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メーカー(自動車・輸送機器) / メーカー(機械・工作機械・ロボット) / メーカー(コンピュータ・通信機器・ゲーム機器)
最終更新日: 2008/03/31
(マークの説明) 正社員 理文不問
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うちの工場を見てもらえれば、技術を磨ける理由が分かります。
本社に来れば、自慢の製品をズラリと並べてあります。手にとって見ることもできます。まずは、どれから説明しましょうか。
株式会社塩野製作所
代表取締役
塩野 博万   (47歳)
Hirokazu Shiono
【プロフィール】
物心ついた頃から、父親が創業した塩野製作所でものづくりの世界に触れて育つ。工学と経営について学んだ後、1983年に入社。汎用機やフライス盤などの切削機、CAD/CAMなどを扱った設計など、ひと通りの現場を経験し、38歳で専務取締役に就任。その後、社長に就任し、市場環境が厳しい中で新しい取引先の開拓を積極化し、会社を大きく成長させる。「エンジニアリングセールス」という合言葉の通り、長年の経験に裏づけられた技術力と持ち前の営業・経営手腕で現在も新規開拓を自ら積極的に推進。新卒採用にも力を入れ、熟練技術者とともに技術の伝承と若手の育成に力を注ぐ日々。
INTERVIEW
ロケットや航空機、レーシングカーなどに搭載される部品を作っている塩野製作所。なぜ、そのように業界屈指のメーカーと取引ができているのか、最先端をいく設備環境、自慢の工場とは、その中でどのような技術を磨いていけるのか、社長の“現場時代”の話とともに塩野製作所で働く“価値”を伝えていただいた。
Question 宇宙関連や航空機などの開発メーカーと多くの取引があるのは、なぜですか?
Answer もともとこのあたりは航空機の製造が盛んな地域で、当社も最初は軍の輸送機の整備から事業を始めたのです。そうした関係で徐々に部品の製造にも携わるようになって、航空機のエンジンに使われる部品などを任されるようになりました。当社が創業した当時は日本の高度成長期の真っ只中で、製造業と言えばだいたい航空機の分野に進む会社と自動車の分野に進む会社とに分かれていました。

ロケットや人工衛星の部品、つまり宇宙関連の製品ですが、これも近くに大手メーカーの工場があった関係で製造を任されるようになりました。航空機と宇宙に関しては創業間もない頃からなので、かなり長くお取引をいただいています。発注量も増え、かなりの種類の部品を作ってきました。結果的に、技術力も他社には負けないものになってきたわけです。

その後はコンピュータ産業が盛んになり、大型コンピュータの中で使われる大きな磁気ディスクの製造を、また携帯電話が普及するのに伴って基地局増設のための製品を作ったりと、まさに日本のものづくりのトレンドに合わせて当社も成長してきました。携帯で言えば、ほとんどの携帯電話会社の基地局に当社の製品は使われていると思います。
Question レーシングカーに搭載される部品も作っていますよね。
Answer 実は、この自動車関連の部品に関しては最近作り始めたものなのです。最近と言っても2000年頃からですが、確かに航空機や宇宙の分野で安定した収益は確保できていたけれど、将来を見据えて新しいマーケットも開拓していかなければと思ったのです。また当時、IT業界での需要を見込んでかなり設備投資にお金をかけていたのですが、これがITバブルがはじけて大変なことになった。機械を買ったのに、それをフルで回せないんです。これは苦しかった。この動いていない機械のキャパシティを埋めるために、何かを作らなければいけないと考えたわけです。

また、中国などのアジア諸国との競争が激化していて、“大量生産で作るもの”ではどうしてもコスト面で負けてしまう。そう考えると、今までのように大量生産型の受注ではなく、少量でも希少価値の高い製品を作って勝負していかなくてはならないと考えました。技術面では海外にも負けないし、国内でもトップクラスにある。その技術を活かしたものを、と考えると、やはり“付加価値の高い製品”を作っていく方向に会社を進めていきました。会社としては、量産製品時代から高付加価値製品の時代へと転換を果たしたわけです。
Question なるほど、これまでの実績に甘んじることなく、新しいマーケットを開拓していったと。
Answer それに社員のことを考えると、やはり新しい製品をいろいろと作れる環境の方が面白いじゃないですか。若手も増えてきたし、じゃあ彼らの多くが興味を持っているものは何かと考えると、まずは“クルマ”を思い浮かべました。そういう魅力ある分野に会社としてもどんどん進出していこうと。さらに当社の場合は一般の乗用車に使われる部品を作っているわけではなく、レーシングカーなどに搭載される製品を作っています。限られたマーケットですから確かに製造個数は少ないですが、一つひとつの価値は非常に高い。最先端の分野ですから、技術的にも難しい。それでも大手メーカーに認められて次々と発注をいただけているわけで、こうした取り組みが成功していることは大きな自信になっています。

ちょうど私が社長になったのと同時期に新しいマーケットの開拓を進めていったわけですが、この10年弱で取引先は当時の倍以上になりました。20社あまりだったのが45社まで増え、これからもっと増えていく予定です。私も営業と一緒になって新しい取引先を開拓するために全国を飛び回りました。今でもこの新規開拓の動きは止めていなくて、専任の営業が活躍してくれています。たとえば最近では、医療機器に使われる部品を作れないか、という話も出てきていたり。
Question しかし、そんなにすぐに新しい取引先が見つかるものなのですか?
Answer 中には当社の生産体制が追いつかないくらいの受注量だったので、それを整えてから取引が始まるというケースもありました。しかし、多くの新規取引先とは結構すんなりと話が進みました。相手の多くは大手メーカーですから、それ相応の品質がないと取引なんかしてくれない。中には取引開始に至るまでに1年以上の時間を費やす会社もあります。しかし、なぜ当社が早く取引開始をできたか。それは、工場の設備が充実していることが一番大きかった。取引を検討しているメーカーの技術者の方々に生産体制を見てもらうために工場に来てもらうのですが、来たら“一発で決まる”ということが多かったですね。それだけ最先端の設備が整っているし、技術者のレベルが高い。それを客観的に認めてもらえたのだと思います。中には数週間の話し合いで取引が成立したメーカーもあるくらいです。

もちろん生産体制だけでなく、品質面でもこだわっています。最先端の検査機器を揃えて、手作業でも技術者が一つひとつ製品の良し悪しをチェックする。人命に関わる航空機やロケット、自動車などの分野では、一般的な世界では考えられないような高いレベルの品質を求められますからね。また、たいへん名誉なことではありますが、当社を無検査工場に認定していただいたメーカーもあります。普通は製品を納めた後、再度メーカーの基準に則って検査を行なうものですが、“その必要はなし”と認められたのです。
Question 社長ご自身も、技術者としての経験を積まれてきたのですか?
Answer 現場には約20年いました。もともとこの会社は父が作った会社で、私は二代目になります。ちょうど私が生まれた時と同じくらいに会社も誕生しました。親父は大変だったなと思うのです。息子と会社を一緒に育てていかないといけないですから。それで最初の頃は家の庭に工作場がある感じの小さな会社でしたから、物心がついた頃にはいつの間にか機械いじりをやっていましたね。そういう環境が当たり前の中で育ったものですから、自然とこの会社で働いていた。中学や高校の夏休みや冬休みには、アルバイトで加工作業を手伝ったりね。今の工場長なんかには小さい頃にはよく遊んでもらって、本当に家族みたいな感じです。まあこれは今も変わらない風土ですけど、本当に、昭和の小さな町工場のようなイメージです。

それが、自分の体が大きくなっていくにしたがって、会社の規模も大きくなっていった。私もまずは現場を知らなければ経営なんてできない、ということで最初は現場で“修行の日々”です。あとはお話しした通りで、いろんな製品を扱うようになって“小さな町工場”が徐々にいろんなメーカーと取引ができるくらいの会社へと成長していったわけです。
ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
私もそうでしたが、この世界はやはり“現場を知ってなんぼ”です。あらかじめプログラムを組んで、ある程度オートメーションで作っていくマシニングセンターの作業ならばすんなりと取り組みやすいかもしれませんが、たとえば体で感じる振動によって機械を微調整しながら削っていく汎用機の世界を究めるには、かなりの年月を費やすでしょう。どんなに究めても、もっともっと良い製品を作っていくことができる奥の深い世界です。そう簡単に身につけられるものではありません。でも、自分もやってきたからこそ言えるのですが、だからこそ面白いんです。やってもやっても、まだまだうまくなれる可能性があるというか。それに当社の場合、マシニングや汎用機はもちろんですが、最終の仕上げや品質管理、それに設計も経験することができる。これだけいろんな分野で使われるものを作れて、なおかつ「削る」という技術をあらゆる方向から磨いていける環境は、他にはないのではないかと思います。

そして当社の場合、このような“職人の世界”がある会社ではありますが、新卒採用には力を入れている会社です。8年前くらいから定期的に採用して、未経験者をしっかりと育てています。だから、熟練技術者の“教える技術”というのも磨かれています。どんなに機械が進化しても、最終的にはその人の“味”が製品に出る。そういう世界の技術を磨きたいなら、一人前に育てる自信も環境もあります。興味を持ったら、まずはうちの工場に一度来てみてください。メーカーの技術者の方々ではないですが、きっと「すごい」、それか「面白そう」と思ってもらえるはずですから。
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