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情報・通信(ソフトプロダクト開発(パッケージ商品)) / サービス(専門コンサルティング(情報通信系)) / 情報・通信(ネットワーク・通信技術)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 外資系
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プロの仕事研究
国境を越えて案件の遂行に全力を尽くすシステムコンサルティングのプロ。
ソフトウェア系−システムコンサルタント
テクニカルコンサルティング部/部長
松本 伸也 (43歳) Shinya Matsumoto
入社8年目 / 慶應義塾大学 理工学部 機械工学科 出身

プロフィール
アドベントネットの設立メンバーの一人。2001年に日本法人が設立されたのを機に正式入社する。現在、技術面の担当として、各種業務のマネージメントを中心に推進。サポートエンジニア、テクニカルコンサルタント、プロダクトエンジニアと多方面で活動しながら、マーケティング担当も兼任している。

プロローグ
アドベントネットは米国Advent,Net.社の日本法人であり、インドや中国など海外に多くのオフィスを構えている。そのため、各種の開発プロジェクトは海外の開発チームとの協業になるケースが多い。松本も入社以来、こうした形でプロジェクトを推進してきた。そして、2005年の夏に関わった案件は、これまでの中でも困難を極めるものだった。クライアントは日本の大手通信機器メーカーA社。A社では大規模な通信インフラを管理するシステムを構築しようとしていた。その開発プラットフォームとして採用されたのが、自社の代表プロダクトである『Web NMS』。これはネットワーク管理システムの開発やカスタマイズを効率良く短期間で可能とするものだった。自社にとってもA社とのビジネスは大きなものであり、松本のモチベーションは大いに高まった。だが、A社の担当者と協議する中、彼は案件のハードルの高さに一瞬の戸惑いを感じた。性能要件の高さだけでなく、許される開発スケジュールも非常に短く、「Web NMSを採用しても間に合わない…」との危惧が生まれた。それでも、何とかしなければならない。松本は案件を成功へ導く挑戦を開始した。

大規模な通信インフラを管理するシステムの構築 1
A社との出会いは、ある日突然訪れた。2005年の初頭、電話による問い合わせからすべてが始まった。当時、A社では自社開発の通信機器を大規模な通信インフラで稼働させることを計画。そこで必要なネットワーク管理システムの構築も推進しようとしていた。だが、規模も大きく、システムの複雑化が予想されたことから、システム構築に欠かせない開発プラットフォームの選択に苦慮していた。そして、A社は親会社の導入実績からアドベントネットの存在を知り、同社のプロダクト『Web NMS(Webネットワークマネージメントシステム)』に注目した。

アドベントネットと最初にコンタクトを取った当時、A社では製品導入のみを検討し、システムの開発は関連企業に任せようとしていた。しかし、ニーズを満たせるだけの技術力を持つ企業は見当たらず、プロダクトだけでなく、そのカスタマイズもアドベントネットに託されることが決定された。数ヶ月後、松本はこのオファーを改めて受けてA社を訪問した。実際に詳細要件を聞き、確かに「難しい…」と感じた。技術的だけでなく、スケジュールも非常に厳しかった。この訪問が6月。最初の納期は3ヶ月後の9月と指定された。

エンジニアとしての多種多様な顔を持つ 2
本来、同様の案件では通常1年の開発期間を費やす必要があった。確かに『Web NMS』は“短期間で効率の良いシステム構築を実現すること”が売りであるものの、3ヶ月という短納期は想定外。しかも、A社が求めてきたシステム上の処理速度といった性能要件も通常の10倍以上が求められていた。まさしく、非常に高いハードルであり、その具現化も可能か否かはすぐに判断できなかった。最初の協議を終えた松本は社に戻ると、さっそく『Web NMS』の開発チームがあるインドのオフィスとコンタクトを取った。

A社とはテクニカルコンサルタントとして協議し、海外の自社チームとのやりとりでは『ブリッジSE(システムエンジニア)』にその役割を変える。ブリッジSEとはその名の通り、クライアント企業と開発チームの橋渡しをする仕事。海外での開発が増えた今、ブリッジSEの存在価値が高まっている。そして、松本も橋渡しの役目を果たすべく、インド側との協議を始めた。同時にインド側ではニーズとして挙げられた性能検証をしたが、3ヶ月という短納期ですべてを実現できる確証が得られなかった。そのため、プロジェクトは難航すると思われた。

最初の納品までに残された時間は約1ヶ月 3
3社間の協議は1ヶ月以上も続いていた。正式採用は未だ決まらず、気がつけば季節は本格的な夏の到来を迎えていた。基本的にアドベントネットではプロダクトの納品を一気に行わず、最低限必要な基本機能を搭載した製品を導入し、そこからカスタマイズを行い、バージョンアップを図る。それはA社からも理解を得たが、9月という最初の納期だけは動かせない。しかも、この時点で採用を決めなければ、9月納品は間に合わなかった。

そこで松本はA社の担当者と共にインドへ飛び、3社で直接協議することで採用の是非を決めたいと考えた。実際、A社の担当者はインドの開発チームに疑問符を浮かべていた。技術力は本当に高いのか、真摯な対応はできるのか…そうした一抹の不安があった。一方、インド側も「こんな無茶苦茶な要求を…」との思いがある。そうした双方の不信感を解消するためにも、直接会って話すことが重要だと思った。信頼関係を固めなければ、話は先に進まない――そう実感した松本は先方の同意を得て、早急に準備を始めた。たとえばそれは、A社の担当者には開発チームの情報だけでなく、インドの気候や習慣に関する情報まで提供する徹底したものだった。

共通認識を持つパートナーになるために… 4
インドに到着するとすぐに3社の協議が開始された。最初に松本が注力したのは、双方の信頼関係を結ぶこと。特にA社の担当者が抱く不安を払拭するためにも、インド側が積み重ねてきた実績を強調し、また通訳となって担当者に開発チームの気持ちをじっくりと伝えた。そして、コミュニケーションを進めるに従い、危惧された技術力と対応に対する不安は消えていった。

次にすべきは“できること、できないこと”の切り分けだった。仕様書や渡航前に用意した資料を並べ、限られた時間で実現可能な要件が煮詰められていった。松本は双方の妥協点を見出しつつ、慎重に協議の成り行きを見守った。その中、開発チームに対しては「お客様は困っているのだから、それを何とかしてあげよう」との気持ちを伝えた。先方には開発チームの技術力に対するプライドを伝えながら話を進め、「パートナーになりたい」との意気込みをアピールした。すると次第に双方の共通意識が高まり、1チームとしてのモチベーションを抱いた形で協議が進むようになっていた。ほんの3日間の滞在だったが、充実した協議が実現できた。結果、採用が正式決定され、最初の納品となる9月を待つばかりだった。

エピローグ
技術を開発するエンジニアというよりは、開発プロジェクトの調整役。それがブリッジSEの大切な役割である。実は松本自身、お客様を伴ってインドのオフィスを訪問したのは初めての経験。結果的にこの判断が最高の収穫をもたらしてくれた。従来、こうした3社間の協議は、調整役のブリッジSEを介して電話や電子メールで行われるのが一般的だった。しかし、言葉は違っても直接会ってコミュニケーションを取ることで、お互いが考える本当の気持ちや仕事に対するスタンスが理解できる。それで真の信頼関係が構築できることを、松本はこの案件を通して体感したという。そんな経験を着実に自分の糧として、今後も次のステージへの飛躍を続けていく。
技術面のリーダーとして多角的な活躍を見せる松本。自社の発展に欠かせないキーマンとして今後もその手腕を発揮する。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学で学んだコンピュータの知識を生かすために、第一種情報処理技術者資格を取得したことが、この業界に進む大きな要因である。また周囲には帰国子女も多く、英語が身近な存在。最低限の力を身につけ、「英語を使う職場でも対処できるのは普通」との意識を持つことができた。そのため、英語を使う職場でも特に苦ではない。
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