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メーカー(医薬品) / 商社(専門商社(医療・医薬品))
最終更新日: 2008/05/19
(マークの説明) 正社員 理系積極採用 No.1
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プロの仕事研究
“残留農薬”の検出に従事し、漢方薬の品質を証明した研究職のプロ。
技術系−応用研究・技術開発
評価・分析センター (分析研究チーム)
疋田 真穂 (28歳) Maho Hikita
入社3年目 / 東京薬科大学大学院 薬学研究科 出身

プロフィール
幼少の頃、病気にかかった疋田に医師が処方した薬が漢方薬。この出来事をきっかけに、疋田は漢方薬の魅力に惹かれ始めた。在学中は、漢方研究会に所属。2006年、漢方薬の研究設備が整っていることを理由に、クラシエ製薬(株)に入社を果たす。薬剤師の資格を持つ研究者として、農薬に関わる業務に従事している。

プロローグ
「この案件は農薬に関わることだから、疋田に頼みたい」。

研究所の所長から依頼された案件とは、『Kracie Kampo Quality Control』と呼ばれる資料の作成だった。自社が扱っている漢方薬の品質を証明する資料で、MRが医師に情報提供する際のツールにもなっている。この資料はシリーズ化されており、各シリーズにはテーマが決められている。今回のシリーズで掲載するテーマは、“残留農薬”。当時、農薬に関する問題が各メディアを騒がせていたこともあり、漢方薬を処方する医師からの問い合わせが多数あったためだ。

疋田は躊躇することなく、その依頼に応じた。「この機会は、研究者にとってチャンスかもしれない」。そう自身の中で捉えていたのである。研究者である疋田は、普段の仕事で他部署の社員と関わることが少ない。日頃から、MRを始めとする他部署の社員に、製品の品質をどのようにアピールしたら良いかを考えていた。そこで今回の資料制作を通して、クラシエ製薬(株)が扱う漢方薬の品質を自身の手で示すべく、疋田はその一歩を踏み出した。

研究者の疋田が、資料の制作を手掛ける理由。 1
疋田は制作に取り掛かる前に、今までに作られてきた資料の流れを把握することから始めた。研究所には、資料制作の経験がある先輩も在籍している。疋田は先輩が手掛けた資料を読み込み、疑問に感じたことを問い合わせていった。「どんな風に説明をすれば、外部の方に“農薬”を分かってもらえますかね?」「専門用語は、どのように使用されていましたか?」。躊躇することなく依頼に応じたものの、本当に他部署に理解してもらえる資料を作成出来るのか。疋田はその不安をかき消すかのように、次々と質問を重ねた。

先輩は自身が手掛けた資料を片手に、専門性の高い研究内容や用語をどのように要約したかを事細かく説明してくれた。疋田はそのアドバイスをもとに、資料の草案作成に取り掛かった。今回、疋田が資料を制作する目的は、クラシエ製薬(株)が残留農薬にどう対応しているかを示すこと。疋田が制作した草案は、チームリーダーや所長を経て資料制作担当のもとに引き渡される。資料制作担当は、MRの意見を考慮した上で草案に修正を加えながら本原稿にしていくのである。

資料は、疋田の普段の仕事にリンクして作られていく。 2
この資料を通して、最終的に読み手に伝えることは予め決められている。それは、“漢方薬の安全性を保証するために、幾重にもわたるチェックを行っている(幾多ものチェックを行っているから、漢方薬の品質が保たれている)”ということ。その結論までのプロセスを考えて、読み手に分かりやすく伝えることが疋田の役目である。疋田は、これまで研究者として積み上げてきた経験をもとに、クラシエ製薬(株)が行っている残留農薬のチェックがいかに安全に結びつくのかその根拠を記載しようと考えていた。

「まずは、残留農薬とは何かを知ってもらおう」。疋田は、初めに残留農薬の基準がどのように定められているか説明することにした。残留農薬基準には、日本薬局方や専門機関が定めた検査基準がある。その基準をわかりやすくして掲載。さらにクラシエ製薬(株)では、取り扱う全ての生薬と製品に対し独自の基準を定め、厳しいチェックで審査を行っていることも説明した。

続いて疋田が記載した内容は、残留農薬の検出方法。検出には特定の検出器を用いてチェックが行われるのだが、一般的には馴染みのない機器である。数種類ある検出器の中から、農薬の分析で利用される代表的な検出器を解説。さらに、その検出器を用いて農薬の測定を行った結果をわかりやすくチャートで示した。

残留農薬への取り組みにおいて重要になる検出の技術。 3
資料に示したチャート上には、一つひとつの農薬が明確に分離され、目に見えて分かるようになっている。元々の生薬の天然成分が含まれている中から、農薬だけを選択することは容易ではないが、前処理や検出方法に工夫を加えることで、低濃度であっても農薬がハッキリ見えることは、品質を証明する上で重要な指標になる。これが漢方薬の品質を確保する上で、他社にも負けない強みだと疋田は考えていた。

疋田はこれらのプロセスを用いて、最終的な結論を展開。これらの検出方法を用いた検査が、生薬から製品になるまでに何回も行われるのだ。第一段階は提携している中国の企業で、農家から運ばれた生薬の抜き取りチェック。第二段階は生薬をエキス化してのチェック。最後となる第三段階は、中国から輸送されてきたエキスを製品化する前に自社工場で行う。繰り返し検査を行うことで、製品の品質と安全性が守られていることを証明したのだった。こうして疋田は、草案の制作を順調に進めていった。

疋田の作成した資料が、他部署の仕事に影響を及ぼした。 4
草案の制作を開始して1週間後――。「この流れなら残留農薬を知らない人にも、当社の品質を説明出来ると思います」。疋田は、自身の考えたコンセプトに自信を持って、上司に草案を提出した。

「この言葉はちょっと分かりにくいな」「こっちの言葉は簡単すぎないか?」。上司から指摘を受けては、草案を修正する日々が続いた。上司とのやり取りが行われること数日。ついに、上司の許可が下りたのだった。「疋田、この原稿を担当に渡してくるよ」。この言葉に、疋田は普段の仕事とは異なる達成感を感じていた。

「この前『Kracie Kampo Quality Control』の資料を作ったんだけど、役に立っているのかな?」。後日、疋田は自社の会合で、同期のMRに資料の反応を確認した。「あの資料、疋田が作ったんだ。現場で凄く役に立っているよ!」。この同期の言葉に、疋田は初めて自身の仕事が会社に影響を与えていることを知ったのだった。「私の仕事が、現場の仕事で役に立っているんだ・・・」。その事実が疋田にとって、何事にも変えられない喜びになったのである。

エピローグ
疋田は資料制作を通して、改めて自身の行っている研究がいかに重要な仕事か気付くことが出来た。また、漢方薬を作る上で欠かせない研究を行っており、製品の品質を守っているという自信も生まれたのである。

農薬を使用することは、決して悪いことではない。漢方薬の品質を保つ上で必要になるからだ。たとえ農薬が使用されても、残留していないことを証明することで安全性を保証することが出来る。そのために、この仕事が存在するのだ。

今後、疋田は研究者として、更なる成長を目指す。現在の研究レベルでは、検出が難しい農薬がまだまだある。それらの農薬を確実に検出する方法を考案するべく、疋田は日々研究に勤しんでいる。
最近では、後輩の育成にも携わる疋田。自ら図解で農薬の基礎を教授している。教え方に定評があり、後輩からの信頼も厚い。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
農薬とひと口に言っても、様々な特性が存在する。特性によっては、農薬が人体に与える影響も異なる。その影響を研究で把握する際に必要となるのが、薬理や衛生化学の知識。学生時代に学んできたこれらの知識は、現在、疋田が携わる農薬研究において大きく役立っている。
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