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「もっと何かできるはず」―――不の解消+チャレンジの時代へ。
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私にとって「正直」は基本。「経営=正直」だと思っていますし、人間も一緒です。
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ファンケルグループ
代表取締役社長執行役員
宮島 和美
(58歳)
Kazuyoshi Miyajima
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▼1950年1月28日生まれ。旅館の息子として生まれる。▼趣味は、ビーチボーイズ、レッド・ツェッペリンなど60・70年代の音楽。そして都会の変化を眺めて楽しむ街歩き。カーレースなども観戦する。▼学生時代は、サーフィンやギターなど、何にでも興味を持ってチャレンジ。▼大学卒業後、(株)ダイエーに入社。22年間勤務。店舗・庶務・社長秘書・役員から、労働組合支部長まで、さまざまな仕事を経験。「いろんな会社の経験を積んだようなもの」とは社長の弁。▼2007年3月、ファンケル代表取締役社長執行役員に就任。
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不安、不便、不満……「不」のつく言葉を世の中からなくす。これが、ファンケル創業時からの変わらぬ想い。この想いを胸に、「無添加化粧品」から、「サプリメント」「青汁」「発芽米」と活動のステージを拡大してきた。今後、宮島社長は“強く新しいファンケル”の創造を目指す。変革テーマは「チャレンジ」だ。
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FANCL Change & Challenge Plan
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2007年3月――3代目代表取締役社長執行役員に就任された経緯をお教えください。
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「チェンジはやった。後は頼むよ」。2007年2月17日、藤原会長のこの言葉が、私の転機となりました。ファンケルの経営計画「FANCL Change & Challenge Plan」を受けた言葉でした。社長に就任してからの私のミッションは、“「チャレンジ」を達成すること”になったのです。
正式に社長に就任したのは、2007年3月1日。正直、まだ慣れていません(笑)。過去の経験とは、責任が違いますからね。利益がすべてではありませんが、営利団体である以上、業績目標を達成していく義務があります。社員たちを叱咤激励しながら引っ張っていくのが、私の務めです。
これからの経営理念は「もっと何かできるはず」。このテーマを機軸に、大きく3つのチャレンジを続けていきます。1点目は、「原料選定からお客様が手にされるまでの品質管理体制の強化」。2点目は、「社員一人ひとりの人材力強化」。3点目は、「常識にとらわれない新しい可能性へのチャレンジ」です。
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御社の事業コンセプトである「不の解消」は、継続されるのですか?
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事業コンセプトである「不の解消」は守り続けます。方向性がしっかりしている会社こそ、伸びますからね。これは創業者の想いが詰った事業コンセプトですから、次世代に伝えていくべきだと思います。
ここで少し、事業コンセプトができた経緯に触れておきます。1970年代末、化粧品による公害が社会問題となり、多くの女性が皮膚アレルギーになってしまいました。肌をきれいに見せたいのに、荒れてしまったのです。原因は、化粧品に配合されていた防腐剤などの添加物でした。「どうにかして完全無添加化粧品を作り出せないものか」と研究に研究を重ね、創業者である池森はシンプルかつ大胆な発想により、「無添加化粧品」を実現させたのです。それは、「腐る前に使い切ればよい」という発想。従来の大きさの瓶にこだわらず小さくすればいいじゃないか、と池森は考えたわけです。その無添加化粧品は、瞬く間に受け入れられました。時代が求めていたのです。
このようにファンケルは、身近な社会問題を解決したい、不安・不満を解消したいという想いで始まった企業です。池森は問題点を見つけ、解決するために自らアクションを起こした。その結果、売上高1000億円を超える企業に成長できたのです。創業わずか26年でここまで到達できたのは、“不の解消”というコンセプトが人々に受け入れられたからに他なりません。このコンセプトを守りつつ、事業を進化させていきます。今度は、チャレンジの時代ですからね。
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創業者の想いを受けて、どのように事業を進化させていかれるのですか?
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化粧品・栄養補助食品事業は、ある程度完成されました。会社に利益を返してくれる事業に成長しましたからね。これらの次のステップは進化です。21世紀を考えれば、注目すべきテーマは「健康」。サプリメントだけではなく、“口から入るもの”に注力します。アメリカを筆頭に世界で「食の原点回帰」が起こっていますが、日本にもブームがくるはずです。現状として、ファンケルの栄養補助食品は「サプリメント」「青汁」「発芽米」の3事業。発芽米は次世代を視野に入れて取り組んでいますが、世間の認知度はまだ低いですね。良い商品だと知って頂くためにできることを模索しているところです。
参考にすべきは、やはり化粧品事業です。わずか“5ml”の瓶に入った化粧品を普及させただけでなく、いかに消費してもらうかの戦略ができていました。1週間で新鮮なうちに使い切って頂けるよう、使い方に至るまでお客様を啓発することができたわけですから。発芽米でも、その様な戦略を成功させたいのです。
もちろん、化粧品事業も進化を続けています。日々研究を重ね、技術改良に努めた結果、より一層肌に優しいデリケートな原料を使えるようになったのです。更にフレッシュに生まれ変わったわけですから、使用感も良くなりました。研究者たちがやる気を持って取り組んでくれており、無添加化粧品は進化を続けています。
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新しいファンケルを創造するのは、人。教育を含め、社長の人材観をお教えください!
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「人材」は字が意味するような「材料」にしてはいけないと、切に思います。意味のない人事異動などは、絶対にやってはいけないと思います。最近、「人財」と書く企業が増えていますが、私はあえて「人材」という字を残しています。“戒め”の意味を込めて使っているのです。「人は大事にすべき。材料にしてはいけないんだぞ」って。
甘やかすということではありません。無欲に繋がりますし、無欲は怠慢の始まりですからね。ある程度の欲がなければ、人は成長できません。欲を原動力として、社会で評価される人間に成長してほしいと思っています。
人材力強化という軸での新しい取り組みをひとつ紹介しますと、「起業チャレンジ制度」。新規事業にチャレンジできる制度です。一所懸命やれば責任は問わないことを約束し、挑戦者の事業計画が妥当であれば3年計画で予算をつけます。ただし、利益がでなければクローズします。「起業チャレンジ制度」の一期生として8名からの応募がありました。現在、事業計画進行中なんです。
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ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
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入社した時は、皆さん一斉スタートです。競争がすべてではありませんが、互いに切磋琢磨してほしいと思っています。仕事は一所懸命、正直に取り組んでください。私にとって「正直」は基本。「経営=正直」だとも思っています。正直な経営さえしていれば、会社が大きな間違いを起こすことはありませんからね。人間も一緒。切磋琢磨も辛抱も大切ですが、自分にも他人にも正直であってほしい。正直であれば、優しさなど豊かな人間性も自然に育まれると思います。
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