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インフラ(不動産) / メーカー(住宅・建築) / メーカー(インテリア・建材・住宅設備)
最終更新日: 2007/11/05
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プロの仕事研究
チーム目標未達成の危機を、責任感と機転を利かせたアイデアで乗り越えた営業のプロ。
営業・販売系−営業(個人・新規開拓が中心)
営業本部 第六営業グループ/サブグループリーダー
渡部 和徳 (28歳) Kazunori Watanabe
入社9年目 / 大原簿記法律専門学校 津田沼校 出身

プロフィール
スケールの大きい商品を販売する仕事がしたいと考え、不動産業界を中心に就職活動を展開。人柄重視の面接や、やりたいことができる環境に惹かれ、営業として入社。主任、係長、課長と順調に躍進し、入社8年目の現在は第六営業グループのサブグループリーダーとして、メンバーのマネジメント業務に力を入れている。

プロローグ
オリジナルブランドのマンション販売を中心に、不動産の管理や仲介を展開するトーシンパートナーズ。入社前、渡部には自分の親ほどの年齢の相手と信頼関係を築き、高額なマンションを購入してもらえるか不安もあったが、それ以上にスケールの大きな仕事がしたいという思いから営業のキャリアをスタートさせた。入社後は契約を成立させるという自分の仕事に注力し、1年目に主任、2年目で係長と順調にキャリアアップを続けてきた。同期でも1、2を争うほどの躍進を見せていた渡部は、入社3年目のある日、上司に呼びとめられた。

「明日からチームリーダーになってくれないか」。
あまりにも突然の上司からの打診に、渡部はただ驚くしかなかった。チームリーダーは、社員4〜6名を束ねる責任者で、メンバーの商談に同行したり、商談の進捗状況を把握するなど、目標を達成するためにチーム全体の業績責任を負う存在だ。「ありがとうございます!頑張ります!」。思いもしなかった抜擢で驚きはあったものの、目指していた役職でもあり、戸惑いはすぐにやる気へと変化した。しかし、責任感を問われるチームリーダーという役職は、渡部の仕事環境を一変させた――。

初めて責任ある仕事を任される。 1
今までは係長として、前任のチームリーダーのサポートも行なってきたが、基本的に渡部は自分の業績を上げることに注力できた。チームを持ち、責任の問われる役職は初めての経験で、これまでのチームリーダーがどんな管理をしていたかを思い出し、見様見真似でやるしかなかった。こうしてチームリーダーとして渡部の新しい仕事が始まった。

チームリーダーの主な業務は営業の際の同行や、メンバーが集積したお客様のリストを管理し、確実に契約が結べるように上手くサポートしていくことである。渡部は自分の経験を参考に、効果的な商談時のトークなどを積極的にアドバイスした。自分の契約は二の次にして、とにかくチーム全体の営業スキルの底上げを狙っていった。しかし日が経つにつれ、その結果は渡部の期待とは逆方向に表れ始めた。

順調とは言い難い結果で、チームとしての機能を失ってしまう。 2
チームの最低目標は3ヶ月で6件の契約を取ること。1ヶ月で最低でも2件の契約が必要だったが、7名いる渡部のチームの成績は思わしくなかった。メンバーの持つお客様の進捗状況管理が甘く、なかなか商談に持ち込めない。それをサポートする渡部のアドバイスも、メンバーは上手く消化できず、営業活動に活かしきれていなかった。「教えた通りの方法でいけば必ず上手くいくのに…」。営業という仕事に対しての価値観の違いに、メンバーだけでなく、渡部自身も戸惑いを隠せなかった。

必死に仕事をしても思うような結果が出ないまま、期限の3ヶ月は過ぎていった。結果、目標未達成。前任のチームリーダーのときには達成できていたことが、自分に変わった途端できなくなってしまったことに、渡部は大きな責任を感じていた。申し訳なさでいっぱいになっていた渡部は上司に声をかけられた。

「あと1ヶ月で、お前が2件契約を取ってこい。でなければ降格だ」。

それはチームリーダーが負う厳しい責任の取り方であり、渡部に与えられた最後のチャンスだった。「分かりました!」。メンバーに全力を注いでいたことで、自身の契約を見込めるお客様は少なかったが、1からスタートする気持ちで、猶予として与えられた1ヶ月間、今度は自分の営業としての仕事に専念することを決意した。

後には引けない――ピンチで掴んだ1つのアイデア。 3
1人で2件の契約を成立させるため、渡部は無我夢中だった。1件目は以前ご購入頂いたお客様に連絡を取り、交渉の末に購入を決めてもらえたが、あと1件の契約がなかなか成立できずにいた。しかし、悩んでいる時間も惜しい。渡部は、以前から連絡を取っていたものの、商談に持ち込むことができないでいたあるお客様に電話をかけた。「今、こういった物件があるんですが」「良さそうだけど…今、忙しいからまた今度にしてくれるかな」。興味はあるようだったが、すぐアポイントを取ることはできなかった。

毎日そのお客様と連絡を取り続け、仕事の話も尽きようとしていたが、1ヶ月間チームリーダーながら、営業の仕事に専念させてもらっていることや、チームへの責任を思えば、簡単に諦められるものではなかった。気をつけていたのは、どうやって自分の話に関心を持ってもらえるかということ。そのためには自分よがりな提案ではなく、お客様の言葉に耳を傾け、引き出すことが必要だった。話からヒントを得ることも多い。「直接伺ってご提案したいのですが」「今日はこれから釣りに出かけるんだ。また今度頼むよ」。その日もいつものように断られてしまったが、渡部は別の感触を掴んでいた。「これだ…!」。

反省を活かしたチーム作りで、結果を残す。 4
「今日も釣りですか?でしたら私もご一緒させてください!」。

後がない渡部にとって、お客様の趣味である釣りに話を持っていくのは賭けだった。「その後で構いませんので、少しお話をさせてもらえませんか」。断られまいと必死に食い下がる。しかしお客様の反応は意外なものだった。「まさかそうくるとは思わなかったよ」。渡部から釣りの話を切り出したことで、お客様は拍子抜けしながらも、今まで渡部のように話を切り出してきた営業はおらず、興味を持ってくれたのだ。その日にアポイントは取れ、元々マンション購入に関心を持っていたお客様だったおかげか、渡部自身驚くほどすんなりと契約はまとまり、危機を脱することができたのだった。

山場を越え、再びチームリーダーの仕事に取り組み始めたとき、今まで「チームのため」と言いながらも、自分を基準に物事を判断していたことに渡部は気がついた。だからこそメンバーはそのやり方を理解しきれず、自分の営業活動に活かすことができなかったのだ。その失敗を渡部なりに分析し、できていなかったお客様リスト管理の徹底や、核となるチーム目標を立てることや、自分のやり方を押し付けるのではなく、メンバー各々に合わせた指導を丁寧に行なっていった。その努力はチーム全体に浸透し、今までとは比べ物にならないほどの業績を継続して上げ、結果として渡部のチームは年間売上1位を獲得するまでに成長したのだった。

エピローグ
渡部自身、今回の経験は今までの中で最大のピンチであり、同時にチャンスだったと考えている。その立場にならなければ知らなかったことに気づき、多くのことを学ぶことができた。最初の目標未達成も、突然の任命で戸惑い、特別なことではなく本来やるべきことを怠ってしまったから起きた当然の結果だった。

「ピンチはチャンス」。この考えをチームメンバーに伝えることで、渡部は現在まとめている2チームのモチベーション維持に役立てている。厳しい状況でも常に前向きに取り組むことで、成長できるチャンスを逃がさない。それは渡部が直に経験してきたことであり、現在はグループという更に大枠での目標達成を通じて成長し続けようとしている。
何かと頼られる存在の渡部。自分の考えが伝わり、グループ一丸となって目標を達成できたときが何よりも嬉しい。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代に続けていたサッカーでは、ディフェンダーとしてチームの陣地を守る責任感を養った。練習や試合において身につけた忍耐力や積極性とともに、「最後まで諦めない」ことを学び、その経験は現在「最後の1日まで諦めずに契約を取る」という姿勢に活かされている。
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