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メーカー(機械・工作機械・ロボット) / メーカー(コンピュータ・通信機器・ゲーム機器)
最終更新日: 2007/10/01
マンガ「プロ研」 コース別企業
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プロの仕事研究
デザイン・製造・ユーザーの視点を取り入れ、枠開発を成功させた機構設計のプロ。
技術系−機械・機構設計
商品開発部 第1G 1T(チーム)/チームリーダー
中島 茂典 (33歳) Shigenori Nakashima
入社11年目 / 名城大学 理工学部 機械工学科 出身

プロフィール
学生時代からユーザーとしてパチンコに興味を持ち、就職活動を進める中でMRDの存在を知る。同社が多岐にわたるパチンコ部品を手がけ、業界内で幅広くビジネス展開を図っていると聞き、自らの専門知識を活かして働きたいと考え、入社を決める。現在は商品開発部にて機構設計、後輩の育成・マネジメントを担当している。

プロローグ
「設計の仕事は、どこまでいっても手が離れないというか、製品のどこをとっても必ず設計に関わってくるんです。だからこそ、やりがいも面白さもあるのですが、その反面プレッシャーも大きい」。MRDで機構設計を担当する中島は自らの仕事をそう語る。大学時代に機械工学を学び、当時からユーザーとして興味を持っていたパチンコに関わる“モノづくりの仕事”に出会うこととなった。「学生時代から自分が興味のあることを仕事にしたいという強い思いがあり、MRDという会社があることを知った時は、これだと思いました」。パチンコに関わる部品を幅広く手がけているMRDに入社を決めた中島は、同社の機構設計担当として活躍することとなる。

そして、入社して3年目を迎えた中島に、ある大型クライアントの枠開発の仕事が舞い込んだ。枠とは、パチンコ台の全体を支える重要な部品。それまで枠の開発経験がほとんどなかった彼は、上司をはじめ様々な人のサポートを得ながら設計に取り組んでいく。大型クライアントの案件ということもあり、難易度が高く、プレッシャーや不安も大きかった。しかし、それ以上に同社での設計の仕事の面白さが、彼を支えたのだった。

「力のある人間でなければ、任せたりしないよ」。 1
大型クライアントの枠開発の担当を上司から言い渡されたのは、入社3年目の夏の終わりのことだった。「え、私にですか……?」 中島は思わずそんな言葉を発した。それまでにも数々の部品の機構設計を担当してきたが、枠の開発に携わった経験はまだほとんどなかった。大きな仕事を任されることはうれしいが、自分で本当に大丈夫なのかという不安もよぎっていたのだ。「力のある人間でなければ、任せたりしないよ」。戸惑いを見せた彼に、上司は力強く励ます。「……ありがとうございます!」 中島は笑顔で答えた。

上司の言葉を支えに仕事を引き受けたものの、やはりプレッシャーや不安はなかなか拭えなかった。枠の開発に携わるのは通常4〜5年の経験を積んだ先輩社員。「3年目の自分が、まだほとんど経験もないのに……」。しかし、任されたからには良いモノをつくってみせるという意気込みも大きくなっていた。「とにかく、精一杯やるだけだ!」 開発工程は、まずデザイナーによるデザイン画の作成があり、その後打ち合わせを経て実際の設計に入っていく。中島は進捗状況を確認しながら、デザイン画の到着を待った。

設計しやすいことが、モノづくりにとって大事なのではない。 2
次々と新機種が生み出されていくパチンコ業界では、1台1台の開発スピードが上がっている。そのためスケジュールもタイトになっていく。例にもれず、設計の仕事にもスピードが求められる。デザイン案が1つに絞られ、デザイン画が完成した。打ち合わせによって仕様など詳細部分をつめながら設計に取りかかっていく。設計図面が上がれば、試作、検証、量産へと開発工程は進んでいく。そして、各工程で出る問題の多くが、設計に関わってくることになる。そのため、設計には様々な角度から見た検証が必要なのだ。

それぞれの工程で、それぞれを専門に担当する社員たちが、知恵や技術を総動員して開発を行なう。デザイン担当、設計担当、製造部門など、多くの人間がそれぞれの立場からモノづくりに携わる。そして、でき上がったモノはユーザーのもとへ届けられる。「設計だけの視点でモノを見ていたら、だめなんだ」。特に今回担当している枠部品は、それを軸のようにして数々の部品を取り付けていく。そのため、他の部品を組み付ける時のことも考えながら設計を進めていかなければならない。打ち合わせを重ねる中で、デザイン、設計、製造、ユーザーといったそれぞれの立場からの意見が飛び交う。そのすべてを受けとめて設計をするべく、中島はCADを使い、マウスを走らせていた。

人を説得するには、材料と自信が必要。 3
社内での打ち合わせを重ね設計に取り組みながら、クライアントとの打ち合わせも進める。中島は、忙しい日々を過ごしていた。今回は大型クライアントのため、打ち合わせといっても会議のように関係者が大勢集まる。その前でプレゼンテーションをするのは、中島にとって正直なところ辛いものだった。「どうしてこんな設計になるんですか?」 細かい部分にまで、クライアントからの指摘が入る。しっかりと答えられるように準備はしていたが、自分よりずっと年上の人たちを前にして堂々と話すのは、なかなか難しいことだった。

そんな中島を上司がしっかりとサポートしてくれた。「人を説得するのに必要なのは、自信だぞ!」 説得材料はもちろんのこと、まだ若手である中島に必要なのは自信だと上司は伝えた。また難解な設計についても上司が回答を導き出すのではなく、まずは中島自身の考えを尊重した。たとえそれが間違っていたとしても、後で必ず何が間違っていたのかを彼が実感としてつかめるからだ。「最初から教えてくれれば良いのに……」。そう感じることもあったが、「設計変更費用も時には勉強代だ」という上司のおかげで、彼は着実に成長を遂げていった。

中島の成長と共に、開発も順調に進んでいく。 4
彼の成長と共に、タイトなスケジュールでの開発工程も順調に進んでいった。細かい部分での調整などはあったものの、大きな問題はなく無事に量産へとこぎつけることができた。しかし、量産段階でもまだ油断はできない。あってはならないことだが、ユーザーのもとに届く頃になっても、問題が出る可能性はゼロではないのだ。とはいえ、中島がひたむきに取り組んできた開発は無事に終わりを迎えようとしていた。「大変だったけど、これを乗り越えられたのは自分にとって大きな自信になったな」。かつての上司のアドバイスは、もう必要なくなっていた。

「よく頑張ったな」。上司はそう中島をねぎらった。その後彼はホールに足を運び、自らが携わった台を見て静かに喜びをかみしめた。パチンコ部品には、どんな製品の設計であっても、常に新たな挑戦が待っているのだ。そのたびに中島は、製品に求められる多様なニーズに答える設計の難しさと大いなる醍醐味を感じている。今後も彼は様々な開発に携わり、数多くの部品を世の中に送り出していく。

エピローグ
「やっぱり、自分が関わった製品が世の中に出て、たくさんの人が楽しんでくれていると思うとうれしいですね。自分自身でももちろん、毎回ホールに足を運びます」。中島をはじめ多くの社員が、MRDでのモノづくりの喜びをそう語る。そしてもう1つ、社員たちが口をそろえて語ることがある。それは上司への尊敬の念だ。中島自身が部下を持つ立場となった今、彼はかつて自分が教えられたことを受け継いでいきたいと考えている。

「社員一人ひとり、性格も考え方も違います。ほめられて伸びる人も、叱られて伸びる人もいる。しっかり彼らと向き合って、一人前に育てていきたいと思います。私自身がそうやって育ててもらったように」。
「自分がホールに行くと、ついつい周囲にあるパチンコ台を分析してしまいます。仕事を始めてから、楽しみ方が広がりましたね」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代、機械工学を専攻していた中島。「当時はドラフターを使い、実際に自分で設計図面を描いていました。今はCADというコンピュータソフトを使って2次元、3次元の設計が簡単にできるようになりましたが、学生時代に手書きで図面を描いた経験は、今の仕事でも基礎として自分を支えてくれています」。
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