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商社(専門商社(機械・電気・金属)) / 商社(専門商社(インテリア・建材))
最終更新日: 2007/10/25
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
取引ゼロの状況から2000万円の売上を叩き出した、ルート営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
第一営業部 東営業所/営業担当
大野 洋平 (30歳) Yohei Ono
入社6年目 / 明海大学 経済学部 経済学科 出身

プロフィール
「人と人との関係を通じて営業活動ができる仕事をしたい」と考え、斉田電機産業に入社した。物流センターでの商品研修や南営業所での営業所研修を経て、東営業所への配属が決定。電話受注などの社内業務で経験を積んだ後、2年目から営業職としてルート営業に従事。3年目からは重要顧客の担当も任されている。

プロローグ
「食品加工メーカーの倉庫に設置する空調機器、ですか?」。

「そうなんだ、うちの得意先の食品加工メーカーが倉庫の改装工事を計画していてね。早速、見積りを頼むよ」。お客様であるA社担当者の言葉を聞きながら、大野は鼓動の高なりを感じていた。「うまくまとまれば、1000万円を優に超える大型受注になる」。2006年4月、入社4年目を迎えた大野に大きなチャンスが巡ってきた。初めて訪問した時から、「いつかは大型受注を」と狙っていたのだ――

マンション工事や住宅建築などの工事現場で用いられる、空調機器や照明器具といった電気設備資材。斉田電機産業はこれら電気設備資材を専門に扱う老舗商社であり、40年を超える実績を誇っている。お客様となるのは、電気設備資材の販売店(以下、電材店)だ。同社の営業担当である大野は日々、電材店を訪問してルート営業を行なっている。そんな大野に転機が訪れたのは、入社3年目を迎えた2005年10月のこと。入社以来の営業実績を買われて、重要顧客を任されることになったのだ。その中の一社が、大手電材店A社であった。

入社3年目、重要顧客との取引拡大を任される。 1
「電材店A社との取引額を増やしてもらいたい」。

担当引き継ぎの場で、上司からそう告げられた大野。言葉に込められた上司の期待を、痛いほど感じていた。専門商社である斉田電機産業は、電材店を通じて工事店に照明器具や空調機器を販売している。つまり、工事がなければ商品は売れない。逆に、工事の情報を持っている電材店を開拓できれば、斉田電機産業にとっても、営業・大野としても売上増が見込める。工事情報を豊富に保有する大手電材店A社は、大幅な売上増が見込める重要顧客だ。入社3年目を迎えた大野の肩に、大きな期待がかかっていた。

だが、初訪問は淡白なものであった。「近々、工事が見込める現場は、どの辺りでしょう?」と聞いても、担当者にうまく話を濁され、なかなか情報を聞き出すことはできなかった。何よりも、担当者の目が「君には期待していないよ」と雄弁に物語っていた。それまでの取引額は、ほぼゼロ。まずは仕事をするパートナーとして信頼関係を築かなくてはならない。そのため、大野は連日A社を訪問して情報提供を続けた。「まずは、顔を覚えてもらうこと」。そこからの出発だった。―― 初年度の取引額は、“ゼロ”のままであった。

与えられたワンチャンスをものにして、取引を増やしていく。 2
「この図面の見積りを頼めるか」 「もちろんです」と、力強くうなずく大野。初訪問から4ヶ月後、初めてA社担当者から取引を打診された。「このワンチャンスで、信頼を築く」。決意を固める大野に追い討ちをかけるように、担当者は続けた。「できれば、この価格でお願いしたい」。担当者の目を見つめながら、大野は自分が試されていることを感じていた。斉田電機産業の競合となる専門商社も、A社にアプローチしている。しかも、仕入先メーカーが同じであるため、商品で差別化は図れない。比較されるのは『価格』と『スピード』だが、利益を考えるとこれ以上価格を下げられない。

「どんなに遅くなっても、その日のうちに見積りを提出する」。大野は『スピード』に勝負をかけた。早く見積り書を提出できれば、販売店も販売先である工事店に早く見積りが出せる。少しでも早く工事に着手したい工事店は、早く見積りを出せる販売店や商社を選ぶ。大野がスピード対応することで、販売店に価格以上のメリットを提示できることになるのだ。

「…よし、間に合った」。かなり遅い時間にはなったが、その日のうちに見積り書を提出。数日後――、「今回は、大野さんに頼むことにするよ」とお客様から連絡が入った。取引額は、およそ200万円。掴んだワンチャンスをものにした大野は、その後も少しずつA社との取引を増やしていったのだ。

信頼関係が引き寄せた、1000万円を超える大型案件。 3
「食品加工メーカーの倉庫に設置する空調機器、ですか?」。

大手食品加工メーカーB社の倉庫改装の話を大野が耳にしたのは、2006年4月。初受注の2ヶ月後のこと。食品加工メーカーにとって、食料品を保管する倉庫はまさに生命線。中でも温度や空調管理には特に気を配っており、倉庫改良に合わせて空調機器の付け替えが検討されていた。業務用エアコンの価格は、1台100万円近く。「大型倉庫だから、10台以上の受注は見込めるだろう。見積りを頼めるか?」とA社の担当者。初受注以来の大野の営業姿勢と『スピード』を見て、この大型案件を任せてくれたのだ。「もちろんです」と応える大野の胸は、大型案件に高鳴っていた。

早速、大野がまとめた見積り書は、A社を通じて、倉庫改装を担う工事店へと届けられた。しかし、ここからが難関であった。大規模工事のため、工事スケジュールや工事手法が二転三転。当然、空調機器の種類や数、設置方法も見直しが必要になる。決定した工事手法に合わせて、大野は何度も見積り書を作成。「スピードでは他社に負けない」。ここでも大野が重視したのは、『スピード』であった。

競合に競り勝って、約1300万円の大型受注を掴む。 4
実は、今回のB社の倉庫改良工事に向けて、A社の競合となる大手電材店も空調機器を提案していたのだ。競合に競り勝つには、スピーディな対応と工事に合わせた提案が必要になる。それを担うのは、大野である。「エアコンの設置場所は決まりましたか?」と、A社を通じて工事店の状況や要望をヒアリング。その要望を実現できるよう、空調機器メーカーと交渉していく。しかも、それを競合他社を上回るスピードで進めなければならない。気づくと季節は一巡りし、1年という期間が経過していた。

そして、2007年5月、大野の提案が通り、見事A社に発注が決定した。A社や空調機器メーカーに大きな利益をもたらした大野。当然、斉田電機産業にとっても、大きな取引となった。最終的な見積り額は約1300万円にものぼり、「よくやってくれたな」と上司も労いの言葉をかけてくれた。その後も、A社との取引はコンスタントに続き、既に2007年度の取引額は2000万円を超えている。信頼と実力で大幅な取引増を実現した大野は、営業として大きな成長を遂げていたのだ。

エピローグ
「営業として売上は重視しています。今回、月間で1000万円を超える売上を上げることができましたが、まだまだ上がいます。当社には月間1億円の売上を上げた営業が3名いますからね。いつかはその記録に並んでみたいですね」と将来の目標を語る大野。それは自分一人のためではないという。

「この案件を通じて、自分の売上が他の人の役に立っていることを実感しました。自分が利益を上げることで、電材店や仕入先メーカー、工事店など案件に関わった全ての人に利益や喜びがあったと思います」。人と人との関係の中で、モノを売る営業になりたいという夢を、大野は斉田電機産業で実現しているのだ。
「上司も月間7000万円の売上記録を持つトップ営業。アドバイスをいただくことも多いですし、日々、刺激を受けています」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
「経験とは少し違うかもしれませんが、学生時代に知り合えた仲間の存在は大きいですね。今は別々の会社に勤務し、職種も業種もバラバラ。それぞれの環境で懸命に仕事と向き合っていて、話を聞くたびに『負けられない』という想いに駆られます。切磋琢磨できる友人がいることが、仕事をする上での活力になっています」。
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