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最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理系積極採用 No.1
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プロの仕事研究
自ら手法を編み出し、短期間で高精度のストラテジを開発したハードウェア設計のプロ。
技術系−電気・電子設計
開発本部 開発1室/Specialist
今井 雅士 (32歳) Masashi Imai
入社7年目 / 北海道大学大学院 情報科学研究科 システム情報科学 出身

プロフィール
大学院を卒業後、身近な製品の開発に関わりたいという思いもあって、日立LGデータストレージへ入社。一貫して、記録ストラテジの設計に携わってきた。現在では、仕事の領域を広げており、ストラテジの設計のみならずハードウェアの回路設計も担当。次世代の光学ドライブの開発に取り組む日々を送っている。

プロローグ
次世代の高密度光ディスクとして、市場に裾野を広げつつある「Blu-ray Disc」。現在、今井が参加しているプロジェクトは、そのBlu-ray Discの記録・再生を行なう光学ドライブの開発。まさに、これから普及していくという段階の技術と製品であるため、将来の可能性をひしひしと実感できる仕事だ。現在、日立LGデータストレージの「ファームウェアブロック」「ハードウェアブロック」「メカブロック」、それぞれのエンジニアが結集し、互いの専門性を発揮しながら開発に当たっている最中である。

大学院ではシステム情報科学を専攻していた今井。専攻分野としては、現在の仕事と直接的に関係していないが、問題の原因を抽出し、その原因のなかでも一番大きな影響を与えている要因を発見。最適な問題の解決を図っていく─── このような理系的な思考方法を活かしながら、自ら方法論を考え、先端的な技術開発に取り組んでいる。そんな今井の“強み”を大いに発揮できた、2005年の一大プロジェクトを追う。

実現すべきは、世界中の光ディスクに対応する光学ドライブ。 1
CDやDVD・Blu-ray Discといった光ディスク。何気なくドライブに差し込み、記録や再生をしている製品だが、その中には驚くような技術が詰まっている。ディスクは毎分9000回転という超高速で回転している上に、記録を読み書きするレーザーは髪の毛の幅のおよそ100分の1。正確に記録・再生するためには、超高精度の制御技術が必要になってくる。まさに、先端技術の粋が集められているのだ。

そんな光学ドライブの開発のなかで、今井の担当は「記録ストラテジ」という部分。CDやDVDは一見すると違いが見られない。しかし、メーカーなどによって表面の素材が微妙に異なっており、記録・再生時に調整を行なわなければ、正しく作動しないのだ。

メーカーが作る光ディスクごとに調整をしなければならないため、仕事量は言うまでもなく膨大。日立LGデータストレージは全世界に製品を出荷しているため、あらゆるディスクに対応できなければならない。グローバルに展開しているからこそ大切な「どんな光ディスクでも対応できる」という製品を実現するのが、今井の役割なのだ。

最高水準の高速ドライブを開発する。それが、今井のミッションだ。 2
今井は入社以来一貫して、記録ストラテジに携わってきた。入社後の2年間、先輩のエンジニアが指導員として付くのが同社のスタイル。その期間に必要となる知識を吸収し、実践的な経験を積んだ。あわせて、ファームウェアやメカといった他分野のスペシャリストと協力しながら、常に先端となる製品開発のプロジェクトに参加。光学ドライブの開発に対して、知識を深めながら、次世代の光学ドライブを生み出してきたのだ。そんな経歴と実力が買われて、2005年、今井はこれまでにないプロジェクトを任された。

それは、16倍速という当時では非常に高速な光学ドライブの開発プロジェクト。おおよその仕組みは完成しており、あとはどのような光ディスクでも記録・再生できるよう調整するという部分が残されている状況だった。約3年ほど、記録ストラテジを専門的に手がけ、それなりの経験を積んできた今井。「自分を信用してくれて、重要なミッションを任せてくれたのか…」。彼は新たなプロジェクトに意欲を燃やした。

予想以上の仕事量と短い開発期間。はたして、出荷に間に合うのか… 3
さっそく、仕事にとりかかった今井。だが、そのミッションは予想以上に困難なものであった。まず、すべてを任されているため、全工程を一人で手がけなければならない。しかも、出荷の日程は決定しており、今井に与えられた時間は2ヶ月ほど。通常であれば、3ヶ月はほしいところであったが…状況が、それを許さなかった。

各メーカーの光ディスクに対応したストラテジを開発する。そう一言でいっても、その枚数は40〜50ある。しかも4倍速・8倍速・16倍速という具合に、各スピードごとにもストラテジが必要なのだ。開発すべきストラテジは、今井の限界を超えていた。

「やばい、普通の方法で進めていたら、出荷に間に合うかどうか…」。メーカーとして、出荷のタイミングを遅らせてしまうのは致命傷だ。会社全体の信頼をも失いかねない。もちろん、今井はことの重大さを認識していた。冷や汗をかくほどのプレッシャーが彼を襲う。「焦っていても、物事は前に進まない」。今井は学生時代からそうしてきたように、現状を見つめなおし、問題の原因を分析。適切な解決策を必死に考え続けた。

入社2年目の自らの研究成果。それが、現状を打開する鍵になった。 4
普通に開発を進めていたら、間に合わないことは明白だ。だとしたら、従来にはない方法論を考え実践するしかない。いろいろと試行錯誤していくなかで、今井はあることを思い出す。それは、今井自身が入社2年目の時に発表した研究成果だ。その内容は、各メーカーの光ディスクを分析し、それぞれのパターンを抽出すると、大きく3つのグループに分類できるというもの。そして、各グループごとにベースとなるストラテジを作ることで、あとはわずかな調整だけで開発が可能となる。つまり、工程を短縮できるのだ。

「よしっ、あの時の研究成果を実践に移してみよう!」。今井は、さっそく各メーカーの光ディスクのパターンを分析してみた。すると、やはり大きなグループ分けができたのだ。「これはいけるかもしれない!」。勢いに乗って、基本となるストラテジを開発。これもうまくいった。あとは、それぞれのチューニングを行なえば───

結果、とうてい間に合うはずはないと絶望しかけていたプロジェクトは、見事に2ヶ月以内で完了できた。あらゆるディスクに対応可能な記録ストラテジを、今井一人で開発し切ったのだ。

エピローグ
作り上げたストラテジを搭載した、新たなドライブは製品テストにも耐えて世界中に出荷。PCをはじめ、さまざまなメーカーの製品に利用された。自らの技術力の限界に挑戦し、その壁を乗り越え製品が完成。大量に生産され、全世界に広まっていくのが、日立LGデータストレージならではの仕事の醍醐味である。

自分の手がけた製品が、ワールドワイドなネットワークを通じて送り出されていく。今井もそのダイナミックなビジネスに参加することで、言いようのない達成感を味わうことが多い。現在も、今井は将来のスタンダートとなるようなドライブの開発に、日夜打ち込んでいる。技術の進化と共に、今井自身の進化も続くのだ。
手がけた光学ドライブは、世界中のPCなどの製品に活かされる。モノづくりの醍醐味を実感できるステージです。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学・大学院ではシステム分野を専攻。課題のもととなる要素を洗い出し、なかでも一番大きな影響がある要素を抽出。解決の糸口を探っていくという思考のプロセスを身につけ、現在の仕事にも活かしている。
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