[en]学生の就職情報2009 閉じる
サービス(医療・福祉) / サービス(官公庁・公社・公共団体)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 老舗
logo 社会福祉法人神戸福生会
準備シート 活動履歴 志望企業リストに保存
エントリー エントリーする
説明会予約 説明会予約をする
会社訪問ドキュメンタリー プロの仕事研究 トップインタビュー 人事からのメッセージ ホームページへリンク
プロの仕事研究
高齢者一人ひとりに合わせたサービスを行う、介護のプロ。
その他−公務員・団体職員
ケアハウスこうべ/副主任
鈴木 未紀 (29歳) Miki Suzuki
入社6年目 / 関西学院大学 社会福祉学科 出身

プロフィール
高齢者福祉を志したのは大学時代。実習で介護施設を訪れた時、人の役に立つ喜びを感じたため。就職活動の際には様々な施設を見て回ったが、「神戸福生会」介護職員の感じの良さと介護に対する志の高さに魅力を感じ、入所を決意。入所後は介護スタッフとして経験を積み、2007年4月からは副主任として活躍している。

プロローグ
――差し伸べた手は、ものの見事に振り払われた。

「痛い! もういい、自分でするから!」。鈴木には高齢男性Aさんの心の声が確かに聞こえた。「ごめんなさい、ごめんなさい。痛かったですよね」。何度も謝る鈴木を前に黙々と更衣を続けるAさん。動かしにくい体を懸命に動かしている。もはや鈴木の介助が入る隙は失われていた。彼女はその姿を呆然と見ている他なかったのだった――。

鈴木が「神戸福生会」に入所したのは2003年4月のこと。配属先はケアハウスこうべだった。同ハウスは在宅での生活が困難な高齢者の生活を支援する個室制(部屋にキッチンなどを持つ)の施設。鈴木はそこで100名の高齢者の介護をすることになった。「100名のお名前を記憶するのも難しいのに一人ひとり異なる介助方法を覚えるなんてできるのだろうか」。漠然とした不安に襲われながらも日々の介護に挑んでいく。先輩職員から介助のレクチャーを受けた後は、共に介助に携わり、その後は見守られながら一人で行う。独り立ちをするまでには3ヶ月を要する。鈴木は100名分の介助方法を頭に叩き込んでいくのだった。
――そうして独り立ちを迎えたある日、その事件は起きた。

聞こえる言葉にならない声。不甲斐ない気持ちに包まれる。 1
――振り払われた手は、心なしかジンジンと痛んだ。

鈴木の胸の中は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。全身を思うように動かせず車椅子生活を送るAさんの更衣を介助していた時のことだった。鈴木は、Aさんがどこまで体を動かせるのかを把握しておらず、無理な体勢をつくらせてしまったのだ。「痛い! もういい、自分でするから!」手を振り払われた際、口にこそ出していなかったが、鈴木にはAさんの心の声が確かに聞こえた。100人の高齢者がいれば、100通りの介助方法がある。そのコツを掴むのは容易いことではない。ましてや鈴木は入所3ヶ月を迎えた頃。Aさんの介助方法を完璧に把握しているはずもなかった。

しかし、彼女は自身を責めた。「更衣は日常生活の中、ストレスなくできて当たり前のこと。でもAさんは違う。自分の意思とは無関係に体が動きにくくなっている。“自分でしたいのにできない”それだけでストレスを感じているはず。だからこそ私がスムーズに介助することで少しでもそのストレスを軽くする必要があったのに。逆にイライラさせてしまった。…最低だ…」。鈴木は不甲斐ない気持ちに包まれ、その場に立ち尽くした。

劇的に関係が良くなる方法はない。勇気を出して動き始めた。 2
「失敗しないように、怒られないように…」。

Aさんの介助をする時間、鈴木はこの言葉を心の中で何度もつぶやいた。少しでも嫌な顔をされると、緊張が体を包み不安が襲う。「だっ、大丈夫ですか? 痛くないですか?」。異常なほど気を使う鈴木にAさんはどちらともつかぬ表情を返した。介助が終われば、逃げるようにその場を去る。もはや「良い関係を築きたい」という思いさえ失っていた。

「…このままじゃダメだ。いやでもまた失敗したら…」。手を振り払われてから数週間が過ぎた頃、鈴木は自らの心と葛藤していた。先輩職員に相談してみるも「どんどん関わって関係を築いていくしかないんじゃない」という回答。劇的に関係が良くなる方法などないのだ。鈴木は勇気を出して自分にできることから始めることにした。

「Aさん、布団はどれくらいまで掛けたら良いですか?」 「部屋の電気はどうしますか? 豆電球にしましょうか?」 「カーテンはどこまで開けておきますか?」 「テレビのリモコンは枕の横でいいですか?」…人は日常生活を送る際に様々なことを無意識レベルでルール化している。Aさんにもそれぞれこだわりがあった。鈴木は細かい部分にまで気を配り、Aさんの意向を確かめながら動いた。

Aさんのかすかな変化。失敗を恐れる気持ちが和らいでいく。 3
「…よしっ!」。

鈴木はAさんの部屋に入る前には必ず気合を入れ直すのであった。失敗することへの怖さが消えることはなかったが、必死にAさんと向き合おうとしていたのだ。ベッドから車椅子に移乗してもらう際にも、「車椅子の位置、ここで大丈夫ですか?」と聞くなど配慮に努めた。通常、車椅子の停車位置はベッドに対して斜めに止めるのが移乗しやすいと言われている。しかし、Aさんの場合は違った。鈴木が聞いてみるとベッドに対して垂直に車椅子を停車させた方が移乗しやすいというのだ。鈴木は自然とその人に合った介助に取り組んでいくのだった。

数ヶ月するとAさんは鈴木に要望を言うようになった。「ラジオをつけておいてくれないか」。その変化は彼女を嬉しくさせた。次第に失敗を恐れる気持ちも、Aさんを怖いと思う気持ちも和らいでいくのであった。Aさんの生活サイクルを把握できるようになった鈴木は、呼ばれてから行くのではなく「そろそろトイレに行く時間かな」と呼ばれる前に行くことができるようにもなっていった。

一人ひとりに合わせた介助とは。Aさんの望みを見極める。 4
「Aさんにとって最適な介助とは何だろう」。

鈴木の介助に対する意識は変わっていった。初めは「とにかく失敗しないように」 「相手にストレスを与えないように」。そればかりを考えていた。しかし時が経つにつれ「Aさんはこのケアハウスでどう暮らしていきたいんだろう。どう老いていきたいんだろう」と考えるようになったのだ。意識の変化は介助の変化にもつながっていく。Aさんの趣味は書道やプラモデルづくり。それをずっと続けられるよう、手を使う食事や髭剃り、洗面の際にはできる限り手を貸さず見守ることにした。縮まっていく二人の距離。気がつくと、Aさんの息子さんの話や過去にしていた仕事の話、大好きな競馬の話などに花を咲かせるようになっていた。

「あっ、鈴木さん」。ある時鈴木は先輩職員に呼び止められた。「さっきね、Aさんの部屋に行ったらそうめんが一皿残してあってね。なんで残しているのかを聞いたら“鈴木さん用に置いてるねん”だって。早く行ってあげて」。それを聞いた彼女の心は温かい気持ちで満たされた。Aさんの部屋に着いた鈴木は「ありがとう」と手を差し伸べた。すると、そこにはしっかりと握り返してくれるAさんの笑顔があった――。

エピローグ
2007年4月、入社5年目を迎えた鈴木は副主任へと昇格した。3フロアからなるケアハウスこうべのフロア責任者となるのだ。鈴木は突然の抜擢に言葉を失った。「本当に私に務まるのだろうか」。

そんな心細さを抱いていた鈴木にAさんは言った。「最近は食事が喉を通らなくなって管を通して栄養補給するようになった。楽しみがなくなり、しんどかったけどな、あんたが副主任になったことを聞いて本当に嬉しかった。負けたらあかんぞ。絶対辞めんといてくれよ」。鈴木は底知れぬ力が湧いてくるのを感じた。そして彼女は知るのだった。介護とは支えるだけのものではなく、心と心がふれあうことで、支え合えるものになるということを――。
介護を通じて気をつけているのは「自己満足に陥ってはならない」ということ。高齢者の望みを見極めることが大事と考えている。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代はクラシックギタークラブに所属。50人の部員を統括する幹部役を担っていた。個性豊かな部員が多く、定期演奏会などのイベントではまとめ上げるのに相当な力が必要であった。一人ひとりとコミュニケーションを図りながらやり遂げた経験は、現在も十人十色の高齢者と関係を築く上で役立っている。
「プロの仕事研究」を読んだら、[en]学生の就職情報からエントリー・説明会予約を行おう!
会社訪問ドキュメンタリー プロの仕事研究 トップインタビュー 人事からのメッセージ ホームページへリンク
エントリー エントリーする
説明会予約 説明会予約をする
準備シート 活動履歴 志望企業リストに保存
社会福祉法人神戸福生会


この企業を志望している人は、こんな企業にもエントリーしています。
 
【理系】 1位カネ美食品株式会社 
【文系】 1位社会福祉法人鶯園 ロングステージ 
2位株式会社阪栄マネージメント 
3位フローバル株式会社(旧:岡田産業株式会社) 
4位株式会社エス・アイ・エス 
5位セムコ株式会社 
ページ上部へ
エン・ジャパン株式会社 [en]は第三者の立場で正直かつ詳細な求人情報の作成を心掛けています
当サイトの新卒採用情報は[en]学生の就職情報のスタッフが企業に直接取材を行った上で作成しています。 新卒採用企業が自ら情報を作成すると、自社の良い点のみに偏りがちです。 当サイトのスタンスは、手間暇をかけて、学生の皆さんの立場に立った正直かつ詳細な情報を提供していくことです。 今後さらに情報の信頼性を高めるためにも、掲載内容と事実に相違があった場合は [en]学生の就職情報 編集部 までご連絡下さい。調査の上、対応いたします。
[en]学生の就職情報 編集部
エン・ジャパン株式会社 Copyright (c) 2007 en-japan inc. All Rights Reserved. 閉じる