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最終更新日: 2007/10/18
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
アフターフォロー専門のプロジェクトを発案した、カスタマーエンジニアリングのプロ。
営業・販売系−営業(法人・ルートセールスが中心)
NSマーケティング事業部 アカウントマーケティンググループ
汐巻 秀哉 (27歳) Hideya Shiomaki
入社5年目 / 近畿大学 理工学部 機械工学科 出身

プロフィール
2004年4月、株式会社エイコーに入社。新人研修を経て、ドキュメントソリューション事業部にメンテナンス担当として配属される。2006年4月には情報通信ソリューション部へ異動、新規プロジェクトを立ち上げた。その後、NSマーケティング事業部のアカウントマーケティンググループに配属され、現在に至る。

プロローグ
「導入したシステム、どうもうまく使いこなせなくてね」。
何度、顧客から聞いたか分からない言葉。「このままでは、お客様がお客様ではなくなってしまう」。汐巻はそんな危機感を幾度となく抱いてきた。

複写機、複合機などのIT機器販売をメインに、システム構築やアプリケーション開発も手がける株式会社エイコー。汐巻は入社当時、ドキュメントソリューション事業部のメンテナンス担当として活躍していた。営業がIT機器やシステムの提案・導入を行なうのに対し、技術面でのサポートを行なう役目だ。

必然的に、営業担当者と共に顧客の元を訪ねる機会は多かった。その中で、意外にも導入したシステムを使いこなせていない顧客が多いことに汐巻は気付く。「アフターフォロー体制を、もっと強化する必要があるんじゃないか」。顧客の元を訪れる度、そう感じた汐巻は、ひとつの決断をするのだった。

システム導入後のアフターフォロー。その重要性を肌で感じていた汐巻。 1
入社3年目、汐巻は情報通信ソリューション事業部に異動することとなった。だが、業務内容は変わっても、かつてドキュメントソリューション事業部で感じた危機感を忘れてはいない。「このままでは、お客様がお客様ではなくなってしまう」。汐巻は上司に、その不安と解決策を伝えることにした。

「お客様がお客様ではなくなる…どういうことだ?」。汐巻の言葉に首を傾げる上司。「つまり、我々が提案したシステムを使いこなせていないお客様が多いということです。そうなると、お客様にとって不利益が生じることになりませんか?」。汐巻の言葉は的を射ていた。製品により差はあるが、顧客が導入するシステムの価格はおよそ100〜200万円。それだけのコストを割いて導入したシステムが、費用に見合う効果を出していない。顧客が「このシステムを導入した意味があるのか」と思った時――それがシステムを提案・導入したエイコーに対する不信感に繋がる可能性は十分にある。

「私は、アフターフォロー専門の部署を立ち上げることを提案します」。汐巻は、力強く語った。「確かにお前の言う通りだ。分かった、私も協力しよう」。上司は快く了解してくれた。だが、部内の独断だけでひとつのプロジェクトを立ち上げることは不可能だ。「次に了解を得るべき人は……」。答えは明白だった。新プロジェクトのプレゼンテーション準備を整え、汐巻は社長室の扉を叩いた。

新規プロジェクト『your smile project』の胎動。 2
社長は多くを語らず、黙ってプレゼンテーションに耳を傾けていた。汐巻が特に熱弁したのは、「顧客満足度」という点に関して。「導入したシステムを使いこなせていない顧客がいるならば、使いこなせるようになるまでフォローを徹底すべきです。そうして顧客との信頼関係を深めれば『お客様がお客様ではなくなる』という危機は去ります。それだけではなく、今後その顧客に新システムを提案するにあたって、有利になるはずです」。プレゼンテーションが終わり、しばし沈黙が走った後。社長が発したのは次の一言だった。「頑張ってみろ」 「あ、ありがとうございます!」。

こうして汐巻発案のもと、新プロジェクトが立ち上げられることとなった。といってもメンバーは汐巻、上司、後輩の3名のみだ。だが、汐巻の心は希望に満ちていた。なぜなら、自ら必要だと判断し提案したプロジェクトが、始動することになったのだから。顧客満足度を向上させる目的で生まれたプロジェクト。「お客様が笑顔であり続けるために」という思いを込めて『your smile project』と命名された。

顧客満足の向上のため、不得手な分野でも知識を吸収していった。 3
汐巻はまず、顧客満足度調査シートを作成した。「弊社の商品に満足していますか」といった幾つもの質問項目があり、項目ごとに5段階で評価してもらう。例えば、満足度が3段階程度であれば、いかにして5に到達させるか、課題や提案内容を洗い出し、実際に顧客のもとを訪れて解決策を提案する。それを繰り返すこと半年、確実に課題は減少していった。

だが、プロジェクトの真の目的は“課題の解決”ではなく“顧客満足度の向上”である。課題がなくなった後も、「何か業務上で困っていることはないですか」と、幾つもの会社に尋ねた。その中で、印刷業を営むA社から「拠点間で写真データを共有できるシステムを導入したい」という回答が得られた。写真データに関しては、まったく知識がなかった汐巻。だが「それが業務改善に繋がるのであれば」と、不得手な分野ではあったが少しでも知識を吸収しようと奔走した。ある時は、写真のプロフェッショナルに意見を求め、ある時は自ら文献を手に取って必死に勉強した。「顧客満足度を高めると同時に、新規の案件を受注できるかもしれない」。その思いが汐巻を駆り立てる。『your smile project』が顧客の利益に、そして自社の利益に貢献できるかもしれないというチャンスだった。

自ら立ち上げたプロジェクトが、ひとつの結果を残した瞬間。 4
「期日までに、きっと納得していただける製品のデモを実施します」。そうA社と約束した汐巻だったが、デモの準備は難航した。知らない商品を提案するのには、多大な労力を要するのだ。汐巻はデモの準備を進めながらそれを思い知る。「すいません、もう少し待ってください」。段取りに手間取り、約束の期日を何度も変更してもらった。時には挫けそうなこともあった。だが、汐巻の『your smile project』への思いは、重ねた苦労の何倍も大きかった。何とかデモにまでこぎつけ、A社の納得するシステムを提案し、新規の受注に成功したのだ。

顧客満足度を満たすと同時に、それを新規受注に繋げ、技術的な問題も自らの努力でもって解決した汐巻。『your smile project』の発案者として、カスタマーエンジニアとして、最高のパフォーマンスを発揮した瞬間だった。

エピローグ
2007年7月。汐巻は新たな部署へと異動することになった。今や、日々の業務に加えて、プロジェクトの今後も見据えていかなければならない重責を担う身だ。だが、その状況を苦とは思わず、むしろ楽しんでいるとすら汐巻は言う。

「プロジェクトを発案したのは入社3年目の時。まだまだ新人という時期に、それを快諾してくれた社長には感謝しています。働くのが楽しいと、心から思えますよ。結果を残すこともできましたしね」。

『your smile project』は立ち上がったばかり。顧客の元へ笑顔を運ぶために、そして自らの表情にも笑顔をもたらすために、汐巻はプロジェクトと共に歩み続ける。
かつての成果に満足することなく業務に励む汐巻。「もっと大きな達成感を得るため、日々得られる経験を心に刻んでいます」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代は、勉学やアルバイトに励みながらも、自由な時間も多かった。その時間を活かし、釣りをはじめとしてそれまで関わったことのない趣味に果敢に挑戦。その積極性は、社会に出てからひとつのプロジェクトの立ち上げを実現する程のものとなった。
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