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メーカー(食品)
最終更新日: 2007/10/15
(マークの説明) 正社員 老舗
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プロの仕事研究
深い商品知識と丁寧なケアで、得意先の新商品づくりをサポートする営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
東京支店 営業一課 係長
大久保 篤史 (36歳) Atsushi Okubo
入社14年目 / 駒澤大学 経済学部 経済学科 出身

プロフィール
入社して以来、一貫して営業部に所属。2003 年春に、東京支店より名古屋支店へ異動。それまでの外食産業ルートに加え、製菓・製パンルートも担う。2006年春にふたたび東京支店へ異動し、製菓・製パンルートを担当。現在は業務用マーガリン、冷凍パイ生地などの主力商品の営業に手腕を発揮している。

プロローグ
大学時代から「営業職で働きたい」と希望していた大久保。就職活動を行う中で出会ったリボン食品は、営業・生産・管理・開発という部門をすべて自社で行っていること、また主力のマーガリン、冷凍パイ生地をはじめ質の高い商品を送り出していることに惹かれた。また、他社が発想しないようなアイデアにも怖がらずチャレンジする“ユニークさ”を是とする社風にも魅力を感じ、大久保は入社を決意した。

先輩社員について営業の基本を学ぶ中、大久保の意識が学生時代と大きく変わった点は“食に対する認識度”。一流ホテルなどで使用される最高級のものからまたその逆まで、食材の幅が消費者として知りうるよりもはるかに広いことに、大久保は勉強を重ねるたびに驚かされた。

また当初は、そんな一流の食材を食せることが単純に嬉しかった。そして最高レベルの食材に触れ、その背景やでき方について自らの“舌の記憶”を蓄積することで、食に対する鋭敏さを養った。“食”のおもしろさに本気でのめり込んだ大久保は、その後リボン食品のトップ営業へと上り詰めていく。

まずは卸問屋を攻略せよ。 1
大久保がリボン食品に入社してはじめに感じたのは、“ユニークさ”を是とする精神と暖かみだった。他社のやらないことにチャレンジする精神は、開発本部のみならず営業でも実行され、マニュアル通りに作り上げられるものではなく、それぞれの営業が自分のスタイルを創るものだと教わった。

リボン食品の製品のほとんどは、それを扱うレストランや洋菓子店・製パン店に直接流通するものではなく食品卸問屋に対して卸す。そのため大久保は、卸問屋の担当者とコミュニケーションを密にとるよう心がけた。外食チェーン店の担当者と話し合ったり、時には問屋担当者とともに地方の個人が経営しているような洋菓子店・製パン店にも出かけ、自社の製品の使用方法やそれを使った新しいレシピの説明などを行った。

自社の製品はパイ生地だけでも200アイテムほどあるが、食品卸問屋ではそれこそ何万アイテムもの商品を扱っている。単に「よろしくお願いします」と頭を下げるだけでは、その中から自社の製品を扱ってはくれないことを、大久保は時を経るたびに実感していた。

回転寿司でケーキを食べられるなど、ユニークな発想で販路を広げる。 2
大久保は普段の買い物に行く時も、意識してパンの販売コーナーや洋菓子店を覗いたり、時には行列のできる洋菓子店で人気の商品を購入して、営業の面々で食べ比べをすることもあった。そうやって手に入れた最新の情報を、地方の顧客に伝えると大変喜んでもらえ、自社の製品を採用してもらえるという好循環につながった。

“食”へのこだわりを持って営業を行うことで、大久保は単に実績が上がったという数字で表せる以上のものをつかんでいた。外食産業ルートを担当していた時は、顧客と一緒になってよい商品を創ろうという思いのもと、クライアントからの意見を集約し、開発本部へ伝える役割も果たした。単に商品を売るのではなく、自社の製品と食全般にわたる深い知識で、相手からの相談に答えられる存在を目指した。そうすることで、「回転寿司でもデザートが食べられるといいな」といった要望に応え、回転寿司チェーンに冷凍ケーキを納入するなどの実績も積み重ねていった。

そんな中、大久保は名古屋支店へ転勤することが決定したのである。

新工場の生産ラインで不具合発生。解決に全力を尽くす。 3
名古屋地区は、お菓子メーカーがひしめく地帯でもある。大久保はあるメーカーから依頼を受け、パイ生地を使った新しいお菓子を生産するプロジェクトに従事した。そのメーカーは、新しいお菓子の為に設備投資を行う熱の入れようだ。いよいよ試作品の作成にとりかかった。

しかしここで問題が発生した。何度パイを焼いても、パイの長さが規格よりも短くなってしまうのである。幾度もやり直すが、なかなか上手くいかない。商品の発売スケジュールは決まっている。工場からの連絡を受けた大久保の心に焦りが募る。工場では原因が特定できていないという。「なんとかしなくては…」。大久保は現場に何度も赴き、原因の特定を図る。同時に開発本部と連絡を取り、パイ生地に練り込む材料の構成を変えるなど、まさにそれまで培ってきた知識をフル稼動して、事態の収拾に当たった。

パイ生地はとてもデリケートで、ほんの少しの衝撃でも生地が縮んでしまったり、その時の温度や湿度が影響することもある。また、ミクロン単位の収縮が起こってしまうため、最終的なパイのできあがりに大きな差ができてしまうのだ。

丁寧なケアと深い商品知識で美味しい製品が完成。工場と深い信頼関係を築く。 4
「焼いては調整する」を繰り返す日々が続く。その間大久保は工場に何度も足を運び、開発本部と工場との間のスケジュール調整を行ったり、生地の新しい提案を行うなど奔走した。「ここまで親身にやってくれるメーカーはない。ありがとう」と言われるほど、大久保はクライアントからの信頼を勝ち取っていった。

その努力が実り、ついに数々のトラブルを乗り越えて製品は完成。試食してみると、さくっとした食感のパイは大変美味しく、誰もがこの商品の成功を確信した。そしていざ発売してみると好評を呼び、予定の3倍の生産量となるヒット商品となった。

一時期は、最悪の場合取引がなくなる可能性も覚悟した。しかし結果的に大久保は、同様のケースがまた発生したとしても、他人や他社に比べて早く、かつ正確・確実に処理できる自信を得た。「営業はすべてをつなぐコーディネーターなんだ」と気づいた大久保は、今まで以上に自分自身の仕事を誇りに感じていた。

エピローグ
現在は、営業一課で関東一円を担当する大久保。その大久保のもとには各メーカーなどから質問や相談が寄せられる。中には「生地に使っている材料の配合を変えられないか」という、味が変化してしまい、固定客を逃してしまうリスクを含んだ相談もある。がしかし、そういった質問が寄せられるのは、深い信頼関係が築けている証拠だと大久保は話す。大久保は常に商品への知識と最新のレシピなどの情報を仕入れ、顧客に伝えることで、これまで以上に深い信頼関係を構築していきたいと考えている。

多くの人により美味しい商品を届けるために、食のコーディネーターとして、開発とクライアントをつなぐ“営業”として、大久保は邁進し続けていく。
営業車は大切な相棒。営業範囲は関東一円に及び様々な店舗へ赴く。営業車を運転しながら新しいアイデアが生まれることもある。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
様々な種類のアルバイトを経験することで、それぞれの業界の考え方や詳細な事情について学ぶことができた。この時に培った、アルバイトでの経験談やおもしろい話などは蓄積され、現在でもお客様との会話や接待の際に話題となり、営業を行ううえでも非常に役立っている。
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