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メーカー(食品)
最終更新日: 2007/10/15
(マークの説明) 正社員 老舗
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プロの仕事研究
知識・ノウハウを活かし、『新生・リボン食品』を作り上げる経営管理のプロ。
事務系−経営企画
管理本部/管理取締役
高橋 謙二 (43歳) Kenji Takahashi
入社21年目 / 近畿大学 農学部 食品栄養学科 出身

プロフィール
入社後、開発本部で研究開発に携わり、その後、企画部に異動。7年間で数々の商品企画を手がけ、管理部門で人事や購買を経験。再び新商品の開発を担当し、2002年には管理本部長に昇進。翌年には取締役に就任した。同社の将来を担うキーパーソンである。

プロローグ
業務用マーガリン、冷凍パイ生地、そして冷凍ケーキを主力商品に、激動の昭和時代を駆け抜けてきたリボン食品。かつて開発したバター風味の家庭用マーガリン、『バターリン』は、一躍大ヒット商品に。また、『冷凍ホットケーキ』の開発により、ホットケーキは喫茶店の定番メニューとなった。しかし平成の時代に入ると、同社は業績こそ堅調なものの、かつてのようなヒット商品を生み出せなくなってしまった。原因は、大手メーカーによる同製品の大量生産が主流となった事にあった。しかし、同社は決してこだわりを捨てようとはしなかった。

「他社にも作れるような、二番煎じの商品は絶対に作りたくない」。今回の主人公である高橋が、リボン食品に飛び込んだのは1988年。ちょうど年号が昭和から平成へと変わろうとしていた時期だ。彼は、大学で学んだ栄養学の知識を存分に活かせる環境がある食品会社を探していて、同社と出会った。

―――現在、彼は取締役管理本部長を務め、リボン食品を大きく生まれ変わらせようと奔走している。それは、数々の部署異動を経て、様々な仕事を経験してきたからだった。

開発課時代、高橋はまだ未熟だった。 1
研修期間を経て、開発本部開発課に配属された高橋は、早速2名1組のチームを組み、冷凍ケーキの商品開発に携わった。同社は当時から若手社員のアイデアを積極的に取り入れる社風がある。彼もまた、発案したブルーベリーケーキが見事提案先の企業に採用されるなど、早いうちから活躍していた。しかしある時、高橋は自分のキャリアの浅さを露呈してしまう。

彼がデザインしたケーキは、どれも斬新な形だった。そのため、一つのケーキを人間の手で作る事は可能だが、生産ラインで細やかな形状のケーキを大量に作る事は非常に困難だった。 「たとえ試作品を作れたとしても、商品化できるとは限らないんだ…。しかし、どこにでもあるケーキなら他の企業でも作れる。リボン食品にしか作れないものを作るんだ」。彼は必死に生産スタッフを説得し、生産計画を立てた。当時ペアを組んでいた女性社員もまた、彼の考えを理解し全力で協力をしてくれ、そして何とか商品化までこぎつけたのだ。こうして自らのこだわりを貫きながら、商品開発から生産工程までのノウハウを身につけていった高橋。開発スタッフとして取り組んだ1年は、その後の彼の大きな礎となる経験となった。

企画課時代、一日中駆け回った経験が、彼の心を強くした。 2
入社2年目。高橋は企画課に異動となり、社外に出てレストランやホテル、街のケーキ店をまわり、商品に関するマーケティング、販促方法などを考える立場に立つ。彼は集めた情報を整理し、商品開発に有効だと思われるものを企画スタッフ、開発スタッフに共有する。そうした仕事を約7年に渡って続ける中で、彼は数々の商品企画に携わり、“自ら手がけた商品がカタチになる”という喜びを味わっていった。さらに、何度もホテルやレストランを訪問するうち、シェフの彼に対する信頼も厚くなり、人脈は深まっていった。

―――やがて時は流れ1996年。管理本部資材課へ異動する。資材課の仕事は、マーガリンやパイ生地に使われる原料から、製品を梱包するダンボールまで、商品に関するあらゆる素材の調達を担当する。“モノを生み出す”という仕事をしてきた高橋にとって、これまでとは全く異なる役割。多少の戸惑いはあったものの、彼は“原料や資材の価格を考えて購入する”という仕事から、次第に“コストダウン”の意識を身につけていった。

徐々に社内影響力を持ちはじめる高橋。 3
1997年に、管理本部資材課・課長に就任した高橋は、その頃から同じ管理本部の人事課も兼任する役割を担う事になる。原料の調達から、人材の採用、給与計算など、新しい仕事が次から次へと増えていく。中でも彼が最も手を焼いた事、それは社内におけるITインフラ整備だった。

「これからの時代の流れに乗るためには、社内の受発注システム・経理システムを一新させる事が急務だ」。高橋は危機感を抱いていた。当時は、各企業のITインフラ整備が急速に図られていった時代。西暦2000年問題もメディアで頻繁に取り上げられていた。彼は全力で社内システムの整備に取り組み、約2年という時間をかけ最新の受発注システム、経理システムを導入したのである。この頃になると、高橋の影響力は同社にとって多大なものになりつつあった。そして2000年、そんな高橋に新たな指令が下された。
「高橋君。企画本部へ異動してもらえないか。キミのこれまでのキャリアを活かして、全く新しい事業を生み出して欲しいんだ」 。従来の商品開発を一切行わない、全く新しい事業の展開。その責任者として、あらゆる部署で活躍を続けてきた高橋は、まさに適任だったのだ。

新事業立ち上げの責任者は、彼しかいなかった。 4
高橋が社内での影響力を強めはじめてからというもの、同社は大きく変容を遂げる道へと進んでいった。実はその舵取りをしていた張本人こそ、高橋だったのである。全く何もないところから事業を立ち上げる事など、高橋にとっても当然初めての試み。「どんなものがこれから売れるのだろう?」と、色々仮説を立てながら、プロジェクトを模索しはじめた。

企画課での経験を活かし、巷で流行している商品を次々に調べ上げ、開発課で経験したノウハウで商品をカタチにしていく。もちろん、コストに対する意識も、資材課での経験からより効率的な原料を仕入れるよう心がけた。その後、様々な商品を試作品として開発した高橋。カテゴリーこそバラバラだったものの、そこには彼のあるこだわりが存在していた。

「他社でもできるような、二番煎じの商品は絶対に作りたくない」。高橋の“こだわり”は、同社の“こだわり”と同じ。常に新しい商品を日本の市場に提案したいと切に願っていたのである。

―――そして、現在。高橋は取締役管理本部長という要職になったが、プロジェクトとそのスピリットは後輩が引き継ぎ、いよいよ陽の目を見ようとしている。

エピローグ
「この会社は今、大きく変わろうとしています。これまでが“悪かった”という意味ではありません。『二番煎じの商品を作りたくない』というこだわりを、もっと積極的に発信できる仕組みを作ろうとしているのです」。

同社の未来は、高橋が担っていると言っても過言ではない。社長から絶対の信頼を受けている彼は、同社の経営戦略には欠かせないキーパーソンである。今後の展開について、彼は次のようにも語る。「会社が変わろうとするとき、若い人材の力は絶対に必要です。かつての私のように、当社に飛び込んで新しい風を吹かせて欲しいですね。今の自分があるのは、開発や企画の仕事で大きなやりがいを見つけたからなのです」と。
「どの仕事も今の自分にとって非常にプラスになる経験ばかりでした。今後は新事業立ち上げに向け、忙しい日々が続きますよ」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
農学部で食品栄養学の研究を行っていた高橋。日頃の研究を通して、彼には物事の原因や根拠を突き止め、解決のために主体的に動くクセが身に付いていた。その姿勢は、開発、企画職での発案力や問題解決力として存分に活かされ、会社全体を見渡す力が必要な現在の立場でも存分に活かされている。
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