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サービス(医療・福祉)
最終更新日: 2008/06/12
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プロの仕事研究
これからの介護を担う人材を輩出する、カリキュラム作成のプロ。
事務系−事務系その他
ロングライフ医療福祉専門学院 事務局次長
長島 優子 (25歳) Yuko Nagashima
入社3年目 / 甲南女子大学 文学部 多文化共生学科 出身

プロフィール
福祉関係の企業を中心に就職活動をしていた長島。社長の熱い想いに惹かれ、2006年に日本ロングライフ株式会社に入社する。入社後は、レンタル事業部に営業として配属される。半年後に、研修センターへ異動。主に社内研修のカリキュラムを作成した。現在は事務局次長として社外向けの研修・講座の運営に尽力している。

プロローグ
「何もできない自分が悔しい・・・」。身内が介護を受けていた長島。たいしたことができない自分に歯がゆさを感じていた。この経験から、彼女は就職先に福祉関係の企業を志望していた。そして入社したのが、日本ロングライフ株式会社。きっかけは社長の「介護はサービス業だ」という言葉であった。高齢者を弱者と捉えず、ビジネス視点を持ってサービスを提供していくという考えに、長島は感銘を受けたのであった――。

入社後すぐは、営業として配属された長島だが、半年後には研修センターへ異動する。研修センターでは、主に新しく入ってくるパート社員に研修を実施している。他にも既存社員に対して、スキルアップのための管理職研修や、仕事へのモチベーションアップを目的とした研修なども行なっているのだ。長島の仕事は、研修カリキュラムの作成や講師の手配。また、実習研修や宿泊研修なら施設の予約もする。特にカリキュラムの作成に難しさを感じながらも、彼女は徐々に新しい仕事を覚えていった。そして、研修センターに異動してから1ヵ月後の10月に「内定者に行なわれる入社前研修カリキュラムの作成」という大きな仕事を任されることになった。

入社1年目に任された、新人研修。 1
日本ロングライフは、入社予定の学生に対し、研修を行なっている。時期は、大体3月頃。入社を目の前に控えた学生に、社会人としてのマナーをはじめ、会社の理念、介護の知識などを身に付けさせることが目的だ。長島自身、約半年前にこの研修を受けていた。ただ、全く同じ内容の研修を毎回行なうわけではない。その年の学生の志向性や、会社が求める人材像などに合わせて、変えなければならなかった。

長島は、前年の研修を参考にしながらカリキュラムを作成していった。社長からの要望は、「ビジネス思考の強化」。介護・福祉を志望する学生は、ボランティア精神が強い人が多い。この心情は確かに大事だが、会社としてはビジネスに立脚するからこそ、社員はお客様に満足してもらえるように試行錯誤すると考えていた。「総合職には、営業ロールプレイングを入れて・・・」。長島は “ボランティア精神”と“ビジネス思考”のバランスを意識しつつカリキュラムを作成していった。だが「まだビジネス理解のための項目が足りない」など、何度も上司や社長からチェックが入った。そして、研修1週間前になって、ようやくカリキュラムは完成した。それは約2週間にわたり、最後は2泊3日の宿泊研修で終わるというものであった。

将来を不安にさせる、未来の社員たち。 2
迎えた研修初日。ロングライフ医療福祉専門学院の教室に内定者が徐々に集まってくる。だが、長島はその様子を見ながら戸惑っていた。「暗いなぁ。やる気が感じられない」。入社を間近に控えているとは言え、相手は学生だ。「まだ、学生気分を引きずっているみたいだな」。ただ研修には、彼らの学生気分を払拭し、社会人としての心構えを身に付けさせるという目的があった。「どうなるんだろうか」という思いと「彼らを変えていかなければ」という責任感が長島の中で交錯していた。

自己紹介が始まり、長島は驚いた。声が小さい者やズボンからシャツが出ている者。仕舞いには「オレはぁ――」と話し出す者もいる始末。長島は研修期間中、教室に同席し、1日の始まりと終わりに連絡事項などを伝えることが役割だ。翌日のスケジュールを伝えるために前に立ったが、学生の反応はあまりにも冷めたものであった。カリキュラムの作成者、運営者として長島は先行きに不安を感じていた。

沈黙に飲み込まれる長島。 3
「これ、誰か分かる人はいますか?」。静寂を保ち続ける室内。講師の問いかけに対し、答える者はいなかった。講師は仕方がなさそうに一人を指名して、同じ質問を繰り返す。指名された者は、ボソボソと小さな声で答えた。「私たちも1年前は、こうだったのかな」。長島は、その様子を見ていて思った。しかし、それが2日、3日も続いてくると焦りが出てきた。「厳しく言わなければ」。しかし、「大きな声を出して!」 「質問に答えて!」という注意がのど元に出かかっては、結局飲み込んでしまう。「今日も厳しく言えなかったなぁ。私、駄目だなぁ・・・」。自分の甘さ・弱さを痛感していた。

「長島さん以外の誰が言うの?」。相談を持ちかけた長島に対し、研修に協力してくれている同僚や先輩が口々に答えてくれた。「学生気分を引きずっていて当たり前。だからあなたが言ってあげなければ」 「彼らのためにもならないよ」。周りの声に、長島は自らを省みて、気持ちを強く持つように決意したのであった。

研修初日には、とても想像できなかった。 4
「研修が4日過ぎましたが、私は皆さんが変わっているとは思えません。これからは厳しく注意していきますよ」。長島は内定者の顔色が変わるのを見てとった。彼女は内定者が集合しているのを好機と見て、注意していたのだ。この言葉通り、彼女は気になったことがあればすぐに注意するようになった。と同時に、「講義は理解できましたか?」と休憩の合間に彼らとコミュニケーションを図るように心掛けた。すると、質問に手を挙げる人が増え、内定者から積極性が生まれていったのである。

そして、2泊3日の宿泊研修という大詰めを迎えた。長島はキャンプファイヤーの準備、入浴時間の決定、教室の手配などに奔走していた。講義に参加して、合間でこれらの仕事もこなし、また講義へ。「絶対に研修を成功させる」 「彼らを社会で活躍できる人材へと変えてみせる」という想いが彼女を動かしていた。そして、内定者の変化も顕著になっていた。1日の終わりに書かせる研修記録に、「お客様に喜んでもらいつつも、売上を意識していくことが重要だと思った」などの理念理解を示す内容があったのだ。営業ロールプレイングでは、皆しっかりと自社の商品や介護ホームについて調べていて、長島が驚くほどであった。活気に溢れ、研修初日には想像もできなかったその様子に、長島は成功を確信した――。

エピローグ
「研修を通して、新入社員一人ひとりへの思い入れが強くなった」と語る長島。彼女が研修で導入した営業ロールプレイングは、大きな成果を残すことになった。才能を認められた人材が営業に配属され、活躍しているというのだ。彼女はそれを聞き、自分のした仕事の重要性を改めて実感した。

現在、彼女はロングライフ医療専門学院で事務局次長として、社外向けの講座を運営している。主に扱うのは、公共職業訓練講座。この講座は、求職者を対象にしている。早期に再就職ができるように、ヘルパー等の資格を取得してもらうのだ。長島は、今日も介護を支える人材の育成に貢献している。
講師や受講生のスケジュール、売上も管理し、講座を運営する長島。彼女の働きが、多くの介護士・ヘルパーを生み出しているのだ。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代、ホテルのレストランでアルバイトをしていた長島。ホールを担当し、テーブルマナーや接客マナーを学んだ。また、常連のお客様の行動パターンを把握して、先を読んだ迅速な対応に努めた。この経験は、講師や受講されるお客様のスケジュール管理で活かされている。
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