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最終更新日: 2007/10/01
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プロの仕事研究
人を育て、人に育てられる喜びをかみしめた、店舗マネジメントのプロ。
営業・販売系−販売スタッフ・サービス
「にこぱ」新鎌ヶ谷店 サブマネージャー
伊藤 賢二 (28歳) Kenji Ito
入社4年目 / 早稲田大学 出身

プロフィール
学生時代から、楽しいことが大好き。友人と出かけた公園で、子どもたちと遊んで仲良くなることも。「お兄ちゃん!」と足に抱きつかれた時は感動。エンターテイメントや子ども教育への興味がきっかけとなり、新卒で東海ランドに入社する。現在、千葉県鎌ヶ谷市の店舗でサブマネージャー。新店舗での店長昇格が決まっている。

プロローグ
「お前をキライなヤツなんて、おらんやろな」。

アピールポイントは、人当たりのよさ。人の相談に乗ったり、愚痴を聞くことも多い。誰とでもうまくやれる、気のいいヤツ。友人は、伊藤をそう評価する。学生時代は、仲間とつるんでバカなことをたくさんやったものだ。

特技は、楽しむこと。楽しいことを、考えること。友人と公園に出かけると、そこにいた子どもたちといつの間にか仲良くなり、一緒に遊んだりする。伊藤が考えた遊びに、子どもたちも大盛り上がり。「お兄ちゃん!」と駆け寄り、足に抱きつく子もいた。

人と人とをつなぐ、楽しい空間づくりをしたい。これが、志望動機。エンターテイメントや子どもの教育に強い興味を抱いていた伊藤は、東海ランドに入社を決めた。入社3ヶ月で、店舗のサブマネージャーへ。面白いイベントをどんどん企画し、“めっちゃ楽しい”店舗にしよう。仕事でたくさん実績をつくり、いずれは新規事業の立上げを任されよう。将来を想い、意気揚々とする伊藤の前に、壁が立ちはだかった。

スタッフに、敬語を使ってしまうサブマネージャー。 1
「企画力だけでは、楽しい店舗はつくれない」。

サブマネージャーになった伊藤は、すぐそれに気がついた。楽しい空間づくりは、スタッフ全員のチームワークがあってこそ。どれだけ企画力があっても、仲間の協力がなければ、思いついたアイデアは、ただの絵に描いた餅だ。

人当たりが良く、穏やかな性格の伊藤。しかし職場の人間関係は、友だち付き合いとは違う。社歴が浅い自分に比べ、明らかに仕事ができるアルバイトスタッフが、ある日突然部下になる。「立場からすると、自分は上司。でも、社歴は断然負けている…」。引け目を感じ、接する時は思わず敬語に。しっかりしないと、示しがつかない。

ただのいいヤツじゃダメ。働くスタッフを育て、成長させてこそ店舗運営のプロ。でも人は、自分の思うようには動かない。たとえば、同じ店舗で働く21歳の女性スタッフ。面白い話をふっても、いまいち乗ってくれない。いつも一歩ひいている。ちょっとした仕事のミスも多い。どう接すればよいか、正直分からなかった。

上司に手渡された、一冊の本。 2
「いきなり壁にぶつかった感じです」。

人と向き合うのって、カンタンじゃない。伊藤は、肩を落とした。学生の時なら、友だちとふざけあって気晴らししただろう。就職し、そんな仲間とは距離が離れた。

友だちはもう、近くにいない。しかし、上司が近くにいた。同じ店舗で働く、マネージャーの村田。4歳年上の男性社員。上司だから、確かに厳しいところもある。でも、話をよく聞いてくれる。スタッフからの人望も厚い。

伊藤の悩みに、耳を傾けるマネージャー。「これが参考になるんやないか?」。数日後マネージャーから、伊藤は一冊の本を手渡された。レジャー業界で大成功を収めている、世界的に有名なある企業の人材育成について書かれていた。

自宅でひとり、伊藤はページをめくる。マネージャーの顔を、時々思い出しながら。人は信頼され、任され、仕事をやり遂げることで、成長していくもの。その一節に、伊藤はピンと来た。そうだ、それをやろう。さっそく明日から。伊藤は、少し胸を張った。

彼女のチカラを信じよう。 3
「好きなモノ? うーん、お菓子かな…」。

いつもは口数が少ない、21歳の彼女。ちゃんと話すのは、今日がはじめてかもしれない。良い人間関係づくりの基本は、相手を知ること。彼女が好きなものは…。彼女が得意なことは…。そしてそれが、仕事で活かせているか…。今までそういうことを、しっかり考えてあげていただろうか…。

好きなモノはお菓子。得意なことは飾りつけ。彼女はそう言う。それなら、と伊藤は思いついた。お菓子といえば、店内にあるスイートランドというゲーム機。売上の高い人気機種だ。彼女をその責任者にしよう。台の設定やお菓子の補充など、売上に直結することまで、ぜんぶ任せよう。いや、待てよ。正直言うと、ちょっと心配。本人には荷が重いのでは。迷ったが、結局決めた。彼女は今日から、ウチの「スイート隊長」だ。

「え〜、スイート隊長〜?」。彼女は、なんだか恥ずかしそう。最初はうまくいかなくても、大目にみるのが上司の役目。彼女のチカラを信じよう。そう思っていた伊藤に、予想外の展開が待っていた。彼女の急成長がはじまったのだ。

最大の変化は、コミュニケーション。「伊藤さん、ゲーム機の中に入れるお菓子の種類を変えていいですか? もっと売上を上げたいから」。「お店の中でゲーム機がもっと目立つように、ディスプレイを変えたいんですけど…」。以前は、自分から人に話しかけることがあまりなかった彼女。今は自分の考えを話し、自分から動くスタッフになったのだ。

驚きの1位と、彼女の涙。 4
「こんなに売上上がってるよ!スゲエなあ〜」

彼女が担当するスイートランドの売上は、もちろんアップ。ほめられ、照れ笑いする彼女。「なんかアイツ、変わったな」。仲間も、ちゃんと気づいている。接し方を変えるだけで、人ってここまで変わるのか。伊藤は、スタッフマネジメントの大切さを知った。

彼女にはむしろ、ありがとうと言いたい。彼女のおかげで、成功体験を積めた。でもちょっと待って。ありがとうを言いたい人が、もうひとり。彼女はこんなに成長したんですよと、伊藤はマネージャーに少々興奮気味に報告した。笑顔をうかべながら、話を聞いてくれたマネージャー。成功体験を積めたのは、誰よりマネージャーのおかげ。あの時ちゃんと「ありがとうございました」と言えたか、よく思い出せない自分がもどかしい。

この会社に就職し、毎日いろんなことを感じ、学び、2年が経とうとしていたころ。店舗の売上が全店トップとなり、伊藤はとうとう頭角を表した。成果を認められ、他店舗への栄転が決定。新たなチャンスが到来。しかし新しい出発に、別れはつきものだ。最後の日。「行かないでほしい」と、泣いてくれたスタッフ。それは、スイート隊長を務める、彼女だった。

「伊藤さんのおかげで、自分に自信がもてるようになった。ありがとう」。

エピローグ
今は別々の店舗で働く、伊藤と彼女。今でも時々、電話で話す。「伊藤さんが異動したあとも、売上は上がってるよ!」。そんな一言に頼もしさを感じる。いつかまた、一緒に働きたい。信頼できる仲間が集まれば、最高の店舗をつくれるだろう。みんなを連れて、新店舗立上げをやるのもいい。夢は、いろいろ広がっていく。

人と人をつなぐ、楽しい空間づくり。人をあっと言わせる、まったく新しいエンターテイメントスペースをプロデュースしてみたい。社内ベンチャー制度がきっと、この夢を実現するための足がかりになる。新規事業を任されるには、もっと成長しなければ。道は険しいかもしれない。しかし学生時代の夢は、伊藤のなかで今も生きている。
スタッフと肩を並べる伊藤。プライベートの相談を持ちかけられることも多いとか。公私ともに頼れるサブマネージャーだ。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代は、放送サークルに所属。ラジオ・テレビ番組の制作を通じ、企画力、行動力を磨き、チームワークの大切さを学べたと思う。番組づくりの基本は、人を笑わせ、楽しませること。エンターテイメントについて、常に考えてきた。人に喜んでもらいたい。そのための努力は惜しまない。そんな気持ちは、今も変わっていない。
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