 |
|
目指すのはNO.1企業じゃない。“リーディングカンパニー”なんだ。
|
 |
 |
 |
|
「我々のやり方は合理的ではないのかもしれない。けれど、今後もおもてなしの姿勢を大切に、成長を続けていきます」。
|
|
|
 |
|
 |
株式会社一蔵
代表取締役
河端 義彦
Yoshihiko Kawabata
|
|
 |
 |
 |
机上の勉強よりも“商売”への関心が高く、若い頃から色々なモノを手掛け、失敗の中から商売と経営の基礎を体得。実力主義を標榜する着物販売会社に入社後、持ち前の感性とこだわりにより、半年後にはトップセールスとなる。その後、拠点の立ち上げや人材戦略で頭角を現し、営業部の統括責任者、常務を歴任後、独立。
創業のきっかけは、着物業界の商習慣に対する疑問。「協業」をモットーに厳密な商品選定による仕入れや、着物メーカーとのパートナー主義、独自の受注発注システムなどにより急成長を遂げる。現在はブライダルやフォトグラフィック、振袖レンタル事業にまでビジネスフィールドを拡大。特に現在は、ブライダル事業に注力している。
|
|
|
|
 |
|
1991年の設立以来、伝統の着物業界に新風を吹き込み続ける一蔵。そのフィールドは着物だけにとどまらない。中でも、現在力を注いでいる事業がブライダル事業だ。同社代表取締役の河端氏が、ブライダル事業立ち上げに至った経緯、今後の展望、事業にかける想いを熱く語った。
|
 |
イギリス好きとウェディング構想が相まって、新ビジネスが生まれた。
|
 |
 |
 |
まずは、ブライダル事業立ち上げの経緯をお聞かせください。
|
 |
 |
当社がブライダルに進出したのは2000年。その当時はハウスウェディングという形式はあまり知られていなかったし、庭を使ってパーティーをやろうという発想がほとんどなく、全国的に見ても、取り組んでいた式場は数える程度でした。
そもそも僕はヨーロッパ、特にイギリスが好きで、用もないのに年に何回か行っていたんです。イギリスは古き良きと言うか、伝統の中に新しさが潜んでいる気がして。中でも、築100年で“新築”と言われるような味のある建物には魅力を感じていました。そこには、18〜19世紀の貴族の建物も残っている。その時代の貴族は、自分たちの力を誇示するために、贅を極めたハウスでパーティーを開いていた。そういうハウスで「実際に素敵な挙式ができたらいいな」という想いがまずあった。また、そのハウスには広い庭もあり、イギリスの庭は四季に応じて色々な彩りを見せるんですね。人工的じゃない、ナチュラルな庭。「そこでパーティーをやりたいな」という想いもあったんです。
そういうイギリスの建物や庭に対する想い入れが、会社のウェディング構想と相まって徐々に盛り上がってきた。それであるとき「それを形にしよう」ということになった。色々な意見がある点に達したわけですよ。「これはいける」というイメージが具体化してきた、というのかな。それから本格的に建築士も入れてイギリスに通いました。現地で建物を見て、「あの扉がいいね」 「壁がいいね」と、一つひとつ材料を揃えていったんです。そうして完成したのが、『キャメロットヒルズ』です。しかし、ふらふら遊び回るのも、こうしてビジネスに結びつくなら悪いことじゃないですね(笑)。
|
 |
 |
そうして立ち上げたブライダル事業ですが、お客様の反応はいかがでしたか?
|
 |
 |
ありがたいことに、かなりヒットしたんですよ。式場は2会場のみ。それでも、初年度で540組のセレモニーを行いました。普通は2会場なら300組いけばいいんです。式場の常識としてはね。
それだけ支持して頂けたのは、こだわって造ったハードに加えて、やっぱりソフトが良かったからだと思います。人が人をもてなすという基本的な部分が、しっかりとできていたということですね。「おもてなしに限界はない」と、我々は考えています。極端に言うと、お客様がおっしゃることは、どんなわがままも「できません」とお断りするのではなく、実現できる方法をまずは考えよう、ということなんですよ。現実は全てを実現することは難しいかもしれませんが、なるべくお客様の申し出やご要望にはお応えしたい。「お客様の想いを形にするのが我々の仕事だ!」と思っています。
…と言うと格好良いのですが、我々も経験がないですから、最初の頃はずいぶん無茶なことや失敗もしましたね。できること、できないことをはっきりできない、なんてことも結構ありました。けれど、そういうことがあると式の運営、パーティー進行が手作りになるわけですよ。型にはまったものでは対応できないですから。それが良かったですね。一人ひとりのお客様に合ったニーズを引き出す姿勢に繋がっていきました。あまりうちは、最初から最後まで同じパターンで終わる挙式ってないんですよ。お客様の要望を可能な限りお聞きし、なければ提案をしていきます。それが多くの方に受け入れられた要因ではないでしょうか。
|
 |
 |
 |
立ち上げ1年目から成功を収めることができた要因は、どこにあったのでしょうか。
|
 |
 |
我々には、事業を始めたときから大事にしていることがあります。それは、「一担当制である」ということ。普通、式場では、お客様からご成約を頂く人、成約後から式までの進行をする人、式の当日、お二人に付き添うアテンダー。この3つに分かれます。「お願いします」と言ったスタッフと、打ち合わせを行うスタッフが別人。しかも、当日はまた別のスタッフ…。確かに、式場はその方が合理的。成約の人は成約だけ、進行の人は進行だけやった方が良い。でも、それだとお客様と通い合っていたものが断ち切れてしまう。
我々のやり方は合理的ではない。それでもなぜ続けているかというと、お客様とのつながりが強いものになるから。結婚式って基本的には一生に一度のことですし、費用も安くありませんから、お客様も懸命なんですよ。一担当であれば、それに「何とか応えよう」とスタッフも思える。それが最高のチームを作るんです。当然スタッフにとって大変なこともある。「良い式場です」といって受注をして、その後の進行にも関わるわけですから、絶対「良い式場」にしなければならない。自分でそう言ったわけだから。その責任感をもって仕事をしなければなりません。厳しいこともある。そういう意味ではスタッフが育ち、レベル向上につながる。最初から、式当日までずっと関わるわけだから、道のりが長く険しいものであればあるほど、式が終わったときには凄く感動できるんです。お客様と一緒に。
「働くからにはお給料も大切ですが、やはり得るものがないと」と、スタッフの多くは言ってくれます。その部分が人を育てていくんじゃないかな。うちの強みはズバリ、一担当制を貫いているところだと思いますね。
|
 |
「ブライダル業界の“リーディングカンパニー”になりたい」。
|
 |
 |
 |
その強みを活かして、お客様の評判も良い。事業拡大は考えなかったのでしょうか?
|
 |
 |
事業をスタートして2年目くらいには、ある程度ノウハウもできていたので、その気になればどんどん式場をつくっていくこともできました。でも、それはしなかった。2005年に、同じ敷地内に『アネックス』を建てたくらい。それは、このブライダル事業をじっくりと育てていきたかったから。そして、「ブライダル業界の“リーディングカンパニー”になりたい」と考えていたから。「次のウェディングは僕たちがリードする」とね。「本当に質の高いウェディングを作っていくんだ!」という気概が、私だけでなくスタッフ全員にある。だからこそ、いたずらに式場を増やして、事業を拡大していこう、という発想にはなかなか至らなかったんです。
でも、それをこの6年間やってきて、ようやく「かなりの段階まできたな」、という手応えを感じられるようになった。いよいよ「これまで培ってきたものを他の場所でも試す時期にきた」、と考えています。具体的には、西日本に新しい式場をオープンする予定。じっくりと時間をかけて準備をして、このハウスウェディング全盛の時代に一石を投じるような式場にしたい。ハード面でも、ソフト面でもね。ハード面については、今度はイギリスの『都市型の別荘』をテーマにしようと思っています。スタイリッシュで、かつアンティークの良さも残す式場にしていきますよ。
我々は長く愛される、一度利用された方々も活用できるような式場をつくりたい。例えば無料のカルチャースクールを開いたり、育児に関するコミュニティーの場にしたり。そういう新しい取り組みで、常に業界の先頭を走って行く“リーディングカンパニー”を目指したいんです。
|
 |
 |
 |
なるほど。では、そんな御社で活躍できる人材とは、どういった方なのでしょうか。
|
 |
 |
今後は、ペースは遅いかもしれませんが、確実にレベルの高い式場を増やしていきたい。場所も吟味して。我々のコンセプトとして、同じものを建てる気もありませんし。構想はたくさんありますよ。展開する地域によっては “和”のテイストをもった“お屋敷”のような式場も考えています。我々はこだわって、ゆっくりと一つずつ増やしていきたい。そのための人材が必要です。こだわりを持っている人たち、あるいは“感動”に対して価値を感じる人たち。どちらかというと、クールな人よりもホットな人に来て頂ければと思っています。
ブライダルだけではありません。着物事業も現在、転換期を迎えています。今後は、多機能をもった店舗を構築していきたい。単に良い着物を紹介するだけではなく、高付加価値の商品をたくさん用意したり、着物のお好きな方たちのコミュニケーションの場になったりと、これまでにない面白いことを店舗の中で展開したい。販売だけでなくレンタルも積極的に行っていくつもりです。今回はもちろん、ブライダルだけでなくきもの事業部で活躍する人材も募集します。そういう意味では、組織改革やコストパフォーマンスに関心のある方たちも必要です。
当社で活躍している社員の多くは、最初から技術があったり、能力を発揮していたわけではありません。それよりも、「学んでやろう!」という姿勢をもっている人たちが伸びています。学校では学ばなかったことが、社会に出ればたくさん出てきます。例えば経費の遣い方、とかね。そういう場面で大切なのは、社会に出てからどれだけ学んだか。だからこそ、学ぶことに貪欲な人たちにぜひ来てほしいですね。
|
|
|