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最終更新日: 2007/10/18
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プロの仕事研究
突然のハプニングにも動じず、冷静な判断で納品を完了させたIT機器営業のプロ。
営業・販売系−営業(法人・新規開拓が中心)
ドキュメントソリューション事業部 新宿支店/支店長
須田 健作 (33歳) Kensaku Suda
入社10年目 / 東海大学 工学部 金属材料工学科 出身

プロフィール
1999年に入社。ドキュメントソリューション事業部のメンテナンス担当として配属される。2005年からはリーダーとして活躍。翌年からは埼玉支店に移り、営業部のリーダーとなる。そして、2007年から新宿支店の支店長に就任。現在は営業活動を展開する一方、支店全体のマネジメントにも携わっている。

プロローグ
2005年の秋、須田はエンジニアとしてクライアントが使用するIT機器のメンテナンスを担っていた。部のリーダーでもあった須田には、新製品への切り替えを促進する営業的な役割も求められる。当時担当したクライアントの一つが、先端技術メーカーA社。先方の担当者は、須田の仕事ぶりを高く評価していた。

年が明けた2006年1月、須田は埼玉支店へ異動。今度は営業部のリーダーとして、営業活動を展開することになった。A社も対象とし、エンジニア時代から関係がある担当者と頻繁にコンタクトを取る。それが実り、別の担当者を紹介してもらった。その人物から聞き出した興味深い情報――「近いうちに新工場の建設が始まる」。ビジネスチャンスを予感させるひと言だ。的確にアプローチすれば、大きな案件になる可能性がある。タイミングを図っての訪問を重ね先方との密接な関係構築に注力していた須田は、数ヶ月をかけて重要な情報を入手した。「来年春の竣工を目指している」。この情報は、競合他社にも話しているようだった。先手必勝。須田は、竣工予定の時期をゴールに定め、IT機器を軸としたワンストップのソリューション提案に向けた準備を進めた…。

ワンストップのソリューション提案とは…。 1
新工場の建設に関する情報は当初、漠然とした内容も多かった。正式な竣工予定日も未定で、建設される場所さえわからない。須田は近くを訪れる機会があればA社に立ち寄り、より詳細な情報をキャッチしようと努力を重ねた。次第に建設プロジェクトの詳細が見えてくる。建設される場所はもちろん、竣工予定日も明確になってきた。2007年の4月。これが、須田が目指すべきゴールだった。さらに工場の中二階に事務所が建設されることも知った。

すでに2006年の秋も深まりつつある時期、須田は案件獲得を目指し提案内容を煮詰めていった。端的には、自社で扱うさまざまな商品のすべてを新工場へ導入する。商品構成はバラエティに富んでいた。多種多様なIT機器を筆頭に、他社を凌ぐ実績があるデスクなどオフィス向けのアイテム群。さらにはオフィス内の動線を考えた最適配置の提案や、LANケーブルの敷設なども提案する――これがワンストップのソリューション提案の概要だ。自分の提案ながら、その規模の大きさに「是が非でも成約したい」との意欲がみなぎる。埼玉支店からA社までは車で約2時間。契約の大きさを思うと、時間のロスも気にならなかった。

受注に成功。納入までのプランを練る。 2
須田の熱意は担当者にも伝わっていた。常に競合他社の一歩先を行くように、先方のニーズを満たす提案を続ける。努力が認められ、担当者との関係も着実に強固になっていった。金額面での調整にも何とか折り合いをつけ、ついにその時がやってきた。「もうちょっと詳しい話に入りたい」。担当者の言葉は、契約へのゴーサインだった。須田はそこから一気に話を詰め、受注に成功したのだ。

ただし、受注は単なる通過点に過ぎない。クライアントを満足させるためには、綿密な納入プランを立てなければならないのだ。事務所の設計図面を広げ、導入するアイテムの取捨選択がくりかえされる。IT機器の設置場所を決めるため、オフィス全体の動線に加えて天井や床下に配置される電線など電気設備にも考慮した提案が要求された。提案にあわせて、事務所内の工事は推進される。内装が施されていない天井や床下に、電線やLANケーブルが敷設されていった。床上にマットが設置され、壁紙などが貼られて内装が仕上げられていく。あとはIT機器などの商品の納入を待つのみ。当初描いたスケジュール通りに事は運んでいた。ゴールは目前に迫っている。須田がラストスパートをかけようとした時だった。

突如、“短納期”という高いハードルが立ち塞がった。 3
プラン通りの進行の裏には、須田の地道な努力があった。提案したアイテムは数々あり、すべて一括して契約を結ぶわけではない。一つひとつに関して何度も交渉を重ね、契約の承認をもらっていくのだ。根気の要る商談が続く。だからこそ、着実に案件を進めている手応えもあった。

しかしプラン通りのはずの納入スケジュールは、大きな変更を余儀なくされることとなった。ある日、担当者から電話が入る。「納品はいつになったら、完了するんだ!?」。明らかに声は怒りに満ちていた。「須田さんを信頼して、任せているのに…」。不信感を募らせて、不満をぶつけている。なぜ怒られているのか――最初は理解できなかった。互いに取り決めたスケジュール通りに事は動いているはずなのだ。須田は先方の怒りを静めながら、理由を聞き出した。実はこの段階で正式な竣工日は、須田に伝えられていなかった。須田が想定していたよりも実際の竣工は早く、それにあわせて納入を完了させるには納期自体を早める必要がある。先方ではすでに、竣工式に向けた挨拶状を送付済みだという。導入する商品の一部は未だ手配中。納期に間に合わないという最悪の可能性が、急に浮上してきたのである。

納期を厳守するために、必死の調整に動く。 4
冷や汗が須田の背中を流れ落ちていった。努めて冷静さを取り戻し、最短の納期をシミュレーションする。約8割の商品がすぐにでも導入できる状態。とはいえ、アイテムによって2〜3日の遅れが出るケースも考えられた。そこでA社の了解を取り、代替可能なものは、予定と異なるメーカーの製品に切り替えていった。しかし、それが不可能なものもある。たとえば、入口の受付カウンター。商品が大きく、ほとんどのメーカーは受注生産で対応しているからだ。須田は手当たり次第に電話をかけ、在庫を持つメーカーへ数日中での納品が可能か問い合わせた。通常は発注から3〜4日での納品となることを考えれば、1〜2日での納品を求める須田の注文は常識外れな発注だ。その時点でも、内装の修正が行われていた。工事が完了するまでは、アイテムの搬入ができない。山積みされた問題に、焦燥感ばかりが募る。納期が遅れたならば、今まで積み重ねてきた信頼はあっさりと崩壊するのだ。須田は必死だった。最後は大幅なメーカー変更を重ねて、何とか納期に間にあう見通しが立った。その瞬間、須田は脱力した。そこには、クライアントの信頼を何とか守りきったという安堵も含まれていた。

エピローグ
後日、須田は急な納期決定の理由を知ることになった。竣工式を前にして、A社社長の事前視察が急遽決まり、慌てた担当者が須田に連絡を入れてきたと言うのだ。そんな事態に対応できた須田への評価は、その後一層向上した。プロとしてのプライドをかけて、全アイテムの完全納品に奔走した須田。「須田さんに任せて、本当に良かったよ」。すべての仕事が完了した時、A社の担当者から言われた言葉だ。

一方、突然の発注に対応してくれた各メーカーに、須田は感謝した。急な依頼に対応してもらえたのも、日頃から確立してきたパートナーシップが存在していたからこそ。営業における“信頼”という二文字の重要性を、須田はつくづく実感していた。
的確な判断力と積極的なアクションでお客様の厚い信頼を獲得する須田。自身の能力を磨きつつ、ビジネスの拡大を目指している。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代は、本気で何かに全力を尽くしてトライするという経験がなかった。その経験と反省から、「仕事で全力を出し続ければ、自分がどう成長できるのか」という課題を設定。それが、今では仕事のモチベーションとなっている。また、接客業のアルバイトを経験し、基本的なコミュニケーションスキルを吸収できた。
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