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「もう一度、起業するつもりです」。
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「今は、新しいエイコーをつくろうとしている最中。ぜひ、白紙の状態の皆さんにお会いしたいですね」。
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株式会社エイコー
代表取締役社長
山田 五十一
(64歳)
Isokazu Yamada
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税理士の資格を取るべく在学中から税理士事務所で働くも、「この数字が生まれる現場に携わりたい」と実業の世界に身を投じる。経理職としてキャリアを積んでいたが、税理士への夢が捨てられず一度退職。企業からの要請を受けて再入社を果たすも、「新しいことが学びたい」と一から営業職としてのスタートを切る。独立以降は、OA機器販売を進化させドキュメントソリューション事業、情報通信ソリューション事業と手を広げてきた。現在も経営改革を図るべく環境ビジネスに乗り出すなど、奮闘中だ。
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ドキュメントソリューションをはじめとしてオフィス環境を総合プロデュースする商社、エイコー。環境事業にも積極的に乗り出す同社を率いて営業現場の指揮も執るのが社長、山田氏だ。「全天候型優良中堅企業」を目指す現在を「第二創業期」と呼ぶ山田氏に、エイコーの過去・現在、そしてこれからについて伺った。
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ビジネスパーソンとしての紆余曲折が、経営者としての素養を育てた。
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簡単に、ご経歴について伺えますか?
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私が、就職活動をしていたのは大不況の時期。各企業が採用を控えていたこともあり、なかなか内定を得られなかったんです。「手に職をつけないといけないな」と感じ、税理士になることを目指して税理士事務所で在学中から働き始めました。そこで実際の業務を行っていたわけですが、経理上の数字を扱っているうちにこの数字を生み出しているビジネスの現場に携わりたいと思うようになってきたんです。税理士になるために必要な資格の一部は取得しましたが、卒業する時に就職したのは一般企業の経理職でした。入社したのは、事務機器の販売を行う商社。当時の社長が非常に魅力的な人物だったんです。積極的に人を採用して、拠点を増やしていく。「やはり経営者となるとこれだけアクティブなものか」と感銘を受けて、自分も社長と一緒になって会社を大きくしようと3年間必死に働きました。
その後、税理士の資格への未練が断ち切れなかった私は、再び税理士事務所で働きだしました。すると元の会社から「経理部長の待遇を用意するから戻ってきてくれ」と声を掛けられたんです。しかし「経理の仕事は一通りマスターした」という思いもあり、どうせなら一から始めようと考えて営業の一社員として再入社しました。その後3年ほどで、拠点長として売上に責任を担う立場に。営業と経理、これらは“セールス”と“アカウント”として経営の両輪とされています。私は働きながら、経営の勉強をさせてもらっていた形になりますね。
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創業に至ったきっかけを、教えていただけますか?
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経理としても営業としても自信が付いた頃から、独立したいという希望は持っていました。ただ、踏ん切りがつかないでいたんです。創業の決め手となったのは、文字通りのアクシデント。自動車を運転している際に、事故を起こしてしまったんです。車は大破しましたが、奇跡的に私は無傷。念のためにと、病院へ向かう救急車の中で「人はいつ死ぬか分からない。どうせなら後悔しない人生を送りたい」と強く感じたんです。帰ってからは事故の話もそこそこに、起業したいという希望を妻に告げました。妻は「好きなようにしてみたら?」と拍子抜けするほどあっさり賛成してくれて、決心が付いたんです。
長年働いてきた中でこの事業の面白みは感じていましたが、競合となる企業も多数存在することも痛感しています。独立にあたっては、明確な他社差別化を図る必要があると思いました。そこで考えたのが、ソフト。ソフトウェアではなく、機器を販売する営業――人で差別化を図ろうと考えたんです。これにはいくつかの側面があって、一人の人間としてお客様の気に入られるというのもその一つ。もう一つは、人が頭をひねることによって初めて生まれる提案内容。単純に機器の販売をするのではなく、オフィスの書類管理システムまで含めて提案する“ソリューション”を行おう、と考えたのです。この方針はお客様にも好評で、独立系(メーカー直販ではない)の企業としては珍しいことですが、大手のクライアントにも取引をいただいています。
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人生にも通じるセオリーは、カーネギーのビジネス書から見つけた。
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御社では、毎日朝礼で繰り返す“教訓”があると伺いました。
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デール・カーネギーの著書『人を動かす』の一節、“人に好かれる六原則”というものです。
1.誠実な関心を寄せる 2.笑顔を忘れない 3.名前を覚える 4.聞き手にまわる 5.関心のありかを見抜く 6.心からほめる…といった内容なのですが、私はこれを初めて読んだ時に衝撃を受けました。大げさに言えば、私の人生の転機となった一冊と言って良いかもしれません。
私がこの本と出会ったのは、営業として働いていた時。壁にぶつかり、打開策を研究していた頃でした。“人に好かれる”というのはビジネスの、特に営業にとっての基本だと感じています。営業の仕事は商品を売ることですが、その前提にあるのが、お客様から信頼を寄せられること。つまり、お客様に好かれることだからです。これは、仕事はもちろん人生にも通じるセオリー。仕事上でも人生でも、最も大きな幸せをもたらすものであり、悩みのタネにもなるのは人間関係ではないでしょうか。“人に好かれる”というのは、人として幸せになるために必要なスキルなのです。そういう意味で、営業とは仕事そのものが勉強である、特殊な職種だと考えています。社員にもこの考え方を浸透させなければならないと感じているため、朝礼では毎回、皆で唱和しています。
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今のように、様々な事業を手掛けるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
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創業当初は事務機器、分かりやすくいえばコピー機等の販売をしていました。意識的に多事業化に乗り出した、というよりお客様のニーズや時代の流れに応えているうちに多事業化していったというのが正確な所です。先ほどの“人に好かれる”を実践して、お客様のニーズを解決していったわけです。
事務機器はOA(オフィスオートメーション)機器になり、通信機能を内蔵したIT機器へと進化していきました。いまや、オフィス用品は単に紙面を出力するだけではなく、社内の情報管理ツールとしての機能が求められているのです。その要請にあわせ、当社も単に販売のみを担うのではなく、社内の書類管理、情報管理…とお手伝いできる仕事の幅を広げていくうちに、自然と他事業化への道を歩んでいました。以前まで経営者として社長業に専念していたのですが、ここ数年は特に世相の変化が激しく、2001年から再び陣頭指揮を執るようになっています。やはりソリューションを行うにはお客様の業務について深く理解する必要があり、知識も必要です。私が手本を示すことで、社員一人ひとりが“ソリューション”を提供できる営業へと成長してくれることを期待しています。
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今後は、どのような事業を展開されていくおつもりですか?
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エイコーは1974年の創業以来、30年以上経過しました。今は「全天候型優良中堅企業」を目指す第二創業期、つまりもう一度ゼロから創業するつもりで事業に取り組んでいます。たとえば、「Total and One Step Solution」への転換。IT化によって書類に関わる作業を減らし、人が担当業務に集中できる環境を整える事業です。一例として大阪本社、東京本社および各拠点の什器・機器類を入れ替え、お客様に実際に見ていただきオフィス全般にわたり提案できるオフィス(Live Office)をつくりあげました。当社が提供しているサービスのモデルケースとして、自社をプロデュースした形です。仕事の効率が上がったことはもちろん、お客様へ提案する際の事例としても役立っています。
また、環境事業にも乗り出しました。環境意識が高まりメーカーに廃棄までの責任を求める世論が強くなってきていますが、毎月膨大な数量のIT機器を販売する私たちにもその責任がある、と考えています。そのため「循環型社会」をテーマに掲げ、環境機器の提案を行っています。現在、廃プラスチック油化還元型装置や廃食油を軽油の代替燃料へと変換する装置など、資源をリユース・リデュースし新エネルギーを創出する装置の提案を行っています。2007年6月に開催された「2007NEW環境展」にも出品し、問い合わせや見学の申し込みが毎日のように来ている状態です。事業としてはこれからですが、今後は更に自然の恵みを活かしエネルギーが有効利用される太陽光発電、ハイブリッド発電などのシステムを提案する事業も手掛けていきたいと考えています。
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ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
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当社が、新卒採用を再開したのは4〜5年前。「これからは時代が変わる、社内に新しい風を取り込まねば」と決意してのことでした。つまり、それだけ若い人の周囲に対する影響力は大きいのです。ただ最近、学生の方とお会いして残念に感じているのが“目標を持っている”と感じられる人が少ないこと。ハッキリしたものでなくて構いませんが、目的意識を持って欲しい。当社では、私の主催で勉強会なども開いています。それに「社長が何か言っているから」という受身の姿勢ではなく、向学心を持って取り組んでくれる方が望ましいですね。“格差社会”ということが言われてから久しく、一人ひとりに「いかに仕事を通じて自分を高めていくか?」という姿勢が求められる時代です。自身の成長のためにも「目の前の仕事には一心不乱に取り組んでやる!」というぐらいの気概を、持っていただきたいと思います。
先ほどお話しした通り、当社はこれから第二創業期を迎えます。当然、今の仕事の進め方で変えなければならない点も出てくるでしょう。私が皆さんに期待しているのは、会社を変革する力。「働いた経験のない自分が、会社を変えるなんて…」と自信が持てないかもしれませんが、一心不乱に仕事に取り組む人の言葉には、誰もが耳を貸します。それだけの意欲を持った方と、お会いできることを楽しみにしています。
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