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メーカー(家電・AV機器) / メーカー(重電・産業プラント) / メーカー(コンピュータ・通信機器・ゲーム機器)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問 老舗 株式公開
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プロの仕事研究
チーム一丸となって顧客企業から求められるFAシステムを提供する、営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
関西支社産業システム部 産業第一グループ/主任
梶田 祐嗣 (30歳) Yuji Kajita
入社8年目 / 商学部 出身

プロフィール
入社後、関西支社産業システム部に配属。主に製造業の顧客に対し、日立の製品や重電に関するトータルなシステム提案を行う。とりわけ鉄鋼業、非鉄金属の工場におけるFAシステムの提案営業で手腕を発揮。業界全体の動向と設備投資計画を素早くキャッチし、顧客ニーズに合致したプランニングを行っている。

プロローグ
形あるモノを扱うことで社会に貢献したいと考え、メーカーに絞った企業研究を行う中で、梶田は日立製作所に興味を持った。というのも家電メーカーのはずなのに、一般コンシューマ向け製品の占める割合が想像以上に低かったのだ。「じゃあ、この会社は他に何を売っているんだろう?」。調べてみると、社会や産業を黒衣(くろこ)的に支えている姿が浮かび上がってきた。世の中を便利にするような製品がずらりと梶田の目に飛び込んできた。家電はその一部にすぎなかった。「自分のアイデアや企画力とこれらの製品ツールをうまく組み合わせれば、世の中をもっともっと便利にすることができる!」。梶田はこうした想いを胸に、日立製作所に飛び込んだ。

配属されたのは産業システム部。ここでは特定の製品を販売するのではなく、顧客である製造会社の工場が何をどうやって製造しているのかを充分に把握した上で、求められる広範囲な製品やシステムを提案する。配属後に、梶田は指導役でもある主任に同行してメーカーを訪ねるが、何の話をしているのか全く分からない。落ち込む梶田を見て主任はある行動に出た――。

日立が顧客から信頼される理由。 1
その日も主任に同行してメーカーに赴いた。しかし商談する気配はなく、突然主任は工場担当者に「新人のために工場内を見学させて欲しい」と申し出たのである。担当者は快く申し出を受け、梶田らは工場建屋の中を歩き出した。自分のために時間を割いて工場を見学させてくれていることに、梶田は日立とメーカーとの強い絆を感じずにはいられなかった。様々な設備について説明を受けるが、その大半が日立の製品であることに驚いた。中でも常温で鋼板を要求厚に圧延する日立製の機械設備には感心した。「これは世界最速なんですよ」。何気なくそう話す担当者の顔に、日立への大きな信頼が感じ取れた。世の中の構造物の原材料となるものを製造する仕事をしっかりと支えている。まさに黒衣とはこのことなんだと梶田は実感した。

この日を境に梶田は変わった。工場を見る目が違ってきたのだ。営業先の工場では何が製造されていて、どんな設備が稼動しているのか。好奇心が湧いてくると、主任が進める商談も理解できるようになってきた。そんな梶田を見て、主任は受注した設備の納入を任せるようになっていった。工場設備は納入までの調整が大変だが、それが次への大きな足掛かりとなるのである。

もしも他社製品にリプレイスされれば、40年間の信頼関係が失われる。 2
入社3年目のこと。取引先の製鉄所からの連絡を受けて梶田は担当者を訪ねた。40年ほど前に日立が納入した、1000℃ほどに加熱して真っ赤になった鋼の塊を薄く延ばしコイル状にするための圧延設備用の電気設備を更新したいという引き合いだった。装置を駆動させる大型モーターとそれを制御するインバーター装置を含めたFAシステムを入れ替える案件。顧客設備関係者にしても主力設備の入れ替えであるため、できることなら日立で再度納入してもらう方がリスクは少ないと感じている。というものの、巨額な設備投資となることから顧客資材関係者は他社参入の可能性もうかがわせていた。もしも他社の製品やシステムにリプレイスということになれば、40年間の信頼関係も失われることになってしまう。梶田はそのことを最も恐れた。何としても顧客の期待に応えなければという強い想いでヒアリングを続けた。

設備を入れ替えるには、必ず裏のニーズがある。一つは直流モーターではメンテナンスに莫大な費用がかかるため、交流モーターにすることでメンテナンスフリーを実現させたいという要望が確認できた。そしてさらなる省エネと、ラインスピードをこれまで以上に上げることが必要であることもつかんだ。さっそく社に戻った梶田は、上司に報告すると共にこの案件を実現させるためのチーム編成に取り掛かった。

他社にはない、日立だけの強みとは。 3
主なメンバーが決まった。事業部の主任技師にモーター設計担当、インバーター設計担当とシステム関係のエンジニアなどが加わった。もちろん上司も、梶田の営業を見守っている。顧客設備関係者が求める要望を満たすことは難しいことではないが、最大の難問は既存システムの改造だとエンジニアたちは言った。工場では単独で動いているシステムというものは少なく、ほとんどが自動化システムで繋がっている。新しい設備を導入するということは既存システムとの連携のための諸改造が必要になるわけだ。過去に日立が納入した既存システムなのに、改造が難しいとするなら、他社にとってはさらに困難に違いない。梶田は逆にそうしたことを顧客との交渉に駆使することで、他社参入の阻止策を講じた。

引き合いから度重なる価格折衝が行われた。また顧客の様々な利害関係者から情報を入手するために何度も足を運ぶことになった。営業が取って来た情報を元に社内関係者を動かす中で、顧客や社内関係者との信頼を築くことができるという感覚を覚えた。「メーカーのビジネスの場においても、モノづくりの技術だけでなく人間としての技術が試される局面が必ずあるんだ」。見事、梶田は受注にこぎつけた。

トラブルへの対応に、日立のモノづくりの精神を感じた。 4
受注から1年後、要望に沿った設備とシステムの製作も完了し、納入作業が開始された。実は最も神経を使うのがこの部分である。というのも、僅かなチューニングミスが生じることで生産設備そのものがストップしてしまう危険性があるからだ。特に今回のような主力設備のリプレイスともなればなおさらである。もちろん梶田も立ち会って稼動を見守った。導入作業の最終日、チーム全員が見守る中、設備は順調に動き出した。安堵の表情を浮かべるチームの仲間に「お疲れさま」と声をかけて社に帰った梶田だが…。

1週間後、突然電話が鳴った。ラインが止まったというのである。「うちの設備は1時間止めると何千万円も吹っ飛んでしまう。止まるとこの設備で生産される製品を母材とする自動車用鋼板への影響もあるんだ」。電話口からは担当者の怒りの混じった悲痛な声。梶田は担当者に早期復旧を約束し、すぐに関係者を集め工場へ向かった。そこで顧客側と日立側関係者との復旧に向けた対策が講じられ、短時間で作業は無事完了した。この時、梶田はチーム一丸となって復旧に挑む仲間の一体感と、顧客との信頼関係を見た。「信頼関係があれば必ず問題は解決されるんです」。技術力と経験をベースにプロとして信頼を提供する。そこに日立のモノづくりの精神があるのだと実感したのだった。

エピローグ
「日立では若手のうちから最前線で仕事をさせようという風土があります。これまでの案件にしても、自ら考え、自ら結論を導き出し、社内関係者と相談しながら組織として動くべき道筋を描いていくというスキルを身につけられたのはそのおかげです」。そう話す梶田は今、産業システム部において主任を務めている。かつて自分を育ててくれた主任と同じ役割を担っているわけだ。モノづくりに関わるプロとして、様々なことを後輩に伝えていきたい。そのためにも、プロ意識を一層高めるべく営業の第一線で活躍している。
今や梶田は、プロジェクトの中核として技術部門だけでなく日立の各部署を連携させチームをまとめていくマネージャー的存在だ。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代の4年間、生協でアルバイトをした。仕事は接客。店舗という形態の中で、顧客だけでなくスタッフに対しても誠実な態度で接することの大切さを学んだ。人との絆には信頼関係が欠かせない。その人間関係を構築する源になっているのが誠実さ。梶田はそれを学生時代に身をもって学んだのである。
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