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メーカー(事務機器・文具・玩具) / メーカー(ファッション・アパレル・繊維)
最終更新日: 2007/10/01
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プロの仕事研究
キャラクターの旬と納品スピードを活用し、正月商戦を制した企画営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
AM営業グループ 企画営業課/リーダー
岩田 圭太 (29歳) Keita Iwata
入社6年目 / 明治大学 農学部 農業経済学科 出身

プロフィール
就活時、エスケイジャパンのインターンシップ生が大手遊園地との取引を開拓したというニュースをきっかけに、同社に興味を持つ。自身もインターンに参加する中で、自らと会社の成長が比例できると感じ入社を決意。3年目には営業一課リーダーに就任。2007年4月大手顧客専任の企画営業課を立ち上げ、リーダーを務める。

プロローグ
入社3年目の冬。営業一課でリーダーに抜擢されたのを機に、岩田はある大手クライアントをマネージャーから引き継ぐことになった。それは、岩田が入社時より憧れ続けた日本有数の流通チェーン店。そのため、プレッシャーよりも喜びのほうが大きかった。「どんなクライアントでも担当できてこそ、営業として一人前。自らの成長のために必要不可欠なステップだ」。

だが、そううまくことは運ばなかった。「本当に君に任せて大丈夫なのか?」。前任のマネージャーは担当期間が長く、信頼も厚かった。その分、チェーン店のバイヤーは担当者変更に露骨に難色を示した。10ヶ月後、ついにチャンスが巡ってくる。

クレーンゲーム用のぬいぐるみ製造の打診だった。あまりにタイトなスケジュールのために、他社からは断られたという。しかもハロウィン用の特別注文品だ。「これが突破口になるかもしれない…」。岩田は、その企画を引き受けることを決意する。商品の仕様は決定していたため、残る任務は製造ラインの確保。そして、商品部や工場を説得することで、岩田は期日どおりに商品を納めてみせた。

するとその直後、願ってもない言葉がバイヤーからもたらされた――。

あえて挑戦した、タイトな納品スケジュール。 1
「じゃあ次は、正月の企画、持ってきて」。

岩田は、内心飛び上がらんばかりに嬉しかった。担当者引継ぎから10ヶ月あまり。それまでは、企画を提案することはおろか、商品の話すらままならなかった。電話も岩田ではなく、前任のマネージャー宛にかかってきていた。しかし、ようやく自分の企画を提案できることになったのだ。しかし、時は既に10月末。通常だと1アイテムを納品するのに3ヶ月前後。正月用商品の納品日はクリスマス直後。つまり、納品日までのスケジュールに余裕は決してなかった。

岩田は商品部に向かい、すぐさま企画を練り始めた。エスケイジャパンの強みは、旬なキャラクターを使用する版権を獲得でき、且つスピードや小回りをきかせて製造できるという、大手のスケールと中小のフットワーク、両方の強みを併せ持つところ。ある有名キャラクターを使うことは決まっている。それを、そのチェーン店の正月限定バージョンとしてふさわしいものにアレンジするのだ。悩み抜いた末、岩田は“ダルマ”モチーフに行き着いた。バイヤーにアポイントを取り、サンプルを持参。息を呑んで、バイヤーの反応をじっと見守った。すると、ゆっくりとバイヤーが口を開いた。

渾身の“ダルマ”企画は、一蹴される。 2
「面白くないね、これ」。

バイヤーの一言に、岩田の表情はみるみる青ざめた。差し迫る納期のことも気になった。加えて、納得いくまで悩み抜いただけに、企画内容に自信もあった。とにかく、バイヤーからの要望を反映すべく、サンプルを作り直して再び提案に向かう。それでもやはり、バイヤーに首を縦に振ってもらうことはできなかった。

「もっと華やかに」「もっと正月らしさを出して」…バイヤーから次々と突きつけられる要望。エンドユーザーを一番近くで見ているだけに、そのどれもが的確だった。しかし、それを全て叶えようとすると、今度はコストが予算を上回る。その調整のために、岩田はバイヤーと商品部との間を幾度も行き来した。決まっているのは、ダルマをモチーフとしたものであることと、商品を納める納期だけ。そうしている間にも時間は刻一刻と過ぎていった。

武器は、旬のキャラクターと納品スピード。 3
バイヤーは、そのチェーン店のアミューズメント部門全体を統括している。多忙を極め、新たにサンプルを作っても、なかなかコンタクトがとれなかった。バイヤーの回答が遅れたのがたった1日でも、納期が差し迫った今となっては、命取りにさえなる1日だ。だからこそ、バイヤーからの要望を的確に汲み取り、サンプルへ落とし込む必要がある。

もちろん、担当者として、企画提案力を認められたいというのもあった。しかしそれ以上に、会社やマネージャーが自分に与えてくれたこのチャンスをクリアすれば、どんなお客様でも担当できる、本当の意味での一人前の営業へと成長できると予感がしていた。岩田は、バイヤーの一言一句に必死に食らいついていった。

やがてサンプルを作る時間の余裕さえもなくなり、手書きの絵と口頭での説明で企画を詰めていく日々が続いた。「これでいこう!」。ようやくバイヤーからゴーサインが出たときには、既に納期まで50日を切っていた。

次の企画提案のチャンスが、最大の評価。 4
決定した商品の企画は、金銀の布地を使用したため、元々、設定していた予算を大幅に超えてしまっていた。急きょ、より低コストで製造できる工場に製造拠点を変更。本当に納期に間に合うか、岩田を含め誰も確信は持てないでいた。それでも、商品部と工場の協力のもと、急ピッチで製造が進められた結果、何とか期日どおりに納品することができた。

ただし、岩田の心はまだ休まらなかった。この企画が本当に消費者の心を掴むのか、気が気でなかった。その答えを示す売上がバイヤーを納得させなければ、次の仕事に繋がらないのだ。正月用商品が店頭に並んでいるのは、約2週間。期間が終了した直後、結果を聞きに向かった岩田にバイヤーが声をかけた。

「次は、受験シーズン用の企画を頼むよ」。その言葉こそが、売上の数字より何よりも、岩田の成長とバイヤーからの信頼を如実に物語っていた。

エピローグ
2007年4月。このチェーン店との取引実績が高く評価され、岩田は大手顧客を専任とする企画営業部の立ち上げメンバーに抜擢される。顧客の規模が大きければ、商品は日本全国の店舗で取り扱われることも少なくない。発売日に売り場に赴いて、自分とバイヤーとで生み出した商品を見ると、この上ない達成感を得られると岩田は語る。

目下の目標は、現在担当している大手顧客の中で、エスケイジャパンの企画のシェアをより高めていくこと。加えて企画営業部のリーダーとして、かつてマネージャーが自分自身にしてくれたように、大手顧客を引き継げる人材を育成していくことも責務だと感じている。
「バイヤーの方には今でもかわいがってもらっています。どんなに冷たくされても、めげなかったからでしょうね(笑)」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代、原動機付自転車で横浜から仙台に行った友人に対抗し、その話を聞いたその日に自らも横浜を出発。北海道までの長距離を、20日間かけて往復した。現在、お客様から提示された課題が難しければ難しいほど燃える、負けん気の強さを持つ岩田。その原点は、この体験にある。
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