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サービス(レストラン・フードビジネス)
最終更新日: 2008/01/28
(マークの説明) 正社員 文系積極採用 3年増益 株式公開
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プロの仕事研究
トリドールの理念を深く理解し、入社後の活躍を見据えた採用を行なう人材開発のプロ。
事務系−総務・人事・労務
人材開発課
尾崎 吏 (29歳) Tsukasa Ozaki
入社2年目 / 大阪産業大学 経営学部 経営学科 出身

プロフィール
大学卒業後、某大手カフェチェーン店に入社。アルバイトの採用・育成で手腕を発揮し、3店舗を統括するマネージャーとして活躍。一度は保険会社へ転職するが、再び飲食業界で働くことを希望。手間ひまをかけてでも本物の食を提供するというトリドールの考えに共感し、2007年1月に入社。現在、採用担当として活躍中。

プロローグ
3年連続、売上伸長率130%以上を記録。2006年に株式上場を果たし、その成長性がメディアからも注目されているトリドール。「家族みんなで美味しい食事が楽しめる店」という創業以来変わらぬコンセプトを神戸から関西全域へ、関西から全国へ、着々と広めている。2007年度の新規出店目標は60店舗。上半期だけですでに35店舗の出店に成功。組織の拡大を予測して人材を採用・育成することが経営上の重要項目となっていた。

今回紹介するプロ・尾崎は、人材開発のコアメンバー。成長著しいトリドールでは新卒者と並んで転職者の採用にも力を入れており、尾崎は中途採用業務全般を担当していた。求人広告の出稿、面接の実施、面接報告書の作成、入社受け入れ準備…と、目の回るような毎日。だがその一方で、なかなか応募者を採用に繋げることができずにいた。

そんな尾崎に上司が発した一言。「尾崎くん。私はトリドールを理解し、活躍してくれる人を採用したいんです」。
「じゃあ、どんな人ならいいんですか!?」と声を荒げる尾崎。
「どんな人ならいい、とかじゃなくて。あなたはどう考えてるの? この人は本当にトリドールで活躍できる人材なの? どうなの?」。

和やかな雰囲気。スムーズな会話。面接は上手くいっているかのように見えた。 1
「面接にお越しいただき、どうもありがとうございます!」。
「志望動機は飲食業界に興味があるから…ということで。私も飲食の仕事が大好きなので、気持ちはわかりますよ!」。
尾崎の面接は、終始和やかな雰囲気で進むのが特長だ。内気な応募者も、面接が終わるころには笑顔で談笑。『応募者に喜んでもらいたい』。それが尾崎のモットーだった。なぜなら、限られた時間の中で応募者のことを知るためには、できるだけ場を和ませて、“その人らしさ”を出してもらうことが必要だと考えていたのだ。

相手の本質を見抜く洞察力は、採用担当者にとって不可欠な能力のひとつ。そして尾崎の洞察力は上司も認めるほどのものだった。実は以前、尾崎は某カフェチェーンで店長をしており、大勢のアルバイトと接する中で洞察力を磨いてきたのだ。その経験を買われ、トリドールでは人材開発課へ配属。1ヶ月も経たないうちに一人で面接を任されるようになっていた。

僕がやっているのは、採用活動じゃない!? 2
「尾崎くん、ちょっといい?」。上司の手には、尾崎が先ほど提出した面接報告書が握られていた。
「今回の応募者の志望動機は何? この報告では、よくわからないんだけど」。
「え? 飲食業を志望されてるって、書きませんでしたっけ。接客に向いてる、いい方ですよ」と尾崎。
「なんで飲食業なの? 接客が好きなの? 接客のどんなところが、何で好きなの?」と上司。
――尾崎は、上司の質問に答えることができなかった。面接は終始、いい雰囲気だった。応募者の方も、いい方だった。しかし、何がどう“いい”のか、具体的な言葉で上司に報告することができなかったのだ。

その後も、上司からの指摘は続いた。尾崎が書いた面接報告書をもとに、「これは?」「なんで?」と次々に飛んでくる質問。答えられない尾崎。そんなやりとりが日常となりかけたある日。上司はふぅと短い息をはき、落ち着いた口調でこう言った。
「ねぇ、尾崎くん。私はトリドールを理解し、活躍してくれる人材を採用したいんです」。
「じゃあ、どんな人ならいいんですか!?」と思わず声を荒げる尾崎。

そして返ってきたのは、意表をつく答えだった。
「どんな人ならいい、とかじゃなくて。あなたはどう考えてるの? この人は本当にトリドールで活躍できる人材なの? どうなの?」。

採用するということは、応募者の人生と会社の将来を変えるということ。 3
尾崎は、これまでの面接を思い返してみた。「接客に向いている」や「意欲が高い」など、人を見ることはしていた。しかしそれは、事実を事実として切り取っているだけ。『相手を知るのは最初のステップ。その上で、本当にトリドールで活躍してくれる人なのかどうか、ということか』。合否を決めるということは、応募者の人生を左右すること。さらにその人材の活躍によって店舗の経営も変わってくる。つまり、会社の将来をも左右する決断をするということなのだ。自分の言葉は、トリドールの言葉。自分の決断は、トリドールの決断。採用を任されていることの重みを、尾崎は全身に感じた。

“いい人材”は、たくさんいる。しかし、“トリドールにとってのいい人材”とは何なのか――。尾崎は面接を重ねる中で、その答えを探していった。トリドールの特長は手づくり感・できたて感にこだわった料理と、家族みんなで楽しめる温かい雰囲気。これらを実現するには“生きたサービス”が必要になる。しかし実際にサービスを提供するのはパートやアルバイトであるため、彼らにトリドールの考えを浸透させるのが社員のミッションとなるのだ。
『トリドールが必要としているのは、トリドールの理念を体現できる人』。
『入社する方には、絶対に活躍してほしい』。
『そのためにはトリドールの理念と、応募者の考えが、ピッタリ合わなければならない』。

自分は「採用担当者」じゃない。「トリドールの採用担当者」なんだ。 4
「なぜ、トリドールを選んだんですか?」。
「失礼ですが、その志望動機でしたらうちじゃなくても実現できるのでは?」。
「前の職場で感じた不満を、もっと詳しく教えていただけませんか?」。
――尾崎の面接は、変わった。以前は応募者への気づかいから、オブラートに包んだ物言いが多かった。しかし今は、本音が見えるまで聞きたいことはとことん質問するようになった。と同時に、トリドールの理念を深く理解してもらうために、トリドールのすべてをさらけだした。『トリドールに入社して活躍してもらいたい』。それが尾崎の新しいモットーになったのだ。

ある日の合否ミーティングでのこと。ホテルのレストランで働いていたという応募者の合否が議論された。
「ホテルとうちの店とでは、まったく仕事内容が違うよ。入社して大丈夫?」という上司に対し、
「確かに、そうです。しかし、この方は考え方が素晴らしいんです」と尾崎が反論。
「この方が一番大切にしている考えは“お客さまに喜んでもらうこと”で、まさにトリドールの考えと同じです」。
その後、応募者の入社が決定。一人の転職者が新しい職を手にし、トリドールは新たな戦力を迎えることになった。

エピローグ
トリドールでは今も、新規店舗オープンに向けた計画が同時進行で動いている。そして組織の成長スピードに合わせて尾崎は今日も、募集時期の検討、応募者のフォロー、面接、説明会の準備…と、忙しいスケジュールをこなしている。もちろん、ただ人を採用するためではない。「トリドールに入社して活躍できる人、つまりトリドールに入社することで幸せになれる人」を採用するためだ。自らの仕事が、転職者の人生、会社の経営に深く関わっているという事実を尾崎は知っている。

――あの日、尾崎が推薦して入社が決まった応募者は入社後すぐに頭角を現した。わずか8ヶ月でマネージャーに就任。マネージャー就任最短記録を更新した。
「自分が採用した方が、活き活きと働いている。その様子を見るのが、何よりのやりがい」と尾崎。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
避けられない事情により大学1年の単位をすべて放棄。翌年に2年分の単位を取るため、朝の9時から18時までずっと授業に出て、夕方からは3つのアルバイトで生活費を稼ぐ日々。1日の平均睡眠時間は約3時間だった。しかし『辛いときこそ頑張れ』と言い聞かせ無事卒業。この経験が、困難を乗り越える強さとなっている。
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