みを相談しに来たりしていました。そのうち、そこに住みつくヤツが出てきて(笑)、それが徐々に増えていったというわけです。現在は13名ですね。その他の社員も、ちょくちょく泊まりに来ていますから、年中にぎやかですよ。

やはり、一緒に住んでいると相互理解は進みますね。でも、だからと言って他の社員と区別をしたりということはない。今でも社員全員のことを知るために、月に1度は個別面談の機会を設けていますから。
Question そんな社長の仕事観と、理想の組織像とは、どういうものなのでしょう?
Answer 仕事観なんて、理屈立てて考えるようなことじゃないんですよね。生きていくことと仕事って同じだと思っていますから。こういうのって、学生の皆さんにはウケないかもしれないですが。「仕事とは人生だ!」なんて。でも、本当にそうだと思っているので。私の日常は、仕事をしているか、寝ているか、どちらかしかない。趣味もないですし。野球も一切やりません。会社のことを考えたら、草野球をやっている暇なんてないです。

私が考えているのは、「一六堂のメンバーとして歩んできて良かったなぁ」と、社員に思ってもらえるような会社を作ることだけ。一人ひとり、何をもって「良かった」と思うかは異なると思いますが、全員が誇りを持てるような会社にしたい。一六堂で働く5年間と、他社での5年間を同時に歩むことはできないから、他社との比較をすることはできない。でも、振り返った時に「一六堂で良かった」と、思ってもらいたいんです。

社長は、社員の皆に対してそういう責任を負っている。それだけに、「怖い」という気持ちもあります。「上場を目指そう」とか、「さらに上を目指そう」と言って、社員をその気にさせている私が、「もし死んだらどうなるだろう?」と。「社員の皆が豊かな将来を想像できるような会社にしなければ」と思っていても、それができなくなる。そんなことを想像すると、ものすごい恐怖ですよね。だからこそ、仕事に打ち込まなければならない。負っている責任と恐怖心が、私の仕事のモチベーションになっているのかもしれないですね。
Question では、理想を実現するための具体的な取り組みについてお教えください。
Answer 現代は競争社会ですよね。負ければ淘汰されていく。まずは勝ち残ることが大切です。そのためには、大きな取り組みではなく、1店舗も負けないことが大切。飲食店の場合は、赤字を出さないということです。それが、企業として勝ち残っていく取り組み方だと考えています。

これは、社員の皆にも口を酸っぱくして伝えていること。「負けは許されない」とね。大勝ちしなくてもいい。最悪、引き分けでもいい。けれど、負けてはならない。もしも負けた場合、つまり赤字になった場合は、すぐにその店舗は潰します。もちろん、何が問題なのか検証はしますよ。新しい業態にチャレンジすれば、うまくいかないこともありますから。人に問題があるのか、それとも、業態そのものに問題があるのか。人に問題があると判断した場合は、配置転換を試みます。それでも負け続けるなら、早く潰した方がいい。飲食店は1店舗あたりの投資が大きいため、決断が難しい部分はあります。けれど、そこはスピード感をもって判断するようにしています。

店舗を潰すというのは、会社にとってマイナスイメージを持たれがちですが、潰せるから潰すわけです。会社全体が健康でなければ、潰す決断もできなくなってしまいますから。社員にとっても、赤字に耐えて心が痩せていくよりは絶対に良い。

そうやって負ける店舗を作らないようにして、売上高や店舗数を増やしていきたい。そして、将来的には外食産業の周辺ビジネスにも取り組んでいきたいと考えています。そうすれば、社員の進む道が増えますから。店舗から本社へ、という道だけでなく、店舗から周辺事業という道も用意できれば、より安心して働くことができますよね。
Question なるほど。それでは最後に、新卒入社の皆さんに期待することは何でしょう?
Answer 新卒で入社される、ということは、社会に出て最初に仕事をするのが当社だということ。その責任は強く感じていますし、大切に育てなければならないとも考えています。言ってみれば、白地のキャンパスに私たちの色を付けていってもらうようなもの。無垢ですから、出会う先輩なども非常に重要です。信頼のおける社員に、教育を任せたいと思っています。

新卒入社の皆には、文化を継承していってもらいたい。年月を重ねる中で醸成されてきた当社の風土、特徴、文化。そういったものを、同期との横のつながり、先輩との縦のつながりの中で脈々と受け継いでいってもらえれば、と思っています。期待は大きいですね。

店舗は、一つの会社と同じだと思います。特に当社には、マニュアルが一切ない。各店舗で、それぞれがお客様の喜ぶように自分たちで考えて、やっていけると信じているので。店舗ごとに、創意工夫をしながら運営していく。それはもう会社と同じですよね。それだけの責任感を持って、仕事に臨んでほしいと思います。「自分たちは、お店という一つの『作品』を作っているんだ」というプロ意識でね。それに見合うだけのやりがいが、この仕事にはあるはずですから。
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