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情報・通信(ソフトウェア開発)
最終更新日: 2008/08/21
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プロの仕事研究
未経験から着実に成長し、初めてのリーダー業務をやり抜いたシステム開発のプロ。
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
第二システム開発部
棚橋 佐知子 (28歳) Sachiko Tanahashi
入社6年目 / 京都外国語大学 外国語学部 英米語学科 出身

プロフィール
司書の資格をとる過程で、本を管理するデータベースに興味をもった。プログラマーへの道を目指し、未経験でも活躍できるアワーズに入社。先輩の助けを得ながら研修で同期と共にプログラミングの基礎をみっちり学んだ。その後、様々なシステム開発に携わり、現在は後輩の指導を行う傍らサブリーダーとして活躍中である。

プロローグ
「どうしよう。私がリーダーの代役だなんて…」。

思いもよらなかった。体調不良で不在が増えたリーダーに代わり、サブリーダーとしてプロジェクトに関わっていた棚橋が、リーダーの役割も一部任されることになったのだ。未経験から始めたとはいえプログラマーとして着実に力をつけてきたが、サブリーダーにもなったばかりでリーダー経験は全くない。しかし、プロジェクトはすでに始まっており、猶予はない。周りを見ると、プロジェクトのメンバーたちは、一様に不安な表情を浮かべている。

「自分まで不安な顔をしていたら、チームの皆も一層不安になってしまう」。リーダーが不在ならば、チームのメンバーをまとめ、プロジェクトの陣頭指揮をとっていくのは、棚橋に他ならない。経験のないリーダーの重責におしつぶされそうになりながらも、持ち前の責任感を発揮し棚橋は前だけを見つめ始めていた。行く手には多くの困難が待ち構えていたが、彼女はやがてプロジェクトをまとめるリーダーとして必要な素質に気づき、大きな成長を遂げるのだった――。

社長の一言で、サブリーダーに抜擢! 1
「棚橋さん! そろそろサブリーダーとして頑張ってみんか?」

始まりは社長の一言だった。社長から新たなプロジェクトにサブリーダーとして挑戦しないかと声をかけられたのだ。入社以来棚橋は、プログラマーとして工場の生産管理システムや大学の履修登録システムなどのプロジェクトに関わってきた。そのなかで、勉強を重ねシステムに関する知識をしっかりと吸収する姿勢や、周りの人に対してよく気がつく棚橋の人柄を、社長は見ていた。そして、棚橋に新しい経験を積ませたいと考えていたのだ。そんな社長の呼びかけに対して、棚橋は「はい、頑張ります!」と迷わず返事を返したのだった。

新たに携わるのは、加工業の販売システム。受注・出荷・売上といった業務に関わる情報を効率化するシステムだ。棚橋たちには、現行のシステムをお客様に合うようにカスタマイズすることが求められていた。プロジェクトメンバーは、リーダーと棚橋を含めて8名。サブリーダーの仕事は、チームの一員として指示を受けるのではなく、プロジェクト全体を見据えながらリーダーをサポートすることだった。

試行錯誤のなかで、サブリーダーとして必要な経験を積んでいく。 2
「システムに関して追加してほしい機能などありますか?」

お客様のもとに赴き、リーダーを中心にシステムに関するニーズをヒアリングする。実際に自分たちが手がけるシステムが使われる現場に訪れるのは、棚橋には初めてのこと。直にお客様の意見を聞くのは、大きな財産となった。お客様の生の声を聞いているうちに、何としても精度の高いシステムをつくりたいという想いが込み上げたのだ。そして、お客様のニーズをもとに、リーダーと共にお客様にとって最適なシステムの提案を行っていった。

また、お客様の業務フローを知ることも大切になる。客先の業務の全体的な流れを把握しなければ、お客様の業務を効率化する提案は生まれないからだ。そこで棚橋は、専門書やお客様の業務体系をまとめた資料を読んだり、今までの案件のなかで似たような業態と照らし合わせるなど、情報収集に努めた。同時に、分からないことはリーダーや上司に聞きながら、疑問点を潰していった。サブリーダーとして何とか自分の仕事を果たせそうだと思った矢先、思いがけない事態に直面する。

「実は皆には黙っていたんだけど、体調が悪いんだ。おれがいない時は、棚橋さんにプロジェクトを任せたいと思うんだけど…」。突然のリーダーの言葉に、棚橋は驚きを隠せずにいた。

自分一人で抱え込んでいては、リーダーの仕事は務まらない! 3
「私がチームをまとめないと、プロジェクトは停滞してしまう…」。

残った6人のメンバーが抱える不安、そして一つのプロジェクトを担っている立場を考えると、立ち止まっている暇などなかった。リーダーの業務の一部を引き継ぎ、とにかく分からないながらも仕事を進めていく。しかし、一人で突き進んでいても仕事は一向に終わる気配がない。「終わらない、どうしよう…」。迫る納期と共に、棚橋の不安は膨らんでいくばかり。そんな時、救いの手が差し伸べられたのだ。

「自分一人で何とかしようとしても無理がある。メンバーや先輩の力をうまく借りなきゃ」。先輩からのアドバイスだった。「焦るばかりで前しか見えてなかった。ただ闇雲にやってもうまくいくはずないな」。早速棚橋は、自分の力でできることとできないことをリストアップし、できないことについては先輩に頼んで協力を仰いだ。そうして、システムに詳しい先輩にプログラムを見てもらうなど、チーム外からの協力を得ていった。

また、チーム内のメンバーと積極的にコミュニケーションをとり、どのくらいの業務ができるか一人ひとりを把握していく。その上でチーム内に代表者を決めて仕事を割り振り、各自の進捗状況とスケジュールを管理することにした。

プロジェクトを成功に導くには、皆が同じ方向を向かなければならない。 4
「皆で一つのシステムをつくっていくのだから、共通認識をもとう」。

そう呼びかけるのは、メンバーそれぞれがバラバラなやり方をしてしまっては、一つの精度の高いシステムは完成しないから。そこで棚橋は、メンバーから出てきた疑問を質問表にまとめ、疑問点を皆で共有できるようにした。また、毎日のようにミーティングを繰り返しては、メンバーの方向性を合わせていった。単体テストを何とか乗り越え、リーダーも復帰してきた。

そうして、ついにシステムは完成し、お客様先に導入する日を迎える。「やれることはすべてやったんだ」。お客様を前にして、緊張せずにはいられなかったが、皆ですべてをやりきった自信が棚橋の背中を押した。「ぜひ使ってみてください」。お客様に完成したシステムを実際に使ってもらう。そして、お客様の口から出た言葉は…。

「以前のシステムよりも、随分使いやすくなったね。ありがとう」。こうして、皆でつくり上げたシステムがお客様に評価され、棚橋は初めてリーダーの仕事も経験し、サブリーダーとしてプロジェクトを成功に導くことができた。そして、棚橋はエンジニアへの大きな一歩を踏みしめたのだった。

エピローグ
リーダーを経験するまでは、一人のプログラマーとしてきちんとしたシステムをつくってさえいればいいと棚橋は考えていた。しかし、リーダーを経験し、一つのシステムをつくるなかで、チームのメンバーと一緒に同じ方向に向かう重要性を知り、プロジェクトをまとめるリーダーの仕事にやりがいを感じた。

棚橋には大切にしていることがある。それはお客様の声をメンバーにも伝えること。「お客様の感想を伝えれば、メンバーの皆も仕事の実感を得られます。また、何よりも皆で喜びを分かち合えるのがいいですね」と語る棚橋。目標は、学生時代に学んだ外国語を使って、海外とのやりとりができるエンジニアになること。棚橋の挑戦は今後も続いていく。
「現状をよくするにはどうすればいいかを考え、工夫しながら仕事をします。小さな気づきが大きな発見に発展しますよ」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代は部活動で京都のお寺で外国人専門のガイドを行っていた。様々な国の人たちと接することにより、対人能力を磨いていった。そんな経験が、皆でコミュニケーションを図りながら一つのものをつくっていく今の仕事に、大いに活かされている。
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