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商社(専門商社(機械・電気・金属)) / 商社(専門商社(インテリア・建材))
最終更新日: 2007/10/25
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
対見込250%の売上でお客様の業績に貢献した、提案営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
第二営業部 情報通信営業所/所長
繁昌 寛 (35歳) Hiroshi Hanjo
入社8年目 / 鹿児島中央高校 出身

プロフィール
年次に関わらず大きな仕事を任せてもらえる社風に惹かれて入社し、情報通信事業に携わる。2年後、北営業所に異動して、電気設備資材のルート営業を担当。翌年より情報通信営業所に移り、再び情報通信機材を取り扱う。2007年7月より所長となり、営業活動と並行して、社内の職場環境の整備にも力を入れている。

プロローグ
「繁昌さんが提案してくれたあの商品、売れ行き好調だよ」。

「こちらこそ、お役に立ててよかったです」。お客様の笑顔に、繁昌寛も思わず顔がほころんだ。もちろん、繁昌も「これは売れる、お客様に喜んでいただける」と思って提案した商品ではあるが、それが実際の成果となると、営業としての喜びもひとしおだった。「最初に見込んだ売上の2.5倍の売上になっているからね。次も頼むよ。繁昌さんが来てくれるから、斉田電機から商品を買うんだからね」。お客様と談笑しながら、繁昌は3年間通って築き上げてきた信頼関係を実感していた――

繁昌の勤める斉田電機産業は、創業1964年の歴史を持つ専門商社。照明器具や空調機器といった電気設備資材を、大手販売店に販売している。同社の中で、繁昌が担当しているのは情報通信機材。得意先の販売店を回り、ルート営業を行っている。今回訪問したお客様は、東京に本社を置く大手販売店A社だ。今では繁昌を信頼して、何でも話してくれているが、最初からここまでの人間関係があった訳ではない。2003年に引き継いだ当初――、A社との関係は冷え切っていた。

大手販売店の初訪問で感じた、お客様との距離。 1
「どんなものを売っているんですか?」 「……、いろいろだよ」。

そっけないお客様の声にも、繁昌は表情を崩すことなく商談を続けた。だが、「初訪問とはいえ冷たい反応だな」と、距離の遠さを感じていた。訪問したのは、情報通信機材を扱う大手販売店A社。前任者から引き継いだばかりのお客様だった。これまで取引がほとんどなかったため、繁昌の手でゼロから関係性を構築していかなければならない。この状況を、繁昌はある意味で楽しんでいた。

「どんなお客様でも開拓できるし、誰とでも人間関係は構築していける」。それが繁昌の信念なのだ。もちろん感情面だけではない。「この社員数と売上高なら、斉田電機産業が入り込む余地はあるはずだ」と営業視点で分析していた。そして、「斉田の商品を売ることで、お客様にも喜んでもらえる」と考えていたのだ。繁昌がA社に届けた商品が、A社の顧客である工事店などに販売される。「数ある商品の中から、適切な商品を届けることで、販売店であるA社の売上に貢献していきたい」という想いを強く持っていた。

冷え切った関係から、どう大型受注に結びつけるか。まさに営業・繁昌の手腕が問われていた。

朝と夜の2回の訪問に込めた、営業としての戦略。 2
まず繁昌が考えたのは、訪問回数を増やすことだった。得意先であれば2日に一度ほど訪問するところを、A社には1日に2回訪問していった。「まずは顔を覚えてもらい、自分という人間を知ってもらう」。そのために、朝と夜という時間帯を考えた。どの会社も午前中は業務が立て込んでいて、ゆっくり話す余裕はない。そのため、朝の訪問では、A社で不足している商品を聞き、それを最速で届けるという点を重視した。つまり、自分の営業能力を知ってもらうということである。そして夜は――

「また寄らせていただきました、ちょっと休ませていただいていいですか?」と、A社の空いている席に腰を落ち着けた。夜には業務が一段落していることもあり、息ぬきついでに話しかけてくれる社員も多い。8割方は仕事とは関係のない趣味や家族の話だが、会話を通じて『繁昌寛』という人間を知ってもらおうとしたのだ。地道な訪問を1ヶ月、2ヶ月と続けていくうちに、徐々に社員の方から話かけてもらえるようになり、それに比例して受注金額も少しずつ増えていった。

大型受注をめざし、決裁者へのアプローチを開始。 3
営業として確かな手ごたえを感じながらも、繁昌は満足していなかった。これまでは不足した商品の補給のみで、小額の取引に留まっていた。「狙うは大型受注」。販売店に在庫分として買い取ってもらえれば、受注金額は一気に増える。「在庫が増えれば、販売店にとっても商品ラインナップが充実して売上アップにつながる」。この頃には、A社の営業社員とは全員顔なじみになっていたが、営業部には在庫分購入の決定権はない。大型受注をめざして、繁昌は在庫を管理する購買部へアプローチを開始した。

「ご注文いただいた商品を、お届けに参りました」。
商品の配送など用事をつくっては、繁昌は購買部に足を運んだ。購買部で窓口となる社員と話をして、少しずつ距離を縮めていった。また、「購買部のXXさんって知ってる?」と営業部からヒアリング。その情報をもとに購買部の社員に声をかけて、「XXさん、野球がお好きなんですってね」と顔なじみの社員を一人、また一人と増やしていった。A社購買部で在庫管理を任されている決裁者とも知り合いになり、仕事の話もできるようになっていった。「聞いた話では、競合のB社さんは在庫をこのぐらい持っているようですよ」。特に決裁者から重宝されたのが、競合企業の情報だった。

お客様のための提案が、対見込250%の売上を記録。 4
在庫を多く持っていれば、工事店からの注文に素早く対応できる。つまり、在庫量が販売店の競争力にも直結するのだ。繁昌はこうした販売店各社の情報を、仕入先の電機メーカーからヒアリングしていた。電機メーカーは斉田電機産業などの専門商社を通じて、販売店各社に商品を販売しており、販売店の仕入額などの情報が自然と集まってくるのだ。そのため、ルート営業の傍ら、繁昌はメーカーにも足を運んだ。メーカーから情報を仕入れてA社に届ける、逆に、販売店から聞いた製品の情報をメーカーに届けて、商品開発やマーケティングに貢献していく。「専門商社の役割は、商品と『情報』を届けることだ」。適切な情報を届けることで、A社購買部の決裁者との信頼関係はさらに強固なものになっていった。そして――

「競合B社に対抗できる提案を持ってまいります。ぜひ一度、ご検討いただけないでしょうか?」。
既に顔なじみになっていた決裁者は、繁昌の提案を快諾した。信頼関係もある。営業スキルも認められている。何より、お客様の売上アップを考えた提案がある。「ぜひ、私からこの商品を買ってください」。商談はスムーズに進み、2006年10月、大型受注が決定。その年、繁昌の提案した商品は、対見込250%の売上を叩き出し、A社の業績に大きく貢献したのだった。

エピローグ
初訪問から実に3年という歳月をかけて築いてきた信頼関係は、対見込250%の売上という結果を出したことでより強固なものとなった。現在も良好な関係が築けているという。「最初は、『繁昌寛』という一人の人間との信頼関係だったのが、『斉田電機産業』という会社との信頼関係になっていくのがうれしい」と繁昌は語る。

そんな繁昌の考えるプロのルート営業とは、『お客様と平等に付き合える人』だという。「相手の言うことを受け止め、こちらからもきちんと要望を伝えられる人だと思います。営業として交渉が必要なシーンも多いですからね」と語る繁昌。仕事を進めるパートナーとして、繁昌はお客様と自社の利益につながる提案を続けていく。
現在は所長として、営業所の運営も任されている。「社員が営業活動に集中できる環境をつくることも、私の大切な役割です」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
所属していたテニス部では先輩に意見することもあったという。「めざす方向性や練習方法について、よく先輩と話し合いました。率直に意見を伝える姿勢は仕事でも活きています。社外でも社内でもそう。同じ会社の仲間とはいえ、仲良しグループではありません。一つの目標を追えるよう、コミュニケーションをとっています」。
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