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メーカー(機械・工作機械・ロボット) / 商社(専門商社(機械・電気・金属)) / メーカー(メーカー(その他))
最終更新日: 2008/03/24
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誰だって初めからプロじゃない。それでも、モノづくりをする人になれるんです。
「自分にフィットする仕事。それをクリーニング機械の世界で、ぜひ発見していただきたいですね」。
三幸社グループ
最高経営責任者
打越 満幸   (73歳)
Mitsuyuki Uchikoshi
【プロフィール】
▼四人兄弟の三男。10代の頃に兄弟と共に機械づくりで事業を興す。その後、兄弟経営でクリーニング店を開業。やがて独立し、順調に売上を伸ばす。一方で、クリーニング機械にも興味が湧き、一人で機械づくりを始め、試行錯誤の日々を送る。▼1979年に三幸社設立。これまで数々のヒット作を発明。さらに、国内マーケットの拡大を図り、独自の手法で全国に販売代理店網を構築。人員拡大と技術力向上を図り、アメリカを始め海外へも積極的に進出。現在は、海外の展示会等を回り、世界規模での市場拡大に努める。▼趣味はデッサンや油絵などの絵を描くこと。社屋には作品が飾られている。海外出張の合間には、美術館で絵画鑑賞を楽しむ。
INTERVIEW
クリーニング業界に革命を起こし続けている三幸社グループ。オリジナルマシンの製造にこだわり、数々の主力製品が市場を開拓し続けている。しかし、元はクリーニング店経営から始まった事業。好調な事業を転換し、大胆なチャレンジにかけた理由を、最高経営責任者、打越氏に伺った。
Question これまで発明されてきた中で“これはヒットした”というものを教えていただけますか?
Answer 最も印象的だったのは、クリーニングの工程まで変えることになったワイシャツ仕上機のヒットですね。その機械ができるまでワイシャツは、カラー(襟)・カフス(袖)・身ごろ・タックの4つの部分それぞれに専用の機械を使い、全て別工程で仕上げていたんです。しかし、もっと作業を短縮して、楽に仕上げられないかと僕は思っていたんです。そこで、身ごろとタックは同じ胴体部分だから、ひょっとしたら一緒にプレスできるかもしれないということを考えついたんです。そして誕生したのが、身ごろとタックの同時プレスを可能にしたワイシャツ仕上機。これは当時、爆発的な売上を記録したんですよ。

このクリーニング工程の短縮化というのは、クリーニング店にとってかなり影響の大きいもので、コスト削減や生産性向上、さらには価格低減までも実現することができました。『ワイシャツ1枚100円・即日仕上』というのは、今でこそ常識となっていますが、このワイシャツ仕上機の誕生なくしては有り得なかったのではないかと思います。あと、“仕上”というのはその前工程にある“洗い”にも大きく影響を受けます。そこで当社では、試作段階で新しくあみ出した洗い方などを、クリーニング店に積極的に提案していきました。洗いの段階でシワを減少し、仕上工程の負担を軽くする方法など、当社のアイデアがもととなって、業界に革命的な手法をもたらした事例もいくつかあるんですよ。
Question クリーニング業界に革命を起こすには、クリーニング店とのつながりも大切ですよね。
Answer そうですね。あと、ユーザーと当社の間にある販売代理店との信頼関係も大切です。当社は、これまで効率的に優良な販売代理店を増やしてきたのですが、その拡大を実現できたきっかけも、ある製品のヒットがあったからなんです。まだ当社の名が業界で認知されていなかった時に、あるスーツの仕上機を発売したんです。その時は、まだ自社で販売機能というものを持っていなかったのですが、そんな状態でも口コミで全国のクリーニング店から問い合わせがきたんです。正直、どうしようかなと思っていたのですが、僕は問い合わせに対して、こう答えたんです。「あなたが一番信頼している販売店を紹介してください。そこに納めますから」。そのやり方が功を奏して、信頼できる販売ネットワークを全国規模で、しかも自社のパワーを最小限に留めながら構築することができたんです。

実は、それまでにも販売網を持つ機会はありました。今でこそ、当社はワイシャツ仕上機やスーツ仕上機、包装機など主力製品をたくさん持っていますが、最初の頃は手探り状態でいろいろな機械をつくっては失敗して、またつくるという日々を送っていました。そんな時に、「打越さんがつくった機械を販売してあげるよ」と言ってくれる業者さんがいたんです。そこで、「これはチャンスだ」と思って、僕はあるドイツメーカーのプレス機をコピーしてつくったんです。でもそれが失敗だった。調子に乗ってしまって、そのコピー製品をある展示会に出品してしまったんですね。ところが何と、本家本元のドイツメーカーも僕がコピーした製品を出品していたんです。それに気づいてからは、会場の中を逃げ回っていました。本当に恥ずかしかったし、何度も後悔しましたね。その時に、「二度と人のモノマネはしない」と誓ったんです。だからそれ以来、当社の製品は全てオリジナルであることにこだわっています。
Question 会社設立前は、もともと“機械づくり”に携わっていらっしゃったのですか?
Answer いいえ。その前は、クリーニング店を経営していたんです。それより前は、兄貴とある機械をつくって事業を興したんですけど、それが大失敗しましてね。それから路頭に迷っている時に、ある人にクリーニングをやってみてはどうかと勧められたんです。その理由は、「クリーニングは資金がなくてもやっていける。人の衣類、つまり財産を使って商売ができる」というもの。これは良いことを聞いたなと、当時は思いましたね。

それからクリーニング業で生計を立てて、売上も順調に伸びていたんですけど、どうもクリーニング業というのが性に合わないなということが解ってきたんです。子供の頃から絵描きになりたいと思っていたくらいだから、“何かをつくる”という仕事がやりたかったんでしょうね。僕から見るとクリーニングというのは、衣類をキレイにすること。つまり、モノの加工はするけど、“新しいモノを生み出す仕事”じゃないなと思っていたんですね。そんな時に興味を惹かれたのが、いつも傍にあったクリーニング機械だったんです。「この機能を改良したらもっと良くなるのに」といったように、機械の方にばかり目がいっていました。

そうしてクリーニング業を営む反面、モノづくりへの興味がどんどん増していた頃に、ある板金業者と知り合ったんです。そこで、「僕はこういう機械をつくりたいんだ」って彼に話したら、協力すると言ってくれて、一緒になってクリーニング機械をいじり始めたんです。その時が、まさに憧れだった“モノづくりの世界”に飛び込んだ瞬間ですね。
Question 好調なクリーニング店の経営を辞め“モノづくりの世界”に挑む。周囲からの反対は?
Answer 疑問や反対の声はもちろん上がりましたね。同業者の方からも、「せっかくクリーニング店でうまくいってるのにもったいない」 「今さら新しいことを始めるなんて、あいつはおかしくなったんじゃないか」とか言われましたね。でも僕はその時、こう思ったんです。「誰だって最初からプロというわけではないし、皆、最初は素人じゃないか」ってね。僕だって、最初からクリーニング業がうまくいってたわけじゃないし、失敗を重ねて、努力してプロになった。“機械屋”になるのだって、確かにスタートした年齢は遅いかもしれないし、若い頃からやっている人にはその時点では敵わないかもしれない。でも、“最初は素人”という条件は皆一緒。そう考えると、僕がクリーニング屋だから機械はつくれない、という理論は成り立たないと思ったんです。

僕は、「あいつは専門的な技術を持っている人間だから、特別なことができる。自分にはその技術がないからできない」っていう考え方は嫌いですね。そんな風に考えてしまうのは、きっとそれをやるのが嫌だからだし、あきらめの気持ちがあるからなんですよ。挑戦してもないのにね。
Question “挑まずして、あきらめるな”。それは若い方にも伝えたいことですか?
Answer そうですね。僕は、自分の志向にフィットする仕事でないならば、別のことをやればいいし、職を変えてもいいと思っています。僕自身も今までそうしてきましたからね。でもね、フィットすると思ったら、まずは挑戦してみることが大事。そして本当にフィットしていたなら、一生懸命やる。それでこそ成功を味わえるんです。

そのいい例が、米国法人の社長ですね。彼は、僕が10年くらい前に通っていた英会話教室のアメリカ人講師で、この業界は全くの素人だったんです。当時、僕は海外進出のプランを練っていて、現地で任せられる人材を探していました。そんな時、彼と夢について語りあったりしているうちに、当社の事業に彼が興味を持ってくれたんです。そこで、やる気に満ちた彼に任せてみようと思ったんです。もともと日本のクリーニングシステムというのはアメリカから入ってきたものだったし、当社の製品が受け入れられるだろうという読みはありましたしね。
Question 多様な志向にフィットしうる仕事が、御社の中には溢れていますか?
Answer もちろんです。扱っているのはクリーニング機械ですが、当社には、海外業務の他に、設計や国内販売、それに皆をサポートする総務や経理など、さまざまな仕事があります。また、クリーニング機械というのは、アイデア次第でまだまだ進化の余地がある機械です。さらに、マーケットから見ても、日本やアメリカ、そして近年、新規開拓の糸口が見え始めたヨーロッパなど、活躍の舞台はワールドワイドに広がっています。自分の取り組み次第で、フィットする仕事を選択できる。そして、自分のやりたいように仕事のやり方を改革していける。そんな可能性を当社の事業は秘めていると言えるでしょうね。

どんな職業でも、世の中の役に立つからこそ存在すると、僕は考えています。三幸社エンジニアリングという会社だって、世の中に必要とされるからこそ存在する。でも、誰だって最初からプロじゃないんです。皆、素人から始めるんです。そして、その状態からどれだけ世の中に必要とされる人になるかが大事なんです。若い人がプロとなっていく。その過程を最大限にサポートしていきたいですね。
ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
当社の基本理念は「クリーニング業界に対して新しい産業文化を創るリーディングカンパニーであり続けること」。その実現に向けスタッフ全員が自発的に行動します。スタッフの行動の基本にあるものは仕事に対する責任感と企業家精神です。そんなスタッフと一緒に“オリジナルのモノづくりに携わりたい” “自ら会社を経営したい”・・・そんな意欲のある方は是非当社の扉をたたいていただきたいと思います。
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