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メーカー(食品) / 商社(専門商社(食品)) / 流通・小売(専門店(食品))
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問 老舗
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プロの仕事研究
「麺を手がかりにラーメン業界を変える」と、新規開拓で実績を創る麺セールスのプロ。
営業・販売系−営業(法人・新規開拓が中心)
筑波出張所
齋藤 俊海 (33歳) Toshimi Saito
入社6年目 / 駒澤大学 経済学部 経済学科 出身

プロフィール
建材商社の営業、フリーター、不動産仲介業など様々な経験を経て、菅野製麺所へ転職。豊富な営業経験と麺への探求心を武器に、真摯な態度で麺と向き合う姿勢は、社内外からも定評がある。特に新規開拓で実力を発揮し、新たな事業展開をリードする、菅野製麺所屈指の熱血営業。

プロローグ
「この店にウチの麺を入れたい!」。そう感じたら、飛び込み営業開始。アプローチのタイミングを図り、店主との会話から次の一手を探る。メーカーである菅野製麺所ではルートセールスが業務の中心だが、その合間を縫って齋藤は自ら新規開拓に挑んだ。

独自の技術力と品質の高さで、常に製麺業界に刺激を与え続ける菅野製麺所。国内はもとより北米、欧州にも自社製麺の供給を展開している。一方では、地元密着型の工場直売やイベント、物産展への出展など多方向に事業フィールドを拡大中。中でも今最も注力しているのが、2005年に着手した新規エリアへの参入である。その足がかりともいうべき実績を創り、今後は新事業の中心を担っていく齋藤。彼の麺への情熱と、新規開拓での挑戦を追う。

“麺を世に広める”新規開拓への道が始まる。 1
メーカーである菅野製麺所での営業は、商品の配送を兼ねたルートセールスが主な仕事。1日に60〜70軒の中華料理店を車で回る。麺の品質や納品のタイミング、値段について店主と話し合いを重ねていく。ノルマや売上目標といったものはなかったが、営業経験が豊富で、しかも麺をこよなく愛する齋藤は、半年も経つと自発的に新規開拓へと動くようになった。配送の合間をみては「すみません、こういう者なんですが何かお役に立てませんか?」と中華料理店に飛び込みをかける。多い日には10軒、繁盛店を見定め、営業が忙しい時間帯を避けて昼過ぎを狙った。

しかし、新規開拓は、なかなか思うようにいかなかった。「麺屋さん!? あーいらない、いらない」 「あんたみたいな人、よく来るんだよ」。まったく話を聞いてもらえなかったり、時には追い返されてしまうことも。更に、何軒か話を聞いていく中で、店は長年取引をしている麺業者を持っている所が多く、それを変えるのは難しいことも分かった。「配達の途中にちょっと顔出しただけで、取引先を変えてたまるか」と言わんとするかのような、店主のプライドも感じた。営業経験が長いだけに、結果が出せない現状への戸惑いもある。「これは、無理なんじゃないか……」。さすがの齋藤も、気弱になっていた。

それまでの営業経験とは異なり、結果の出せない日々。 2
「100軒回って95軒は、そんな反応だよ。1回目は反応伺いだと思って気長にやれ」。ベテランの先輩社員は、齋藤に言った。「反応か……」。確かに追い返されたとしても、わずかな会話の中に、ヒントが隠れている場合もあるような気がした。「お前のところのかん水は天然か? 人工か?」と聞いてくる人は、麺にこだわりを持っている。今使っている麺に、何か不満がある可能性も少なくない。「ホームページ見ておくよ」と声を掛けてくれる人も反応は良い方だ。少なくとも興味は持ってくれている。「可能性はゼロじゃない」と齋藤は感じた。

何度か通ううちに「じゃあサンプル置いてってよ」と言ってもらえる店があった。サンプルを提出するのと同時に、その店で使っている麺も一玉もらって帰る。まず生地のままで食べ、茹でて時間の経過と変化を調べる。味、食感、匂い、外観……様々な角度から比較評価。食べ比べてみた結果「やっぱりウチの麺は美味しい。これを、もっと多くの店に広めて、沢山の人に食べてもらうべきだ!」と齋藤は強く確信した。

自社製麺の良さを再確認、自信を持って再訪問。 3
自社の麺はコシがありしなやかで、小麦粉本来の味わいが特に際立って感じられた。分析結果からは味だけではなく、品質そのものも優れている点が多いことも分かった。季節を問わず安定した品質を保てるよう、包装にも工夫が施されている。独自の技術と生産管理システムで、常に安定して質の高い商品を供給している。「ウチは良いメーカーだな」。あらためて菅野製麺所の良さに感服した齋藤は、どんどん自信を取り戻し、「この麺で、現状に満足していない店を変えていってあげよう」と決めた。そして、信念を持って営業に臨むと仕事に余裕が生まれ始めた。

その後、齋藤はサンプルを提示した店へ再度訪問。とにかく店主から、食べてみた感想を聞きたかった。「どんなに自分が自信を持って勧めたい商品でも、麺は嗜好品。店主の好みにどうしても合わなければ商売にはならない。意見を聞いて次を考えよう」。営業として、冷静に考えていたからである。

訪ねてみると、店主の反応は思った以上に好感触。それから数回のサンプル提出と、条件交渉を続けていくことができた。配送の量が多く、商談の時間がとれない時は、先輩がルート営業の方を交代してくれた。「責任はこっちで取るから、思う存分営業してこい」。そう言って送り出してくれる。齋藤は周囲の助けを借りながら順調に商談を進め、1ヶ月後にこの店から受注を上げることができた。これが菅野製麺所における、齋藤の初受注となった。

更なる新規開拓に躍進、営業リーダーとなっていく。 4
その店とは、その後1年が経過しても、取引は続いている。齋藤は次々と新規による売上を伸ばし、ルート開拓に貢献。その中で、自社製麺への信念に加えて、齋藤が注意を払っているのが初回訪問のタイミングだ。配送中に飛び込み営業を行うため、思い通りのタイミングで店にアプローチできるわけではない。来客状況や、店主の動きを外から伺うことも少なくなかった。その甲斐あって「おー良いところに来てくれた」と最初から歓迎してくれる店に出会ったり、配送時の車中から店主と目が合って「外を見ている余裕があるなら今行っても大丈夫なはず」とその場で車を降りて飛び込み、受注につながることもあった。「出たとこ勝負」と齋藤は思っていたが、そこには経験による営業スキルとベテランの勘が働いている。そして1年半の間に7件の新規店を獲得したのである。

そして、齋藤が入社以来携わってきた横浜エリアへの参入も、徐々に結果が出始めている。新しくオープンした大型ショッピングモールでは、菅野製麺所で製造された麺を使用する店が増えつつある。そして現在、茨城エリアのシェアを伸ばすため、筑波出張所にて新規開拓営業に力を入れている。

エピローグ
「製麺業界の淘汰が進む中、ウチは生き残っていく会社です。地元密着のイベントやルートセールスから海外展開まで、沢山のチャネルで勝負できる。個人としても、既存の慣例や概念に囚われない販路の拡大を模索していきたいですね。麺は奥深くて私も日々勉強中ですが、頭でっかちにはならないよう気をつけています」。そう語る齋藤は、営業では後輩にルートを引き継ぎ、新規開拓に大幅シフト。法人営業など大規模案件にもチャレンジしていく予定である。

そんな彼が、今最も心惹かれているのは麺の“製造”方法。製麺技師の国家資格取得も視野に入れている。「粉を仕入れるところから携わってみたい。こうして毎日面(麺)と向き合っていても、やっぱり麺が好きなんです。たかがラーメン、されどラーメン。飽きることはないですね」と、楽しそうに語った。
ラーメン、うどんから縁日の焼きそば店まで。様々な仕事を経て行き着いた菅野製麺所で、充実した営業生活を送っている齋藤。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
齋藤自身「スキーしかしていなかった!」と断言するほど、スキー三昧の大学時代。1年を通じてデモンストレーション・スキーを行う、熱血・正統派のクラブだった。上下関係によるコミュニケーションや、役割分担など組織運営についても学び、トレーニングで得た基礎体力と共に、実り多き体験だったと感じている。
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