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最終更新日: 2008/04/21
(マークの説明) 正社員 理文不問 3年増益
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プロの仕事研究
システムの処理速度を短縮し、地方銀行ATMの24時間稼働に貢献した開発のプロ。
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
第一システム本部1部4グループ
齋藤 肇 (26歳) Hajime Saito
入社4年目 / 日本電子専門学校 高度情報処理科 出身

プロフィール
就職活動はIT企業を中心に行なっていたが、同社の福利厚生の充実度に「人を大切にする会社」だと感じ、選考に進む。社長との面接で、“適材適所”という考えに共感し入社を決意。研修後、一貫して地方銀行向け勘定系システムの運用機能開発に携わる。業務の他に、採用活動への協力など会社に大きく貢献している。

プロローグ
24時間、いつでもどこでもお金を引き出すことができる銀行のATM。今や銀行の利用者にとって、当たり前のサービスとして浸透している。システムを24時間動かすための体制づくりは、都市銀行だけではなく地方銀行にとっても重要な課題。その課題を解決するべく、立ち上がったのが齋藤である。

齋藤に求められていたこと。それは、システムの処理スピードの高速化だった。齋藤が開発を担当したのは、日付の更新機能の開発である。システムの日付を更新するためには、一度全システムを停止させ、再起動させる手法が一般的だ。銀行窓口の通常業務なら、翌日の開店までに処理を終了させればよい。しかし、24時間稼働させるとなれば話は別だ。システムが停止する時間帯にも、ATMの利用者は存在する。お金を引き出す時に、機械の前で延々待たされたり、万が一再起動しなかったりしたら…。銀行の信用問題に大きな影響を及ぼしてしまうのだ。

24時間稼働のATMに日付を変更させる。その処理に設けられた時間はわずか“30秒”。それは、利用者にストレスをかけさせない最低限の時間設定である。かつて経験したことのないシステムの高速処理化に、齋藤が挑んだ。

“30秒”という高い壁への挑戦。 1
齋藤に任されたのは、日付を更新する機能の開発だった。1日の勘定や利息を計算するためには、日付が変わる瞬間にシステムの日付を翌日のものに変更する処理が必要となる。運用機能の開発では、核となる機能だった。

日付データを更新する方法は、いたって単純。毎夜0時にシステムを一旦すべて停止させ、再起動させるのだ。銀行で稼働しているシステムは100台以上。それらの活動を止めるということは、銀行の取引自体を停止させることを意味する。もし、システムが再起動しなかったら。それは、銀行の信頼に大きな影響をきたす大問題になりかねない。システムトラブルは絶対に許されないのである。

さらに、リーダーからは日付変更の処理速度について要望が出ていた。それは、100以上ものサーバー上で稼働するシステムを一斉に停止させて再起動させるまでを、“30秒”で完結させるというもの。「自らの手で実現できるのだろうか」という不安も抱いたが、実行してみなければわからない。はじめに処理速度を気にせず日付変更の機能を作り、後から時間を短縮させようと考えた。

速さだけでなく、正確なシステムを目指して試行錯誤を重ねる。 2
「90秒か…」。
齋藤は、自ら作り上げたシステムのテスト結果にため息をついた。停止から再起動までの処理にかかる時間は、90秒。どう考えても30秒にはまだまだ及ばない。現行の状態から3分の1まで処理速度を短縮するのは、至難の業とも思えた。

「もう一度全体の設計を洗い直しましょう」。30秒の壁に挑むため、齋藤はリーダーに相談を持ちかけた。「この処理を並列にしたらどうだろう」「普段はファイルを使用している処理を、このタイミングだけメモリで制御すれば…」。処理のフローを再検証し、負荷の少ない方法を導き出していく。システムは、さまざまな機能が複雑に組み合わさって動いている。些細な変更でも、全体に支障をきたす可能性があるのだ。信頼の高いシステムを作るためには、慎重すぎるということはない。改善策を出しては処理速度の短縮と全体への影響をテストで確認する、という作業が繰り返された。

全体を見つめ直すことが、時間短縮への活路につながる。 3
「前回より45秒縮んだぞ!」。
並列処理などを行なった結果、大幅に時間を短縮することができた。しかし、その後は考えつく方法を試しても縮まるのは2、3秒程度。時には、処理前と時間が全く変動しないこともあった。「まただめか…。だが、絶対に30秒にしてみせる!」。顧客からの要望に応えるために、さまざまな角度から解決の糸口を考える齋藤。そして、ついに大きなヒントを見出したのである。

「他チームが担当する機能にも、改善の余地はあるはずだ」。日付の変更処理には、齋藤が開発する機能の他にもさまざまな開発チームが存在する。齋藤は、ある1つの機能に着目した。それは、前日までの取引のデータを保存するための処理である。「この処理を分割して負荷を軽減させれば、全体の処理速度は上がるはずだ」。さっそく開発を行なう他チームに処理方法の変更を要請した。この時点で、納期まで半分が過ぎようとしていた。システム全体の結合テストに必要な期間も考えると、速度の短縮を図るにはギリギリの挑戦であった。

銀行での本稼働を見届けるまで、使命は終わらない。 4
他チームの処理が終わり、いよいよ結合テストを行なうことになった。リーダーや他チームのメンバーとともに、処理を管理するシステムの画面を囲む。ストップウォッチを片手に、画面を睨む齋藤。「処理開始!」。画面に『処理終了』の文字が表れるのを今か今かと待ち構える齋藤たち。そして…

「30秒きったぞ!」。処理完了と同時に止めたストップウォッチに表示された、27秒66の文字。「やった!」。リーダーと握手を交わす齋藤。「よくやったな」「ありがとうございます!」。齋藤は、かつてない達成感に包まれていた。だが、齋藤の仕事はここで終わりではない。銀行での本稼働で同じ結果が出てこそ、真の成功と言えるのだ。

本稼働日の深夜0時。齋藤は銀行にてシステムの処理画面を見守っていた。ここでトラブルが起きてはすべてが台無しとなる。何度もテストを重ね、試験運用でも問題はなかった。銀行の信頼を担う1人として、最後まで見届けることこそが齋藤の使命なのだ。30秒の時が過ぎる。「よかった…」。ようやく自身の成果を目で確かめた齋藤は、はじめて心から安堵したのだった。

エピローグ
齋藤が携わったプロジェクトは、新聞や雑誌にも大きく取り上げられた。『地方銀行のシステム刷新、ATM24時間稼働』。金融業界にも大きな影響を与えたプロジェクト。稼働開始から、銀行からトラブルがあったという連絡はない。齋藤は、見事にシステムの高速処理化を実現し、高い信頼を得たのである。

「キャリアアップのためには、もっと多様な分野の開発に携わりノウハウを蓄積することが必要」。顧客の要望に対し、さまざまな視点から切り口を見出して解決策を提示する。今回のプロジェクトで、課題に対する取り組み方を培った齋藤。エンジニアとしてどれだけの引き出しを持てるかを追求するため、齋藤は新たな挑戦へと突き進む。
後輩から質問を受ければ、相手がわかるまでじっくりと丁寧に答える。上司からの信頼も厚い。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
専門学校時代、チューターとして授業のサポートを行なっていた。実習用のサーバーやデータベースの構築や保守、後輩のサポートなどに従事した。特に、サーバーやデータベースに関しては、「好きなように使っていい」と言われ、さまざまなことを試すことができた。この経験から得た知識が、仕事上でも役に立っている。
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