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常に注目を集める施工品質の高さは、徹底した人材育成が支えている。
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自分が納得できる就職のため、できる限り多くの仕事を知り、企業を訪れてほしい、と学生にメッセージを送る社長。
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三栄電気工業株式会社
代表取締役社長
一瓢 秀次
(50歳)
Hideji Ippyo
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「良い工事をしよう」を理念に、北関東、東京、関西、九州の地元に根付いた電気工事を展開。これまでに、国際空港や駅周辺の再開発物件、ホテル、スタジアムなど日本を代表する大型プロジェクトに参画してきた。現在は、社内に技能者のスキルアップのための電工道場を開設し、さらにエンジニア職、技能職いずれの職種も、積極的に技術力を競う全国大会への参加を促進し、人材の育成によって、技術力向上を図っている。
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約100名のエンジニアと自社の人材で大型工事案件もまかなう高い技術力が、取引先からの信頼を生んできた三栄電気工業。限られたマーケットの中でも、成長分野に特化した経営によって、確実に企業を成長に導く一瓢社長に、人材育成にかける思いと今後の展望をインタビューした。
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限られたマーケットの中でも、常に成長分野にシフトする
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まずは、学生に向けて、電気工事という業界についてお話ください。
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そうですね、電気工事というと、皆さんがまず思い浮かべるのが「電柱に登ってする仕事」。当社の場合は建築物の電気設備の仕事が中心なので、普段の生活の中で目に触れる機会が少ないニッチな業界であるけれども、生活には欠かせないインフラ整備の役割を果たしている一面もあります。そういう意味では成熟した業界ですが、そんな中にも、成長している分野とそうでない分野があり、当社は常に成長分野に特化する経営を心掛けてきました。例えば、商業施設では流通業界が百貨店やスーパーからコンビニに成長分野がシフトした時に、いち早くその仕事に取り組んだり、また、地域的な観点から見ると、一極集中が進み建築需要の増大が著しい首都圏に営業拠点を増やしました。最近では、安い人件費を求めて中国をはじめとする海外に製造拠点をシフトしていた製造業が、付加価値の高い製品の製造を日本国内で作るため、次々と日本国内に工場を立ち上げています。そこで現在、当社では「工場」という成長分野に経営資源を重点的に特化し始めています。工場ではクリーンルーム等、インテリジェントビルと言われる高層ビルとは違った技術や技能を要求されるので、そういった要求に応えられるエンジニアを養成しています。情報機器の高度化や、照明の分野でもLEDが出てきたり、太陽光発電や燃料電池、オール電化、PLC(高速電力線通信)、また最近では超伝導ケーブルの実用化など、ニッチだけど電気の将来は明るいですよ。
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高品質な施工を支えている直営施工体制とは?
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電気工事業の場合、会社の技術力は詰まるところ、社員一人ひとりのスキルに支えられています。電気工事は、施工管理を行うエンジニア(現場監督)と、実際に施工を行う技能者(電工職人)が車の両輪となって、電気設備を完成させていきます。電気工事業界というのは、建設会社やデベロッパーから工事依頼を請けた後、実施工部分については、その都度、必要な人材を確保するために下請業者に工事を発注します。当社では1日に約600人の実施工チーム、いわゆる職人あるいは電工と言われる技能者が稼動していますが、その内の約100名強が社員として在籍する直営工、直営施工チームです。この直営工は、主に工業高校の電気科出身者がその主力ですが、彼らの中には卒業時点で第一種電気工事士(高圧電気を扱える資格)を所有している者も少なくありません。こういった100名を超える直営工を抱えている電気工事会社は少なく、当社の大きな特長の一つになっています。顧客からの信頼は厚く、直営施工のおかげで継続して仕事の受注に結びつくケースもあります。また、社内に電工道場を作って、日頃から電工のスキルアップに取り組んでいます。その高い技能をアピールするために各種技能コンクールにも積極的に参加し、業界が主催する技能大会では常に上位入賞を果たすと共に、上位入賞は若い電工の目標にもなっています。いくらお金をかけても、どんなに良い設計をしても、最新の機器を導入しても、それを使いこなせる職人がいないと、モノを作ることはできません。建設工事において、職人の技量と堅気は品質の最後の砦です。ですから社内で時間とコストをかけて直営工を育成し、その高い施工力によって、競争激しい業界を勝ち抜いていかねばなりません。ゆくゆくは、100名の直営工を150名くらいにしたいですね。
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朝会と若いうちの資格取得と徹底したスキル教育が、高い技術力を生み出す
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次に、図面を作成し職人を動かす、エンジニア職についてお聞かせください。
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電気工事のエンジニアに求められる能力は、極めて程度の高いものです。要求される能力を分かり易く表現すると、会社から億単位の金(予算)を預かり、機器や材料を購入し、人を配置し、一つのプロジェクトを完成させる。そこには、顧客や建築会社との交渉力、仕入業者との折衝力、職人への指導力、予算・工程・安全管理力、そして電気設備に対する高度な知識とそれを実証する資格が要求されます。これらの能力のうちで、教育して最も効果の期待できるものと若いうちにやるほど効果的なものは、資格取得講習とスキル教育です。当社の若手のエンジニアは、入社してまずは資格取得のために講習の受講が義務付けられますし、見積やCADでの図面作成など、担当者に必要なスキル習得の研修が実施されます。昇格時には資格の取得が必要条件になりますし、これらのスキルは試験の対象となり、若いうちに資格とスキルを習得することを徹底しています。また、交渉力や折衝力、職人の適正配置、予算、工程や安全管理については、毎週、実施される朝会で実際に現場で起こった事例を紹介し、情報やノウハウを共有化することにより、実践に役立つ応用力を培っています。朝会の内容が充実するにつれて、出席率は飛躍的に向上します。結果として情報やノウハウの共有化が徹底され、技術力や施工管理力の向上に繋がるのです。
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プロとは、ツールを使いこなして生産性の高い仕事ができる人
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どういう人材を育成しようと考えていますか?
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いわゆるプロフェッショナル。そしてプロには使いこなせるツール(道具)が必要と考えています。昔から「七つ道具」なんて言い方がありますが、野球で言えばバットやグローブ、昔の技術者なら図面台(ドラフター)や計算尺。ところが、現在はそれらにとって替わってパソコンが使われています。図面はCAD、予算管理や技術計算はエクセル、文書作成はワード、機器や材料はカタログ本でなくネットで閲覧、連絡のやりとりはメール、プレゼンはパワーポイントと、パソコンを使いこなせなくては仕事にならないのが現状です。また電気工事のエンジニアに限らず、今の若い人はパソコンが使えるというレベルではなくて、使いこなせるというレベルが必要だと思います。当社は内定者に対して、エクセルやワードに関してはMOUS(マイクロソフト社の公式認定資格)の初級資格の取得を要求しています。また、CADについては上述のような研修に加え、社内で図面作成大会を開催し、若いエンジニアのスキルアップに繋げています。まずは仕事をこなすための技を身に付け、ツールを使いこなし、その技とツールで武装された真のプロフェッショナルを目指して欲しいと思います。
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「しっかり育てて、しっかり稼いで、そして社員に還元」が成長の原動力
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今後の経営についてお聞かせください。
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成熟した電気工事業界にあって、当社はおかげさまで、業績を順調に伸ばしています。業績を伸ばすためには、まず「良い工事」が必要です。また、限られた経営資源ですから、成長分野へのシフトも欠かせません。先ほども申し上げたように、LED照明、燃料電池や太陽光発電、オール電化、PLC(高速電力線通信)、超伝導など、新たな技術革新で電気に対する期待はますます大きく、成長の見込める分野も広がっています。良い工事にしても、成長分野へのシフトにしても、また新しい技術への対応にしても、若い力が必要です。しっかり育てて、しっかり稼いで、そして社員に還元、このプロセスを会社成長の原動力にしたいですね。
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ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
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就職には期待もあるでしょうが、覚悟も必要です。最初から、この仕事は俺にピッタリだなんていうのは、めったにありません。ほとんどの人がその仕事をあきらめずに続けていくうちに、やりがいを見出し、自分の職業になっていくのだと思います。ただ後で言い訳をしないためにも、就職活動では何か高価なものを買う時に多くの商品を比較するように、できるだけ多くの会社を訪問し、自分なりに比較し、しっかり選んでください。そして会社を選んで覚悟を決めたら、「向き、不向きより前向き」の気持ちで就職してほしいと思います。
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