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最終更新日: 2007/11/15
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プロの仕事研究
営業の取材力向上を図り、福岡支社の業績向上を支援した広告制作のプロ。
専門職系−クリエイティブ職
メディア開発部
山内 基 (29歳) Motoi Yamauchi
入社6年目 / 関西学院大学 出身

プロフィール
2003年4月、入社。新卒で採用されたコピーライター職の一期生。同年8月、大阪支社へ異動。2004年5月、入社2年目で福岡支社の立ち上げメンバーに抜擢され、制作部門の責任者に就任。この年、社内で開催されるクリエイティブコンテストで優勝。2007年11月からは本社制作部門のグループマネージャーを務める。

プロローグ
2006年初頭。オフィスのホワイトボードに目を向けた山内は、眉をひそめていた。
「このままじゃダメだ…掲載社数が伸び悩んでいる」。
2004年5月に立ち上げメンバーの一人として福岡支社に赴任した山内は、制作部門の責任者として危機感を抱いていた。

支社開設から2年間、東京本社および大阪支社での勤務時代に培った求人ノウハウを駆使しながら一心不乱に求人原稿をつくってきた。営業メンバーの増員と共に上昇する受注件数。掲載社数も順調に増加の一途をたどっていった。
「このまま順調に社数は増えていくだろう」。山内をはじめオフィスの誰もがそう思っていた。

――しかし福岡支社は、“掲載社数が頭打ち”という事態に陥ってしまったのだ。
受注件数はけっして少なくなかったが、掲載が一度きりのクライアントが多く、継続的に利用いただく割合が極端に少なかった。そのため支社全体の掲載社数は小刻みな上下動を繰り返すだけで、ある一定のラインを上回らなくなっていたのだ。

「みんな頑張っているのに、なぜ…」。山内はオフィスに漂う不安を感じていた。

掲載社数が伸びない理由を探る 1
「これが、新拠点立ち上げならではの壁なのか…」。

山内は痛感していた。支社開設から2年が経ったとはいえ、九州での『[en]社会人の転職情報』の知名度はまだまだ低く、掲載してもクライアントが満足できる採用効果がなかなか出ない。これが継続掲載を受注できない原因のひとつだった。

もうひとつの原因は営業活動にあった。継続掲載を受注できないその分は、新規開拓で補っていく必要がある。そのため営業の誰もが、いつしか新規の受注活動のみに専念するようになっていたのだ――。だが、エン・ジャパンでは、営業が取材・撮影の役割を担っているため、採用効果の高い求人原稿を作成するには、営業活動に加え、取材力を高めることが問われてくる。

山内は「今一度、取材にこだわる風土をつくる必要がある」と感じていた。そこでまず、営業それぞれが取材をどう考えているのかアンケートをとってみることにした。

「どうしたら効果の出る原稿がつくれるのかわからない」 「取材が苦手なんです…」――。
回答用紙にはそれぞれの悩みがつづられていた。採用効果の出にくいマーケットの中で、営業は取材に自信をなくしていたのだ。

「取材が苦手」という事実。全3回にわたる勉強会の開催を決定 2
求職者に伝える情報として、正確・詳細な採用情報は欠かせない。転職希望者は、まず応募資格をみて自分が応募できるかどうかを判断する。そして応募できることがわかれば、仕事の内容、給与や賞与の有無、休日制度を確認した上で応募を決定する。高い採用効果を実現するには、このように求職者側の立場に立った思考プロセスを踏まえた取材が大切であることを、あらためて定着させる必要がある。そしてそれが原稿に対するこだわりにもつながると独自に考えた山内は、営業向けの勉強会を行なうことを決意した。

「営業が帰社するのは、だいたい夕方以降。みんな商談で疲れている」。「短時間でわかるように内容をコンパクトにして、翌日からすぐに使えるような内容にしよう」。そんな気くばりも交えながら通常の原稿制作と並行して、山内は勉強会で用いる資料を作成していった。そして2006年2月某日。第1回目『応募資格』についての勉強会の幕が開けた。

採用効果の高い原稿をつくるためには、取材力を高めることが必要 3
「求職者の視点に立って考えてみて、まずどの項目を確認すると思う?」

応募資格は転職希望者の大部分が最初に目にするところ。だからこそ、どんなスキルや経験をもつ人材を求めているのかが、具体的に伝わる内容にしなければならない。山内は求職者の視点に立った応募資格の設定が、いかに採用効果の高い原稿につながるのかを伝えていった。

翌々週に開催した第2回目『仕事内容』についての勉強会では、入社後の自分がどんな風に働いているのか、そのイメージが見えにくい仕事内容では良い効果につながらないということを。そして最終回『データ』についてでは、待遇や休日・休暇の具体的な金額や日数を明らかにすることの大切さに加えて、事前にヒアリングする項目を書き出して取材に臨むことの重要性を伝えた。

営業が山内のもとに相談にくる機会は増え、時にはマンツーマンで取材のノウハウを教えることもあった。その際、山内は相談のたびに、求職者の視点に立つことの重要性をあらためて説くようにした。

――勉強会終了から数日が経った頃、営業それぞれの表情からは、取材に悩んでいたかつての不安は消え去っていた。
「きっと原稿に対するこだわりは強まったはず。これからは採用効果の高い原稿を、どんどん発信していけるだろう」。
山内はそんな手応えを感じていた。

「山内さん!受注できました」。次々に届く営業からの喜びの声 4
「山内さん。聞いてください!また受注できました!」。

ひときわ明るい口調で山内に報告に来るひとりの女性営業。彼女はかつて、「クライアントの担当者を前にすると緊張するばかりなんです…」と嘆いていた。しかし勉強会参加後からの成長は目覚しく、取材で得た情報はどれも的を射ており、クライアントが求める人材に響く求人原稿をいくつも発信することができたのだ。これは彼女に限ったことではなく、その他の営業からも続々と喜びの声が山内のもとに舞い込んできた。

採用効果の高まりと共に再掲載依頼も数多く寄せられるようになり、掲載社数は徐々に増加。さらに取材力の向上により各営業の商談時の提案力も強化され、新規の受注件数も日を追うごとに上昇。福岡支社が扱う求人広告の掲載社数は着実な伸びをみせ、同時に九州在住の会員数もその数を増していった。

エピローグ
山内が主催した全3回の勉強会の内容は現在、福岡支社の新入社員育成にも活用されている。早い段階で取材のコツをつかんだ新人営業たちはそれぞれ、取材力が向上することで商談時のヒアリング力や提案力も高まり、結果的に「売れる営業」へと成長しているのだ。実際に山内の勉強会で多大な影響を受けた女性営業は、西日本で新規受注件数第1位。顧客満足度第1位という結果を残している。

自らがもつ求人広告のノウハウに裏付けられた応募効果を生みだすポイントを共有することで、新規顧客の開拓と既存顧客の定着に貢献した山内。制作部にいながら、営業部門の業績拡大に現在も陰ながら寄与している。
後輩コピーライターの育成では、「取材情報をそのまま使わず、転職希望者に本当に必要か判断した上で活用しよう」と伝えている。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
テレビ局でのAD経験、海外旅行で強盗に遭い一文無しになった経験を通じて、決して諦めない忍耐力を身につける。同時に、何事もポジティブに捉えることの大切さを学んだ。いかなる局面に際しても、冷静かつ前向きに最善の策を講じるという考え方は、学生時代にすでに熟成されていたのだ。
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