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メーカー(事務機器・文具・玩具) / メーカー(ファッション・アパレル・繊維)
最終更新日: 2007/10/01
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プロの仕事研究
たった一人で北陸エリアを担当し、お客様との取引拡大を進める営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
AM営業グループ 大阪営業課
藤原 教亮 (28歳) Kyosuke Fujiwara
入社4年目 / プール学院大学 国際文化学部 国際文化学科 出身

プロフィール
2005年6月入社。約2ヶ月半の研修期間を経て営業に配属される。先輩社員が新規開拓した北陸エリア・兵庫県三田市のお客様を引き継ぐ。入社1年後には念願の目標を達成し、社長賞を受賞する。2007年7月からは、北陸エリアに加え、大阪、神戸も担当。多くのお客様と信頼関係を構築するため、奮闘中である。

プロローグ
「いってきます!」。2005年8月。勢いよくオフィスを飛び出す藤原。彼は、社内研修を終え、営業としてスタートを切ったばかりの新人である。そんな藤原が担当することになったエリアは北陸。この地は、先輩が地道に新規開拓を行ってきた場所。取引実績のあるお客様の数は、30件にも及ぶ。この注目のエリアを、新人の藤原が一人で引き継ぐことになったのだ。北陸エリアに拠点はないため、月に2回、10日間の出張となる。この10日間で、30件のお客様に対し、営業活動を行うのである。先輩が運転する社用車で、引き継ぎをするために北陸の地に向かう。右も左も分からなかったが、藤原は楽しみでならなかった。

株式会社エスケイジャパンは、ゲームセンターや雑貨店などに、人気キャラクターやオリジナルキャラクターを使った商品を提案し、販売する会社。人々に受け入れられる商品を提供し、お客様の売上向上に貢献することが同社の使命である。そんな仕事に感銘を受け、営業としてのスタートを楽しみにしていた藤原は、先輩とともに引き継ぎの挨拶回りをしていた。お客様との会話を楽しむ先輩を横目に、藤原は愛想笑いを浮かべることしかできずにいた。

「忙しい」 「間に合っている」…。お客様の反応は冷たかった。 1
――1ヶ月後。藤原は、再び北陸の地に降り立った。隣には、もう先輩の姿はない。お客様に会うのを楽しみにしていた藤原の足取りは軽かった。その想いとは裏腹に、お客様の反応は冷たいものだった。「忙しい」 「今は間に合ってるよ」。そういって、藤原の話に耳を貸そうとしてくれない。次に訪問したお客様も、また次に訪問したお客様も反応はいまいち。楽しみだった気持ちが一転、焦りへと変わっていく。「一体どうしたらいいんだ…」。北陸担当となって2ヶ月。早くも暗礁に乗り上げてしまっていた。

さらに1ヶ月後。大阪から約3時間をかけて福井県に向かい社用車を走らせる藤原に、以前のような覇気はなかった。「また、断られるのか…」。そんな気持ちばかりが先行してしまい、お客様先に到着してもなかなか車から降りることができないこともあった。「これまで先輩が作ってきてくれた信頼関係を崩すわけにはいかないんだ」。考えを改めて気持ちを奮い立たせ、車を降りる藤原。目の前の厳しい現実に屈することなく、突き進んでいった。

お客様との取引に終止符を打つわけにはいかない。 2
何度も足を運ぶにつれ、お客様は藤原の話しを聞いてくれるようにはなっていた。だが、福井県内のあるお客様だけは、なかなか藤原の話を聞いてくれない。藤原が商品の説明をしようとすると、「いらん」の一点張り。これまで取引実績のあるお客様だけに、藤原で取引に終止符を打つわけにはいかない。藤原は粘りを見せ、何とか話をする機会を与えてもらうまでに漕ぎ着けた。

このお客様は、ショッピングセンターのコーナーでゲームセンターを営む店長。店舗の規模は決して大きくはないが、休日ともなるとファミリー層の利用客で賑やかになる。特に人気キャラクターのぬいぐるみ商品を扱ったクレーンゲームが好調で、藤原もその点に着目した提案内容を考えた。「よし、これできっと大丈夫だ」。意気揚々と商談に臨む。「この商品は今、人気がありまして…」。商談が始まると、藤原は取引をしてもらいたいという一心で商品の説明を行った。店長の反応を見ることなく、一方的にセールストークをつらつらと述べる藤原には全く周りが見えていなかった。「エスケイジャパンさん、もういいよ。うちにはその商品は必要ないから」。藤原の言葉を遮るように、店長はこう告げたのである。

「何を目的に、営業をするのか」。仕事の本質に気づかされる。 3
藤原は愕然とし、肩を落とす。「“エスケイジャパンさん”か。僕の名前、まだ覚えてくれてないんだ…」。何度も顔を合わせているにも関わらず、営業として認められていないことに藤原は危機を感じていた。気がつくと街は、深い雪で覆われている。白銀の世界が、藤原の心の寂しさに拍車をかけた。

北陸出張を終え、大阪本社に戻った藤原は、先輩に相談を持ちかけた。すっかり意気消沈している藤原を見た先輩は、「しっかりしろ」と渇を入れるべくアドバイスをしてくれた。「一体何を目的に、お前は営業をしているんだ?」。その言葉は、藤原に深く突き刺さった。営業としての成果を出すことに捉われすぎて、いかにしてお客様に貢献するかという営業の本質を見失っていたのだ。藤原の目の前を覆っていた濃い霧が、一気に晴れていく。「僕に足りなかったのは、お客様の声を聞くということだったんだ!」。翌月の北陸出張日。リベンジの機会はすぐにやってきた。早速、聞く姿勢で商談に挑んだのだ。

お客様との深い信頼関係があるからこそ成り立つ営業。 4
「何かお手伝いできることはありませんか?」。その言葉を受けて、「もっと、小さい子供たちに受け入れられるような商品がほしい」と、次々と店長からニーズが湧いてくる。同社の営業は、御用聞き営業ではなく、お客様の売上向上に貢献することが大前提。藤原は、商品のレイアウトや店舗の装飾方法などの付加価値も提案した。「藤原くん、変わったな」。店長の褒め言葉。たった一言であったものの、それでも藤原は嬉しかった。

入社して1年が経とうとしていた。営業姿勢を改めたことで、自信を掴んだ藤原。その成長振りは、成績にも顕著に表れ始めていた。他のお客様からの申込も増え、初めて持った目標が達成直前まできていたのである。残された時間はわずか。北陸に足を運ぶ時間はない。藤原は、追加注文を得るため、片っ端からお客様に連絡を取る。だが、いい返答をもらえないまま、最後のお客様のリストとなった。それは、あのゲームセンターの店長だった。「実は、あと数万円で初めての目標達成なんです」。藤原は、ありのままを伝えた。「仕方ないな。足りない分の金額の申込書を送っておいて」。そういうと、店長は電話を切った。言葉や態度はいつも通りそっけないもの。だが、店長の温かい対応に心打たれた藤原は、お客様との深い信頼関係があるからこそ成立する同社の仕事に大きなやりがいを感じていた。

エピローグ
入社2年目を迎えてひと回り成長した藤原は、あのゲームセンターを訪問していた。店内にあるクレーンゲームには、藤原が提案した商品が置かれていた。その商品を獲得しようと、親子が必死になっている。「あの商品とても人気なんだ。君が提案してくれたおかげだな」。そう声をかけてきたのは、他でもない店長だった。

目標達成できた旨とお礼の言葉を述べた藤原に、それは良かったと相変わらずそっけない態度だった。商談を終え、車に乗り込む藤原に、店長はあるものを手渡す。その中身は、藤原の大好きなうなぎ弁当だった。「精力をつけて頑張りな」。この言葉を励みにして、今まで以上に売上向上に貢献するために藤原は前進し続けるのであった。
「お客様が何を求めているかが、自然と分かるぐらいにまで関係性を深めていきたい」と藤原は語る。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代、気の合う仲間でフットサルチームを結成。数々の大会に参加し、優勝を果たす。気の合う仲間とはいえ、チームワークは大切。大会に参加するための申請作業など仲間の意見を要するときは、何を欲しているかを考えながら行動した。この経験はお客様の心情を読み取り、付加価値を提案する現在の仕事に役立っている。
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