メーカー(化学・ゴム) / メーカー(半導体・電子・電気部品) / メーカー(インテリア・建材・住宅設備)
最終更新日: 2007/11/19
(マークの説明)
株式会社寺岡製作所(東証二部上場)
準備シート
活動履歴
ラインの「癖」を見抜き新生産ラインの立上げを完遂した、機械システム構築のプロ。
技術系−製造技術開発・生産管理
研究開発本部 生産技術研究部 メカトロシステム2課
大塚 崇裕
(30歳)
| Takahiro Otsuka
入社9年目 / 工学部 機械システム工学科 出身
2000年入社。「知らない業界に就職したほうが面白そうだ」と企業を探す中、寺岡製作所と出会う。粘着テープといえばガムテープとセロハンテープしか知らなかったが、「意外と特殊な機械の設計ができそうだ」と入社を決める。以来、生産技術研究部に所属。
粘着テープメーカーの寺岡製作所。製品ラインナップは布テープに代表される梱包用をはじめ、電子部品用、工業用など800品種。
大学で機械システム工学を学んだ大塚は、粘着テープの特殊性に興味を持ち、入社を決めた。
先輩社員の指導を受けながら、測定器や試作機の設計・改良などを通して基礎技術を学んだ。800品種もの特殊性能を生み出す機械の奥深さにますます惹かれた。
そして入社5年目、大塚は新しい塗布ライン構築のプロジェクトに参加することになった。塗布ラインとは、粘着テープの基材となるフィルムや布に粘着剤を塗り、乾燥させて巻き取る、粘着テープ生産の基本工程である。プロジェクトは生産量拡大を目的とした、久しぶりの大型投資だった。
年末、大塚は上司から指示を受ける。
「来年の2月から6ヶ月間、新ライン構築の現場を取りまとめてくれ」。
「わかりました!がんばってきます」。
一緒に働く先輩たちから、「現場は勉強になる。実践には工場が一番だ」と聞いていた大塚は、喜んで返事をした。
こうして、大塚の「知らないことだらけ」の6ヶ月がスタートした。
現場には、予想外の仕事が――設計に没頭していた時とはまったく違う毎日。
2005年2月。大塚は、北風の中で指示していた。
「ハイ、ぐるーっと廻って、奥の空き地に車を停めてください」。
大塚が派遣された工場は工業団地の中にあり、100人を越える社員は皆、車で通勤している。機械搬入のトラックが通る道と駐車スペースを確保するため、社員に車の移動を頼んでいるのだ。
「まさか、トラックが通るスペースを確保することまで、仕事のうちとはなぁ。こんなことで現場の作業が遅れるのはまずいぞ」。
すると、今度は設備業者の担当から声をかけられた。
「大塚さん、今補強しているところ、アンカーの150mm使ってもいいですか?」。
「150mmですか?…少し待ってください」。
大塚はそばを通りかかった社員にスペースの確保を頼むと、自分のデスクへ急いだ。
「基礎の深さは、何ミリあるんだっけ?」。
新ライン構築はプラント建設と言えるほど大規模な工事になり、土地の基礎から補強する部分が出るのだ。
建設とはまったく無縁の仕事をしてきた大塚は、アンカーの施工方法や種類を調べ、判断した。
「すみません、遅れちゃって。150mmを使ってください」。
担当者は、当たり前だ、という表情でうなずくと、作業を続けた。
数百メートルにもなる長い工程は、複数の機械がつながってひとつになる。スケジュール調整の相手は、機械メーカーや建築施工業者・電気設備業者など多岐にわたる。決して楽ではなかったが、社内で機械システムの設計に没頭していたときには経験できなかったそれらの仕事一つ一つを、大塚は楽しみながらこなしていた。
「まだこんなに知らないことがあったんだ」。毎日が新しい発見の連続だった。
機械は試運転のたびにエラー続出。なぜうまくいかないのか?
「ここ、うまくいかないな…」。
機械設置の立会いでは、試運転をして作動状況の確認を繰り返す。
機械がひとつ、またひとつと設置されるたびに、電気設備担当の同僚と試運転するが、それはエラーの数を数えているようなものだった。
テープの塗布工程は、何もついていないフィルムの巻物が細く、反対に、粘着剤を塗ってできあがったテープを巻き取るほうが太くなっていく。テープをピンと張った状態で巻き取らないと、シワが入ってしまう。張力を維持するようコントロールしているのだが、制御に微妙な食い違いが生じているのだ。
何度検証しても原因解明の糸口すらつかめないまま、時間だけが過ぎていく。
焦る気持を抑えながら、大塚は「ちょっとココは中断して、次の機械を見ようか」と腰を上げた。
エラー解決のヒントを思わぬところから拾う。ラインの「癖」が見えてきた。
大塚には、「仕事は楽しくやろう」が口癖の先輩がいた。
どんな気持ちでやっても、仕事は変わらない。それなら、楽しくやろうというのだ。
隣の機械を試運転することで、気分が変わると考えた大塚は、スイッチを入れてみた。
すると、思わぬきっかけをつかんだ。どうやら複数のエラーが連鎖して発生しているらしい。ひとつのエラーに集中していたために気付かなかったが、これで解決の糸口が見つかった。
「やった!これで遅れを取り戻せる」。
試運転とエラー検証を何度も繰り返すうちに、このラインのもつ「癖」が見えてきた。長いラインの入口でエラーが多発した時は「6ヶ月間で立ち上げなんて、ムリだ」と思ったが、半分を過ぎる頃には、原因の目星がつくようになっていた。それぞれの機械の基本仕様に加え、ラインスピード、乾燥効率、巻き取りと繰り出しのバランスなどを把握して、頭の中でシミュレーションできるようになったのだ。
一つ一つの機械が示す数値が正しくても、複数の機械の集合体だからこそ起きてしまうエラーがある。
大塚はそれまでの経験と感覚をもとに予測を立て、エラーを解決した。
タイムリミットまで2週間。最終確認の結果は…。
トンネルの先に光が見えてきたのは、タイムリミットの6ヶ月まであと2週間だった。
「よし、最終確認。全ライン一斉に動かしてみよう」。
電源が次々とオンになり、機械が駆動する。大塚はライン沿いを早足で歩いた。フィルムが機械に飲み込まれ、粘着剤が塗られて乾燥炉に入る。ラインの最終段階で出てきたテープは、まっすぐに張られて芯に巻き取られた。
「やった!」。
その後、本格的に新ラインが稼働を始めた。
大塚は万一のトラブルに備え、さらに1ヶ月ほど工場に残った。順調な生産ができるようになったのを見届けて、新たな仕事のため東京へ帰った。
「新ライン立ち上げ、おつかれさま。よくやったな」。
東京へ戻った大塚に、先輩社員が声を掛けた。
想像していなかった多くの仕事に苦労したが、振り返ってみれば全てが糧となった。
「いろいろ勉強できたから、もう少し長く工場にいたかった。プラント作りには土木建築の知識も不可欠と知ったので、今後はその分野も含めて幅広く勉強したい」と話す大塚の強みは、「もっと知りたい」という好奇心だ。
自分の成長が会社の成長にもつながる―――そう信じているからこそ、大塚はいつまでも向上心を忘れない。
現在は生産ラインの効率化検討などを手掛ける大塚。「チャンスがあればいろんなところへ行ってみたい」と意欲的だ。
大のクルマ好きで、学生時代から専門書を見て分解やカスタマイズをしていた。今の仕事でもエラー原因解明のために分解をいとわないのはこの経験が活きているからだ。
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準備シート
活動履歴
株式会社寺岡製作所(東証二部上場)
【理系】
1位
/
デジタルアーツ株式会社
2位
/
株式会社コスメディア
3位
/
JTBグループ
4位
/
株式会社タイカ
5位
/
株式会社エムアンドアール
【文系】
1位
/
カテナ株式会社(東証2部上場)
2位
/
千代田電資株式会社
3位
/
新明電材株式会社
4位
/
日本システム技術株式会社(東証二部上場)
5位
/
フローバル株式会社(旧:岡田産業株式会社)
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