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最終更新日: 2007/11/22
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学生時代に思いついた事業をもとに、『想像できない』を“創造”するビジネスを展開。
想像できないものが多くあるところに飛びこむには勇気が必要。失敗しても挑戦し続け、それを乗り越えていくことが大切。
スリープログループ株式会社(東証マザーズ上場)
代表取締役社長兼CEO
高野 研   (33歳)
Ken Takano
【プロフィール】
▼高校生の頃から数多くのアルバイトを経験。▼1994年、大学受験が終わった直後から家庭教師のアルバイトを始め、その縁で『パソコン家庭教師』事業を開始。▼1995年、京都市で開催されたビジネスコンテストにて、「奨励賞」受賞。▼1996年6月、スリープログループ代表取締役社長に就任。▼2003年、東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。▼1975年石川県生まれ・神戸育ち。
INTERVIEW
人材派遣・紹介事業、アウトソーシング事業などを展開するスリープログループ。同社が展開する事業は、代表取締役社長兼CEOの高野氏が学生時代に考案したビジネスプランが原型だという。当時弱冠20歳の大学生が思い描き、展開してきた事業が拡大し、軌道に乗るまでの軌跡を辿った。
Question 社長は学生時代から様々なアルバイトを経験されてきたそうですね。
Answer 高校生の頃から本当に色々なアルバイトを経験しました。例えば、ひたすら一升瓶に醤油を注ぐ仕事や、甲子園球場の清掃など。選ぶ基準は「高給かどうか」「安くても楽しいかどうか」、そして「珍しいかどうか」。きっかけは友人たちがアルバイトで貯めたお金で運転免許を取る、バイクを購入するという話を聞き、羨ましさと悔しさを感じたことです。そこでアルバイト情報誌を定期購読するようになり色々と始めたのですが、働いていくうちに収入を得ることが楽しくなってきました。そして「情報誌に掲載されているアルバイトは全て制覇してやる」という気持ちで、次から次へと様々な仕事に挑戦しました。

大学に進学してからは、当時夢にまで見た“時給1000円以上”の家庭教師のアルバイトを始めました。水曜日以外は全て家庭教師をしていましたね。1人につき週2日の授業で最多時では7名の子どもを担当し、大学3割アルバイト7割という生活でした。その時は毎月の給与明細をファイリングして、常に収入額の記録更新を追求していました。そうすると次第に「空いている水曜日にもアルバイトを入れたい」と思うようになり、派遣センターに掛け合いました。しかし「1人の生徒につき週2日はやってくれないと困る」という理由で、いつも突き返されていました。今思えば、「記録を更新しよう」という気持ちが芽生えたのがこの頃で、これらの経験が全ての始まりだったのかもしれません。
Question 家庭教師のアルバイトが、後の『パソコン家庭教師』へとつながったそうですね。
Answer とにかく空いている水曜日を何とか埋めようと考え、自分で生徒募集のチラシを作成して近所に配布したところ、想像以上の問い合わせが来て、とても自分1人ではさばききれなくなってしまったのです。そこで、問い合わせてきた方に対しては、友人に協力を仰いでその友人を派遣することにしました。そうこうしているうちに事務作業が増えてきて、貯めたバイト代で業務用のコピー機や、当時では珍しかったノートパソコンを購入するなど、いつの間にか自分が家庭教師派遣センターの役割を担っていたのです。

そんな生活を送っていたある日、電車の中でノートパソコンを操作していたら隣に座っていた男性が「私にも使い方を教えてくれないか」と言ってきました。その時に「これはビジネスになるかもしれない」と思い、色々と調べてみると、あるパソコンメーカーの『格安!3時間・10万円』というパソコン教室の広告が目に留まりました。最初は高額な料金設定だと感じましたが、調べてみると当時の相場は3時間で約20万円。アルバイト漬けの人間ですから、すぐに時給換算をしましたよ。するとすぐにでも月収の記録を更新できるということが分かり、これまでの家庭教師のチラシ内容を「3時間で3万5000円のパソコン教室」に差し替えて、生徒の募集を始めました。徐々に人は集まり、企業からも話をもらえるようにまでなりました。これが『パソコン家庭教師』事業の始まりです。
Question その事業が「企業」となるまでには、どのような経緯があったのでしょうか。
Answer ちょうどその頃、阪神淡路大震災が起き、その後神戸を元気にするプロジェクトの一環としてある起業家の方の講演会がありました。「ちょっと聞いてみようかな」という軽い気持ちで参加したのですが、講演者の持つ独特の雰囲気に惹かれて、次第に「ビジネス」への興味が湧いてきました。それから数日後、その方が主催となり、最高賞金額1億円のビジネスコンテストを開催するという情報を入手し、すぐに当時の事業内容をレポートにまとめて、応募しました。結果、そのコンテストでは落選したのですが、その時に作成したレポートを京都市で行なわれた、別のビジネスコンテストに出してみたところ、「奨励賞」を獲得することができたのです。

それが『スリープログループ』の原型となるビジネスプランでした。たまたま授賞式の会場に経済誌の編集長が来られていたので、「これを逃す手はない」と挨拶に伺い、「受賞したことを記事にしてもらえませんか」と、お願いをしました。すると「ビジネスパートナーを募集している」という本当に小さな記事ながらも、連絡先とともに掲載してくださりました。その記事をきっかけに、大きな転機が訪れました。
Question その大きな転機とは?
Answer 記事が掲載されてから30件ほどの問い合わせがありました。そこには「資金を援助しよう」という方や、「事業を展開する場所を貸そう」という方など、とても良い条件を提示してくださる方が沢山いました。しかし、その中で1件気になる電話があったのです。「ビジネスパーソンとして、お互いの中間地点の名古屋で話そう。もちろん来るも来ないも高野さんの自由ですが」という内容でした。

自分を1人の“ビジネスパーソン”として認めてくれたことが嬉しくて、名古屋に行きました。そこで待っていたのは大手商社の社員の方でした。その方は私が立案した事業を、個人としてではなく、その方が勤務する会社で応援したいと言ってくれました。さらにその上で、私とともに後に事業を企業化させるためのパートナーまで紹介してくれたのです。それが現在、当社のファウンダーを務める竹中です。ですからあの時、名古屋に行っていなければ、現在のスリープログループは存在していなかったかもしれません。
Question そして「企業」としてスタートされた訳ですが、苦労はありませんでしたか?
Answer なかなか顧客がつかず、最初の月の売上はたった2万円でした。寝泊りも職場でする生活。けれども辛いと思ったことはありませんでしたね。と言うのも、図々しい話ですが営業に行って分からないことがあればお客様に教えてもらいましたし、食事をご馳走になったりすることもありましたから。

しかしそのような楽観的な姿勢で経営を1年続けていたある日、銀行の残高を確認してみると、そこには50万円しか残っていませんでした。起業時は2000万円あったのに、わずか1年で使い切ろうとしていたのです。そこから本気で「稼がなければ」と考えるようになりました。それが学生の“ビジネスもどき”から、“本当のビジネス”へとシフトした瞬間だったと思います。
Question その後、御社が急成長できた理由はどこにあるのでしょうか。
Answer 運も味方したのか大企業からの発注などがあり、1年目に1000万円だった売上も、2年目には1億7000万円になりました。私たちが人に必要とされるビジネス、平たく言えば「困っている人を助けるサービス」を展開してきたからだと思います。何も難しいことではありません。まずはクライアントの目の前にある問題に取り組み、そこに付加価値を生み出し、世の中のスタンダードとして確立されたのです。

また社員には、「お客様のニーズに対して、“NO”とは言うな。できる方法を考えよ」と日々伝えています。頼られるのであれば、たとえ応えることが困難であっても、正面から向き合って創造していくこと。“想像できないことを創造して、サービスを提供する”、それが私たちのスタンスです。

正直私自身どちらかと言うと、「場所」を用意して、環境を整えるのが得意なタイプ。そこで社員がやりたいと思ったことを止めずにどんどん事業化してきた結果、現在のスリープログループがあるのです。ですからこれからもそんな環境での仕事を楽しんでもらえる人に来て欲しいですね。私もそうなのですが、面白い仕事なら睡眠時間を削ってでもやれますから。だから社員にはこれからも失敗を恐れずに、どんどん積極的に道を切り拓いていってほしいと思っています。
ありがとうございました。最後に学生に対するメッセージをお願いします。
就職活動中の皆さんにとって、ビジネス社会には想像がつかない部分も多くあると思います。想像がつかないところに飛び込むのは恐いことかもしれません。しかし、私自身も恐いと感じながらも様々なことに挑戦して、多くの失敗も積み重ねてきました。それでも一つひとつの失敗を糧として乗り越えていく。その積み重ねが自分を成長させるのだと思います。

想像できない世界を前に踏みとどまるのではなく、そこで『何かを創造するんだ』という強い意思を持って、これからの就職活動、そして人生を進んで欲しいと思います。
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