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メーカー(食品) / 流通・小売(専門店(食品))
最終更新日: 2007/11/26
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プロの仕事研究
閉店2時間半前に追加製造を決断し、前年を大きく上回る売上を上げた店舗運営のプロ。
営業・販売系−販売スタッフ・サービス
『K-STAGE』 アピタ長久手店
大引 綾子 (24歳) Ayako Obiki
入社3年目 / 椙山女学園大学 生活科学科 食品栄養学科 出身

プロフィール
食べることが好きで、食品に含まれる栄養素等にも関心があり、食品栄養学科を選ぶ。就職活動では、栄養士や食品メーカーでの商品開発に興味を持つ。カネ美食品に出会い、自分のつくった食品をお客さまに直接届けることができる店舗での仕事に惹かれ、入社。2007年11月オープンの『K-S』アピタ長久手店に勤務する。

プロローグ
「やっぱりお店での仕事がしたい! ここで働きたい!」

そう大引綾子に強く思わせたのは、『K-STAGE』アピタ千代田橋店に訪れた時のことだった。大型ショッピングセンターの中に、一際華やかに存在感を放つ店舗があった。店内は明るく活気付いており、ショーケースの中にサラダや揚げ物等の商品が美味しそうに並べられている。旬の食材を使ったメニューや高級素材を活かしたオシャレなメニュー等、どの商品もオリジナリティに溢れていた。彩り良く詰められたお弁当、果物や野菜を使ったフレッシュジュースもある。大引はその日、アスパラのクリームコロッケとシュリンプのタルタルサラダを買って帰った。会計をしてくれた店員の笑顔に、さらに思いは強まった。

カネ美食品は、中食(なかしょく)と言われる惣菜や寿司、弁当等の製造・販売を事業としている。多様な販売チャネルを持ち、ターゲットマーケティングを活かして、多角的に事業展開を進める。食に関わる仕事がしたいと考えていた大引は、カネ美食品に入社し、店舗運営の仕事を希望した。そして配属されたのは、彼女がかつて訪れた店舗。大きな期待と共に、大引は社会人としてのスタートを切った。

憧れていた店舗での仕事は、緊張の連続だった。 1
「大変な仕事を希望しちゃったな〜…」。入社後1週間の研修を経て、大引は『K-STAGE』 アピタ千代田橋店へと配属された。まずは、接客と製造をメインに仕事に慣れていく。学生時代に飲食店で接客のアルバイトをしていたため、基本的な接客マナーや店内で飛び交う専門用語は分かっていた。しかし、大引にとっては毎日が緊張の連続。基本的な仕事に慣れれば、社員としてパートやアルバイトのスタッフへの教育や店舗運営の仕事にも関わる。自分に与えられた仕事の責任の重さを考えると、大引は憧れだけでは済まされない店舗での仕事の厳しさを痛感するのだった。

しかしそれでも、大引は毎日充実した日々を過ごしていた。パートやアルバイトのスタッフとも、少しずつ信頼関係を築いていった。店舗運営の仕事は、荷物を搬入し、オープンまでに商品の製造と開店準備を行うことから始まる。オープン後は商品の売れ行きやショッピングセンター全体のお客さまの数を見て追加製造を行い、接客等店内の状況を見ながら対応。午後からは翌日分の食材や容器の発注、お客さまが増える夕方に向けての追加製造をする。閉店が近づく頃には清掃や伝票処理、翌日の業務分担をしながら、時間と商品の量を見て値引きをかけていく。そしてようやく閉店を迎えるのだ。

入社して間もなく、店舗運営全体に関わることとなる。 2
店舗に配置されている社員は数名。パートやアルバイトとして働くスタッフと協力して、店舗を運営していく。店舗での仕事の流れを把握できれば、大引も早速運営の仕事に関わっていく。製造や接客だけでなく、売上を意識し、パート・アルバイトスタッフのシフト管理や業務分担、教育等も行う。売上は前年の同じ日を目標基準として、さらなる売上アップを目指す。まずは店長から進め方を教わりながら、自分で実践していく。そして、店長が休みの日は同期の社員と2人で試行錯誤しながら、店を回すことになった。

「特売のある火曜日と週末の金曜日はお客さまが多いな。売上や商品の数も他の日とこんなに違うんだ」。1週間、1日の中で、お客さまの数や商品の売れ行きにそれぞれ特徴がある。そのタイミングをうまくつかめれば、効率的に店を回し、売上アップにもつなげられる。大引は店内だけでなく周囲の店ともコミュニケーションを取りながら、お客さまや商品の流れをつかんでいった。そして、大引が1人で店舗運営をしていたある夏の日、彼女はいつも以上に店内にお客さまが多いことに気付いた。

閉店2時間半前、追加製造の決断を迫られる。 3
「このままだと、閉店前にお弁当が売り切れてしまう」。その日は、週の中でもお客さまの多い火曜日。お弁当だけでも、1日で180個ほどが売れる。他の曜日に比べると多く製造していたが、いつも以上に売れ行きが好調だった。他の店を見ても、どこも賑わっている。閉店2時間半前、お弁当の数は残りわずか。今から追加製造をするか、大引は決断を迫られた。このまま売り切れてしまえば、閉店までの時間にチャンスロスが発生する。しかし追加する個数やその製造にかかる時間、さらには値引きのタイミングを見誤れば、商品が余って損失が出ることも考えられた。

「大丈夫。いける!」 大引は追加製造を決断した。「皆で協力して、頑張ろう!」 3人いたアルバイトと協力しながら、追加でお弁当をつくっていく。ご飯が炊けるまでの時間に他のおかずの調理を進め、できたものから手際良く容器に詰める。40分程度で追加のお弁当ができ上がった。すぐに店頭に並べ、販促をしていく。「ただ今、でき立てですよ!」 明るいアルバイトの声にひかれて、お客さまが足を留める。1つ、また1つとお客さまが手に取ってレジへ向かう。店内は活気に溢れ、心地良い一体感が生まれていた。

お弁当は完売。スタッフ全員が売上を意識していた。 4
「ありがとうございました!」 店内で清掃作業をする大引に、何度も聞こえてくる明るい挨拶の声。それは商品が順調に売れていることを意味していた。キッチンの窓から時おり様子を伺いながら、忙しく仕事を片付けていく。タイミングを見て値引きをかけ、さらにお客さまの購買意欲を促進していく。その日、大引だけでなくアルバイトスタッフも、全員が売上を意識していた。大引は、皆で協力して店舗を運営していくことの楽しさや面白さを改めて感じたのだった。

「すごい…去年の売上は軽く超えてる!」 伝票処理をして、大引たちは達成感と喜びに包まれた。売上は前年の額を大きく上回っていたのだ。大引は、スタッフと協力しながら自分で店を動かし、確かな成果を上げられたことに大きな自信を得た。閉店後、アルバイトスタッフと共に、その成果を喜び合う。それまで緊張で肩に入っていた力が、ふっと抜けていくようだった。そして大引は、さらに自分らしく、『K-STAGE』というカネ美食品の舞台で活躍を続けることになるのだった。

エピローグ
大引は『K-STAGE』アピタ千代田橋店での1年半ほどの勤務を経て、2007年11月オープンの同アピタ長久手店へと異動。店長をはじめ、新たな仲間と共に店舗運営に携わっていく。「これまで一緒に頑張ってきたスタッフの皆と離れるのは少し寂しいですが、今度は新規の店舗。これまでの経験と自分なりのアイデアを活かして頑張ってみたいと思っています」。

「大変なことも多いですが、やっぱり店舗での仕事が好きです。食を通してお客さまと直接関わることができるし、仲間と協力して良い店をつくり上げていく喜びも感じることができる。カネ美食品の店舗は、店も商品も、制服もオシャレですしね」。キラキラとした笑顔で、大引は語った。
「初めて商品を食べた時は本当に美味しくて、今はつくるのも楽しいです。季節ごとに旬の食材を活かしたメニューが自慢です」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代に飲食店での接客アルバイトをしていたことが、店舗での仕事を希望するきっかけとなった。また小学校から大学まで、吹奏楽のクラブ・サークル活動を続けてきた。そこで経験した先輩や後輩との関わりは、現在パートやアルバイトのスタッフとのコミュニケーションや教育等に役立っている。
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