[en]学生の就職情報2009 閉じる
メーカー(精密機器) / メーカー(機械・工作機械・ロボット) / メーカー(メーカー(その他))
最終更新日: 2008/04/17
(マークの説明) 正社員 理系積極採用
logo エミック株式会社
準備シート 活動履歴 志望企業リストに保存
エントリー エントリーする
会社訪問ドキュメンタリー プロの仕事研究 ホームページへリンク
プロの仕事研究
1×1×1.5mの航空機用大型装置の振動試験を成功させた、機械設計のプロ。
技術系−機械・機構設計
技術部 設計ブロック
工藤 伸介 (29歳) Shinsuke Kudo
入社9年目 / 沼津工業高等専門学校 機械工学科 出身

プロフィール
工場見学をする中で、和気あいあいとした雰囲気にひかれ、入社を決意。入社後は、製造部にて振動発生機の組立・調整、納品業務を担当する。4年目に技術部へ異動。大型で複雑な形状の振動試験用治具(試験の対象物を固定する器具)など、様々な治具を設計してきた。会社からの期待も大きい若手社員の一人である。

プロローグ
真夏の蒸した工場の中、工藤はじっと試験を見守っていた。天井から吊るされた航空機用大型装置は、確かに振動している。振動台から、治具(試験体を固定する器具)に伝わった振動は、確実に、そして正確に大型装置に届いていた。装置を開発したクライアントも、額から吹き出る汗も気にせず、固唾を呑んで試験の様子を見守っていた。この装置が世に出るためには、規格以上の耐振性を有していなければならない。エミックの三島工場では、この大型装置が世に出るか否かを見極める、重要な振動試験が行なわれていたのだ。

宇宙航空機器、自動車機器、エレクトロニクス製品、精密機器などを試験する様々な振動試験装置を開発し、受託試験も行なうエミック。世の中に普及している多くの製品は、数々の安全性を確かめる厳しい規格をクリアして、初めて製品として売り出される。耐振性も、その厳しい規格の一つ。エミックはこれまで、振動試験をとおして、数々の製品を世の中に送り出してきた。そして今回もまた、航空機用大型装置が厳しい振動試験をクリアして、世の中に送り出されようとしていた。

今まで開発してきた中で最大規模の治具を設計。 1
工藤がはじめてこの航空機用大型装置の設計書を目にしたのは、試験実施から1年以上も前のことだった。

2006年春、エミックのもとに「航空機用大型装置(以下、試験体)の振動試験をしたい」との依頼が入った。この試験体は、大型で形状も複雑なため、振動台に固定する治具の開発が不可欠。そこで、治具の設計を担当する工藤は、営業と一緒にクライアント先に出向き、固定すべき試験体の形を確認するところからスタートした。

「これは、難易度が高いな」。設計図を目にし、工藤は表情を曇らせた。そこに描かれていたのは1×1×1.5mという予想以上に大型の試験体。振動試験の世界では大型な治具ほど設計が難しいとされているが、これほど大きな試験体を固定する治具を、工藤は手がけた経験がなかった。

治具を始め、あらゆる物体には固有振動数(=一番振動しやすい振動数)が決まっている。試験体に振動を与えるためには、試験体を固定している治具を通して振動を伝えなければならない。固有振動数と同じ周波数の振動を与えると、治具自身が共振(振幅が急増する現象)してしまい、正しい試験を実施することができない。もちろん、治具の固有振動数が低ければ、振動は伝わらない。今回、試験体に与えたい振動数は最高で100Hz(100回/秒)。そのため、治具の固有振動数を100Hzよりも大きく設計する必要があった。とはいえ、これは簡単なことではない。なぜなら、大型になればなるほど固有振動数は低くなるからだ。1×1×1.5mというサイズならば、目標とする100Hzの半分も出れば良いほうだろうと予想された。

50Hzからの挑戦、目指すは100Hz超え。 2
クライアントから与えられた開発期間は、現在開発中のこの製品が完成する翌年の夏まで。小さな治具の開発期間が2〜3ヶ月であることを考えれば、1年以上という期間は十分と言える。それでも工藤の表情は、険しいまま。頭の中では、すでに長期戦が予想されていた。

試験体の形状から、大まかな治具の形は箱状のものに決まった。まずは簡単なモデルを作成し、専用の計算ソフトで固有振動数を測定してみる。出てきた値は、50Hz。やはり100Hzには程遠い値だった。

「ここからが、スタートだ」。工藤は自身を奮起させると、すぐに改良に取り掛かった。頭の中は、どうすれば固有振動数を高めることができるのか、そのことでいっぱい。思いついたらすぐにモデルを作成し、データを取る。当初は手を加えるごとに、面白いように固有振動数は高くなっていった。

数ヶ月後――工藤が設計した治具モデルの固有振動数は、100Hzまで到達していた。

順調に伸びていく固有振動数、だが100Hzで停滞してしまった。 3
だが、ここから先が大変だった。何十回とモデルに手を加えても、数Hzの変化しか見られなくなってしまったのだ。逆に、改良することによって固有振動数を下げてしまうこともあった。「どうですか、進捗状況は?」。クライアントから電話がかかってきても、何一つよい報告ができない。「以前と変わっていません」。思うような結果が得られず、苦しい日々が続いた。

それでも、工藤は改良を続けた。「100Hzではクライアントが求める実験は不可能だ」。職人としてのプライドが、工藤を突き動かしていた。治具の厚さを数mm変えてみる、梁の角度を数度変えてみる…考えられるすべてのことを片っ端から試していった。もちろん、手を加えることで固有振動数を下げてしまうこともあった。それでも、何十回と改良を繰り返すことで、わずかだが固有振動数を高めることができた。120Hz、125Hz、140Hz…徐々に高まっていく固有振動数。実験開始から1年が過ぎた頃、ついに150Hzという当初より3倍も高い固有振動数を持ったモデルの作成に成功した。

図面上の治具が、形になっていく喜び。 4
工藤はさらに高い値を求め、1日に数十回とモデルを変え、データを取り直すことを繰り返していた。だが、これ以上改良を加えても固有振動数は150Hzから下がる一方。「限界かもしれない」。長期間にわたる開発の結果、固有振動数は極限の値に到達していた。クライアントも工藤の研究結果を見て、150Hzが考えられる最高の固有振動数だと判断。「50Hz以上の余裕があれば大丈夫でしょう」。ついに、クライアントからゴーサインが出た。

工藤はモデルをもとに、図面を作成。組立も工藤自身が担当した。徐々に完成していく治具。図面に描かれていた治具が形になっていく様子に、工藤の胸は高鳴った。だが、組み立てて完成ではない。モデル上で150Hzという固有振動数が出たとしても、実物でその数値が出るとは限らない。完成した治具の固有振動数を測定する工藤。測定器にうつった数字は、150Hz。この瞬間、ようやく胸を撫で下ろすことができたのだった。

エピローグ
クライアントに完成の旨を伝える工藤。航空機用大型装置も完成し、振動試験当日を迎えた。クライアントは完成した振動試験装置を目にし、「大きいですね」と一言。工藤も、1年半分の苦労が詰まったこの治具を感慨深そうに眺めた。

試験体を治具に固定し、いよいよ振動試験がはじまった。あとは無事、試験が終わるのを待つのみ。「こちらが、結果になります」。試験終了後、データはクライアントに手渡された。設計が専門の工藤には、このデータが規格を満たしているのかどうかは分からない。だが工藤の目には、データを持ち帰るクライアントの後ろ姿が満足しているように映った。
設計が複雑な製品の場合は、工藤自身が組み立てることもある。自分で設計したものが出来上がっていく醍醐味を味わえる。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
高専にて、物理学を勉強。振動に対する計算式や基礎的な知識、考え方を身に付けた。現在も、振動試験用治具を設計する際に、学生時代に学んだ様々な計算式を活用し、振動数や加速度を求めている工藤。細かい計算式は覚えていないが、学生時代に培った基礎があるからこそ、必要に応じて、式を引用することができる。
「プロの仕事研究」を読んだら、[en]学生の就職情報からエントリー・説明会予約を行おう!
会社訪問ドキュメンタリー プロの仕事研究 ホームページへリンク
エントリー エントリーする
準備シート 活動履歴 志望企業リストに保存
エミック株式会社


この企業を志望している人は、こんな企業にもエントリーしています。
 
【理系】 1位株式会社セック(JASDAQ上場) 
2位株式会社フォーサムアクティブ 
3位株式会社パンドラ 
4位株式会社エイム 
【文系】 1位株式会社アスター 
2位ロングライフグループ 
3位株式会社斎藤英次商店 
4位村田機械株式会社 
5位株式会社トウズ 
ページ上部へ
エン・ジャパン株式会社 [en]は第三者の立場で正直かつ詳細な求人情報の作成を心掛けています
当サイトの新卒採用情報は[en]学生の就職情報のスタッフが企業に直接取材を行った上で作成しています。 新卒採用企業が自ら情報を作成すると、自社の良い点のみに偏りがちです。 当サイトのスタンスは、手間暇をかけて、学生の皆さんの立場に立った正直かつ詳細な情報を提供していくことです。 今後さらに情報の信頼性を高めるためにも、掲載内容と事実に相違があった場合は [en]学生の就職情報 編集部 までご連絡下さい。調査の上、対応いたします。
[en]学生の就職情報 編集部
エン・ジャパン株式会社 Copyright (c) 2007 en-japan inc. All Rights Reserved. 閉じる