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最終更新日: 2007/11/26
(マークの説明) 正社員 理文不問 老舗
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『めっき』がブランドになる時代を創っていきたい。
「ものづくりの根幹を支えているのは現場です。日本の産業を支えている現場を、ぜひ見に来てほしい」と石川専務。
株式会社ヒキフネ
専務取締役
石川 英孝   (41歳)
Hidetaka Ishikawa
【プロフィール】
▼1967年生まれ、東京都出身。▼日本大学商学部を卒業後、大手アパレル会社に就職。主に服作りに携わり、仕様の打ち合わせから納期管理まで、生産全般に従事。このとき「“ものづくり”の工程とはどのようなものか」身を持って学ぶ。▼その後、「創業75年の歴史を継承したい」と考え、父親(現:代表取締役社長)が経営するヒキフネに入社することを決意。1995年4月より、入社。▼2001年には関連会社ヒキフネ技研の工場長に就任し、2003年からはヒキフネならびにヒキフネ技研の取締役専務に就任。▼『ヒキフネ・ブランド』を確立すべく、常に時代の先を見据えて事業を展開している。
INTERVIEW
創業以来、携帯電話から光ファイバーまで、幅広い産業分野を相手にめっき加工を手がけるヒキフネ。培ってきた技術の伝承に加え、次々と新技術を開発することで、近年では多くの企業から注目されている。“伝統と最先端めっき技術の融合”を今後どのように実現していくのか、同社専務・石川氏に伺った。
Question まずは、「父親が経営する会社を継ごう」と考えた経緯をお教えください。
Answer 一言で言うと、“責任”ですね。もともと私の祖父が創業した会社ですが、祖父はもちろん父からも「ヒキフネを継いでほしい」と言われたことはありませんでした。むしろ、父なんかは「自分の好きなことをやれ」と言っていたぐらいですから。そこで、大学卒業後はアパレル会社に就職したんです。ただ、毎年近所の人々と行う会社のお祭りには顔を出していましたし、会社の経営状況に関してもよく父と話していました。そんなことを繰り返しているうちに、だんだんとこの会社への思い入れが強くなってきましてね。創業75年の歴史を継承して、さらに未来に向けてヒキフネを存続させていく社会的責任がある。そう強く思うようになりました。そこで、28歳で結婚したのを機に、父に自分の意志を伝えたんです。

入社してからは、まず業務部という社内の仕事の流れが把握し易い部署で仕事を覚えることから始めました。ただ、最初は戸惑うことばかりでしたね。今までは全く違う業界にいたわけですから。特にギャップを感じたのはコスト。以前アパレル会社にいた頃は、安くても一つの製品が2000円から3000円はしていました。ところがヒキフネでは、一つの製品が例えば50銭だったりするんです。それが何百万個も売れるから、当然利益は出るんですけど、やっぱりはじめは驚きましたね。
Question では経営者として、どの業界においても必要とされるものは何だと思いますか?
Answer “正直さ”ですね。仕事をしていると、様々なトラブルが発生します。トラブルにより、お客様に迷惑をかけてしまうこともあります。そんなとき、どのようなことが起こっているのか正直に伝え、可能な限りお客様の要望に応えること。これが大事です。当たり前のことと思うかも知れませんが、この当たり前のことができなくて以前は僕もよく怒られました。つい言い訳が先に出たりしてね。しかし、言い訳は決して良い結果には結びつきません。

だから、ヒキフネに入社してからは特に、何かトラブルが発生したらすぐお客様に伝えるよう意識しています。正直にお客様に事の詳細を伝えて、その中で要望に応えるためにどうするかを一緒に話し合いながら決める。そして、決めたことは必ず実現する。この姿勢が今ではお客様からも高く評価されていて、「石川さんはごまかさず正直に何でも話してくれるから助かりますよ」という言葉もいただいています。

これは社外だけでなく社内でも同じこと。僕はよく社員に「何かあったら正直に言うんだよ」と話しています。何かトラブルがあって、それが後から発覚して取り返しのつかないことになったら大変ですし、早めに対応することで被害を最小限に食い止めることもできますからね。どんなときでも正直に。これが、信頼関係を築く上で最も大切なことです。
Question 御社が属するめっき業界は、変化の大きい業界だと伺ったのですが。
Answer はい。それを顕著に表しているのが、当社の取引先実績だと思います。実はこの10年の間に当社の取引先はガラッと様変わりしました。何故だか分かりますか?それは、めっきに対する世の中のニーズがこの10年間で大きく変化したからです。例えば、以前であればドアノブなどの建築金具が当社の売上を占めていたのですが、現在では携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電がその勢いを伸ばしている――といったように、市場のニーズは時代とともに変化しています。

この変化に対応するために当社では、営業部という部署を設け、常に最新のトレンドを追い続けるよう努めています。お客様との雑談からニーズを拾い集めたり、進んで展示会に出展して市場が求めているものを探ったりしてね。また30年ほど前から社内に技術部も設置し、新製品や新技術の開発を行っています。このように時代のニーズを敏感に察知しようとすることで、市場が変わっても安定的に成長していくことができています。

現在はとにかくデジタル家電の売上が順調ですが、現状に甘んじることはありません。これからも変化に対応していくために、私たちはすでに次の時代のことを考えて動き始めています。
Question 次の時代を視野に入れ、今後はどのように事業を展開していくのでしょうか。
Answer 『ヒキフネ・ブランド』の確立を目指していきたいと考えています。当社の製品って、お客様から聞くところによると他社より少し高いらしいんです。それでも現在まで多くのお客様から支持され、「いつも質の良いものを納めてくれてありがとう」とお言葉をいただくこともあります。そういう意味ではお客様に喜ばれてはいる。高い技術力も保持している。だけど、携帯電話やデジタルカメラなんかの新製品が出たときに“めっき加工”に注目する人は少ないでしょう?せっかくお客様に喜ばれて、しかも最先端の高度な技術を用いて加工しているんだから、これをもっとアピールしてもいいんじゃないかって思うんですよね。例えば完成しためっき加工品にヒキフネのロゴマークが入れたりすることで、「このマークがついている製品は高品質で安全なんだ」と分かってもらえるような『ヒキフネ・ブランド』。これを確立していきたいんです。

今はまだ、めっき加工という技術について詳しくない人も多いと思います。特に若い人たちにはあまり知られていないのかもしれませんね。だからこそ、ヒキフネのめっき加工をブランド化して、少しでも興味を持って欲しい。そしてゆくゆくは、「ヒキフネという会社がめっき加工をした」という事実が、その製品の価値になるようにしていきたいですね。
Question 創業75年を迎えた今、これからのヒキフネが目指すべき会社像をお教えください。
Answer 私たちはどんな時代も社会の役に立つ会社でありたいと考えています。社会的に存在する意義がなければ、業界の存続自体が危うくなりますからね。そうなれば、日本の産業にも大きなダメージを与えかねません。そのために当社では、技術部や営業部を設置し、めっきの将来性やオリジナリティを追求し続けているんです。このような取り組みから、実際に製品化されているものもあります。例えばカメレオンが環境に合わせて体の色を変えるように、変化してゆく時代の“色”に柔軟に適応していける会社。今後もこのような基本的なスタンスは変わりません。どんな時代にも社会の役に立つ会社であり続けるために、私たちはこれからも次々と新しい価値を提供していきます。

もちろんこれから入社する皆さんにも、私たちと一緒に新しいことに挑戦していってほしいと思っています。どんなに機械が便利になっても、めっきの技術を支えるのはやはり“人”。人が成長しなければ、会社も成長しない。私はそう考えています。だから、人材育成にも力を入れていますし、若い世代からのアイディアもどんどん取り入れたいと思っています。今までにないような突拍子もないアイディアも大歓迎。豊かな発想を持ってどんどん提案していってください。その発想が、未来の世界のスタンダードになるなんてことも、当社でなら往々にしてあります。
ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
今はまだ「めっきって何?どんなもの?」、そう思っている方が多いと思います。でも、そんな人こそ説明会に来てほしい。めっきがどれだけ面白いものなのか、実際の現場を見れば一目瞭然だからです。僕自身、目の前で金属が加工されているところを初めて見たときには本当に感動しました。「何でこんなことできるの?!」って(笑)。

私たちの身の周りにあるあらゆる製品に施されているめっき加工。普段はそれを意識しないで生活している人がほとんどだと思いますが、実際に意識してみると思った以上に多くの製品がめっき加工されていることに気付くと思います。さかのぼれば奈良時代から現代まで人々に求められるめっき加工技術。この古くて新しい、そして面白い技術を、私たちと一緒に盛り上げていきましょう。
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