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サービス(環境・リサイクル関連) / メーカー(精密機器) / メーカー(半導体・電子・電気部品)
最終更新日: 2008/05/15
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
自らの手で不良品の出ない体制を一から作り上げた、生産のプロ。
技術系−製造技術開発・生産管理
生産技術部
吉川 元将 (26歳) Motomasa Yoshikawa
入社5年目 / 中部大学 工学部 電気工学科 出身

プロフィール
三重県生まれ。ものづくりが好きで、高校時代はソーラーカーやサッカーロボットの開発に取り組んだ。大学に進んでからは電子回路を学び、卒業研究のテーマは太陽光システム。回路を扱っているうちに、改めてこの分野についての仕事をしたいとの思いを強くしたという。

プロローグ
生産ラインを製品が流れていく。液晶モジュールと呼ばれる製品だ。カーナビや携帯電話の液晶画面に使われる重要部品。送り出される液晶モジュールに、一つの不良品もあってはならない。生産現場を「間違いのない製品」を作る場にする。これが、検査機器管理を担当する吉川の役目である。製品に不良がないかチェックする検査機器。吉川はこの機器についての全権を握っているのだ。

シャープの協力会社、ヤマト電器。現場では若手が中心に活躍している。その活発な雰囲気に引かれ、吉川はヤマト電器に入社を決めたのだった。20代で係長、海外工場の取締役……。会社説明会で聞くヤマト電器の「逸話」は、吉川を興奮させた。若いうちから活躍できる風土が確かにある。「自分もやってやろう」。吉川の挑戦する気持ちは高まっていた。

試練はいきなりやってきた。検査機器って何だ? 1
吉川が配属されたのは、できて半年の玉城工場だ。右も左も分からない状態だったが、いきなり大きな仕事を任される。数日間の研修を終え、担当することになったのは検査機器の管理だ。製品の出来具合をチェックする検査機器。製品を世に送り出すうえで、重要な役割を果たす。なるほど、扱うのに必要な電気の知識は持っている。しかし、検査機器そのものについては何も知らない。そのうえ、玉城工場には検査機器を深く知っている社員がいないのだ。分かるのは、数キロ離れたところにある伊勢工場の担当者だけである。孤軍奮闘しなければならない。不安は大きかった。しかし、「逃げちゃダメだ。社会人になったのだから、何が何でも頑張ろうと決めたんじゃないか」。学生時代、アルバイトを一日で辞めた苦い経験が吉川にはある。ちょっとしんどいくらいで投げ出してしまった自分が嫌で仕方なかった。これまでの自分を変えていきたい。成長していきたい。いいきっかけだと吉川は考えた。

自分の頭で考え、一つずつ壁を乗り越えていく。その過程で、知識も身についていった。 2
戸惑うことばかりだが、分からないなりに吉川は仕事に取り組んだ。できないからと、最初から人に頼っていたのではいけない。まずは自分で考えることだ。相談するのは、本当に行き詰まったときだけにする。吉川は自分自身でそう決めた。検査機器の扱いについて、ある程度のことはマニュアルに書かれている。しかし、ちょっとした応用も利かない。特に、トラブルの対応に苦労を重ねた。液晶モジュールは一連の流れで作られる。検査機器もラインに組み込まれているのだから、ここでの業務が止まったら、全体の流れまで止めてしまうのだ。慣れないうちは、直すのにも時間がかかった。どこが故障の原因か検討もつかない。仕事の遅さに、ラインで働くスタッフから辛いことを言われたこともあった。それでも「プレッシャーはあった方がいい」と、吉川は自らを鼓舞し続け、半年後にはスムーズに仕事を進められるようになっていた。仕事に余裕も出てきた。「自分なりに仕事と向かい合った結果だと思う」。吉川は当時を振り返る。だが、思いがけず「これまでにないくらいの失敗」をしてしまうことになるのだった。

ポッと出てしまった大きなミス。油断があったのだろうか。 3
ユーザー不良が「大量に」出てしまった。2年目の夏。強い日差しが、工場に入ってくる。吉川は全身を汗ばませた。ユーザーとは、ヤマト電器が液晶モジュールを納める先のシャープが取引きしている企業を指す。そこでの不良は、基本的にあってはならない。これまでにも月に1件、出てはいた。が、今回のは論外の量である。原因は検査機器をつなぐケーブルの断線。これでは検査機器は作動せず、機器としての意味をなさない。「完全に自分のせいだ」。原因の調査をし、その改善策を文書にまとめる。いわゆる始末書の類だ。ユーザーに提出しなければならないのである。過ちの大きさを改めて思い知っていく。「二度と起こしてはならない」。吉川は検査機器のメンテナンスの仕方を見直し、メンテナンスの時期や方法を再設定した。ケーブルは断線や接触不良という不具合がどうしても起こりやすい。ケーブルをなるべく使わなくてすむように、検査の仕方そのものも改善していった。「ミスが起こってから変えていくのでは遅い。ミスが起こらない仕組みを初めから作ることだ」。吉川は気持ちを新たに仕事に向き合う。

不良品のないことが仕事の誇り。自らの成長にも手応えを感じる。 4
玉城工場が出す不良品は、減っていった。以前は毎月コンスタントに出ていたユーザー不良も、ゼロの月が増えている。吉川の仕事の成果だ。「続けることで乗り越えられることがある。学生のころはそれが分かっていなかった」。一定の成果も出し、吉川は自身の成長に手応えを感じている。今では検査機器の電子回路を見る機会も増えた。念願だった回路の仕事に、自ら手を挙げ携っていったのだ。挑戦を認める。ヤマト電器という会社の、もっともいい社風の一つだと吉川は思う。「機器を改良し、現場のスタッフに使いやすくなったと言ってもらえるのが何よりうれしい」。今後は検査だけでなく、品質保証や生産管理など他部署の仕事も手がけてみたいとの希望を持つ。そうすることで、視野が広がり、より奥の深い仕事ができると考えるからだ。吉川の挑戦は続いていく。今日もまた、玉城工場で液晶モジュールが作られる。生産の現場では、若手スタッフたちの笑顔が広がる。スタッフたちには間違いのない製品を送り出せるという喜びがあるはずだ。スタッフに声をかけながら製品を見つめる吉川。目には自然と力が込められた。

エピローグ
ヤマト電器には独特の一体感がある。失敗を恐れず、それぞれが前向きに業務に当たっているのだ。「辛いことはいくらでもあった。でも、辞めようと思ったことはない」。吉川は言う。「壁にぶつかっても、解決策は必ずある。どこをどうしたらいいか。考えるのが大事だ」。吉川が前向きに仕事に臨めるのは、持ち前のチャレンジ精神や、頑張れば認めてもらえる風土があるからである。だが、同じく高い志を持つ仲間がいる点も、忘れてはならない。ヤマト電器には若くて活躍している人が大勢いる。そんな一人になりたかった吉川。その思いは着実に実現へと向かっている。
失敗してもいいは社長の口癖。そう言ってくれるから、思い切った挑戦もできる。ヤマト電器は社員のチャレンジングな姿勢を後押ししている。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学の専攻が仕事に直結している。しかし、「希望通りに回路に携れるとは思っていなかった」吉川は「もっと勉強しておけば良かった」と嘆くこともしばしば。教科書を読み返すことも少なくない。とはいえ、学生時代に学んだことが、大いに役立っているのは事実である。
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