[en]学生の就職情報2009 閉じる
メーカー(自動車・輸送機器) / メーカー(機械・工作機械・ロボット) / メーカー(コンピュータ・通信機器・ゲーム機器)
最終更新日: 2008/03/31
(マークの説明) 正社員 理文不問
logo 株式会社塩野製作所
準備シート 活動履歴 志望企業リストに保存
説明会予約 説明会予約をする
会社訪問ドキュメンタリー プロの仕事研究 トップインタビュー ホームページへリンク
プロの仕事研究
複雑な形状をものともせず、“匠の技”で航空機部品を完成させた「削る」技術のプロ。
技術系−機械・機構設計
生産技術部/主任
府金 幸平 (50歳) Kohei Fugane
入社15年目 / 東京電機大学 工学部 精密機械工学科 出身

プロフィール
大学卒業後、金型メーカーに入社し、設計や製造を経験。3年ほど勤めた後、小売業界に転身。約10年後、再びものづくりの世界に挑みたいと、塩野製作所に入社。マシニング機を使った加工作業で現場経験を積み、その後、主任として加工前工程に主に従事。熟練技術者として、若手技術者の指導・育成にも力を注ぐ。

プロローグ
大空を飛ぶジェット機、その中に使われている部品を塩野製作所(以下、塩野)は数多く手がけている。今日もどこかで、塩野の部品は雄大な空を飛んでいるのである。

設立間もない頃から宇宙関連や航空機などの大型輸送機の部品を作ってきた塩野には、今も多くの発注がメーカーから来ている。耐久性や安全性でより優れたものを作るため、各メーカーもその中に組み込まれる部品には高いクオリティを求めてくる。塩野のもとにくるのは、量産品ばかりではなく新機種、つまり試作段階にある機種の部品を頼まれることも多い。

10数年におよぶ経験を持ち、熟練の域に達しようとしている府金も、多くの宇宙関連や航空機関連の部品を手がけてきた。しかもそれらの多くは新しいものばかり。「何年やっても、(製品が出来上がると)感動がある」と府金自身が語るように、究めても究めても次がある世界なのである。

そんな府金のもとに、ある航空機部品の依頼がきた。機内の補強部品として使われるという。メーカーからの依頼通りに作るだけでは塩野の存在感は発揮できない。求める以上のことを実現してこそ、“匠”。この案件で、府金はいかにしてそれを実現したのか――。

熟練の技術者を本気にさせた、航空機部品。 1
メーカーから送られてきた図面を見るなり、府金は戸惑った。図面は2次元で描かれており、確かにそれだけを見ればだいたいのものは作れる。しかし、それは長い棒状のもので、中央に他の部品とつなぐ接続点のようなものがある。しかもよく見ると、面のくりぬき方が表と裏で違っていたり、周辺の枠が少し斜めになっているようにも見えた。「これはCADを見ないと分からないな」。そう思った府金は、すぐにメーカーから3D-CADのデータを取り寄せた。

図面などの設計仕様をもとにしてマシニング機に流すプログラムを作成し、加工を担当する技術者に製造仕様を受け渡すのが、府金の主な役割である。製造工程に入る前に、CADデータなどの設計仕様を読み解いてより詳細な形に落とし込み、作業ができるレベルにするのである。

メーカーから取り寄せた3D-CADを見ると、やはりあらゆるところに“斜面”があった。「ここも、ここにも、ここにもある。これはどうやって作ればいいんだ…」。面食らいながらも挑戦しがいのある“代物”を前にして、府金の技術者魂に火がついた。

何も工夫せずに作る気はない。 2
これほどまでに特徴的なものは初めてだった。普通は、面と面の角度は垂直になっている場合が多い。しかし、今回の部品は左と右は何度違い、右と上はまた何度違う、という風に少しずつ角度も異なる。それに部品全体の寸法も、他のものに比べて大きい。それだけ加工の仕方も一筋縄でいくはずがなく、加工時間が必然的に長くなることは容易に予想できた。

とはいえ、何も工夫せずに作る気は府金にはなかった。加工時間が長くなるならば、それをどれだけ縮められるかが腕の見せどころ。塩野にとっての利益を考えれば、速く作れるにこしたことはない。時間がかからないということはそれだけコストを抑えるという意味で、メーカーにとってもメリットは大きいのである。

通常、加工する位置を割り出すためには、“自動プロ”と呼ばれる自動プログラミング装置を使って線と線の交点、つまり座標を算出する。頭の中で一つひとつ三角関数を使って割り出すよりも、容易に座標を求めることができる。だが、今回の場合、それをやると加工時間を長くとられてしまうと府金は考えた。

コンピュータに頼らず、自分の“頭”で計算する。 3
確かに自動プロを使えば、容易にプログラムを作成できる。しかし、実際にそのプログラムの指示通りに加工すると、無駄な動きが出てしまう場合もあるのだ。今回のように複雑な形状であればあるほど、それは顕著になる。府金は“自動プロ”に頼らず、無駄な動きが一切ない、つまり加工時間を最小限にとどめられる座標を自分の“頭”で計算して割り出すことを決めた。さらにコストのことを考え、材料となる金属の厚さについても検討を重ねた。目標となる部品の形状からして、板状の材料が最適であることは分かっていたが、どのくらいの厚みを選ぶかによって“捨てる金属”の量も変わってくる。

検討に検討を重ねて座標の計算や材料選びを進めていった府金だったが、そう簡単にいくはずがなかった。板状の金属を表から、裏から半分ずつ削っていくのだが、その接合部分がどうしても滑らかに合致しないのである。シミュレーションでそうなるのだから、当然、加工に入っても同じ結果が出ることは目に見えていた。一番、滑らかに接合するにはどの座標がベストなのか、それを割り出すために何度も計算を繰り返し、頭を悩ませる日々が続いた。

頭の中で描いていた形が、現実のものとなって現れる。 4
すぐに良いアイデアが思いつけばよいが、すべての座標の帳尻を合わせるにはあまりにも複雑すぎる。だが、経験も技術力も“匠”の域に達する工場長に相談を持ちかけながら、府金は徐々に成功イメージを描いていった。そして、ついに加工前の準備がすべて整う。府金は設計ルームから工場内のマシニング機にプログラムを伝送し、加工担当に細かい指示を出した。それからしばらく、加工された部品を心待ちにしながら、並行して進めていた別の案件の作業に取り掛かった。

数日が経った頃だった。「府金さん、できましたよ」。ついに航空機の補強部品が出来上がったのである。頼んだ加工担当は府金も認める技術力の持ち主。仕上がりは上々の出来だった。さらにこれほど複雑なものを作るには、もっと時間がかかるはずだったが、府金が加工前に細かく準備を施したために総加工時間もかなり短縮でき、利益も最大化が図れたのである。

頭の中で思い描いていた形が“現物”となって現れたその瞬間、熟練の府金は、また“新しい感動”を味わっていた。

エピローグ
新しいものを作っても、また次はまったく違う形状のものを作る。「何年やっても、この仕事には感動がある」と府金が言うように、塩野には“永遠にものづくりを楽しめる環境”がある。新しいものづくりをやり遂げるたびに、それが自分の自信になり、そこで得たノウハウを次に応用できるという面白さも増える。

工場内での作業ではなく、主に設計を含めた加工前までの工程を担当している府金。しかし、長年の工場内での経験があるからこそ、今の仕事が全うできているという。若手の育成にも力を入れている府金は、自分のノウハウを惜しみなく教えている。技術的なことはもちろん、ものづくりの楽しさもじっくりと伝えていくつもりだ。
図面を見ながら、完成品をイメージする府金。加工に入る前のこの工程をしっかりとやるかどうかで、出来が大きく変わってくる。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
三角関数など、数学が得意だったことは大きい。しかし、技術的なことだけでなく、学生時代に多くの人とコミュニケーションをとった経験も大いに活かされているという。指示を受けて、また指示を出して、という技術者同士の連携が仕事には欠かせない。いかに相手の考えを理解して行動できるかが大事となる。
「プロの仕事研究」を読んだら、[en]学生の就職情報からエントリー・説明会予約を行おう!
会社訪問ドキュメンタリー プロの仕事研究 トップインタビュー ホームページへリンク
説明会予約 説明会予約をする
準備シート 活動履歴 志望企業リストに保存
株式会社塩野製作所


この企業を志望している人は、こんな企業にもエントリーしています。
 
【理系】 集計中
【文系】 1位株式会社神戸製鋼所 
2位新明電材株式会社 
3位株式会社山元 
4位第一生命保険相互会社 
5位京セラ株式会社 
ページ上部へ
エン・ジャパン株式会社 [en]は第三者の立場で正直かつ詳細な求人情報の作成を心掛けています
当サイトの新卒採用情報は[en]学生の就職情報のスタッフが企業に直接取材を行った上で作成しています。 新卒採用企業が自ら情報を作成すると、自社の良い点のみに偏りがちです。 当サイトのスタンスは、手間暇をかけて、学生の皆さんの立場に立った正直かつ詳細な情報を提供していくことです。 今後さらに情報の信頼性を高めるためにも、掲載内容と事実に相違があった場合は [en]学生の就職情報 編集部 までご連絡下さい。調査の上、対応いたします。
[en]学生の就職情報 編集部
エン・ジャパン株式会社 Copyright (c) 2007 en-japan inc. All Rights Reserved. 閉じる