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最終更新日: 2007/10/01
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(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
職人や先輩社員を巻き込み、初めての住宅建築を完遂させた施工管理のプロ。
技術系−建築・土木技術者
建築事業部工事部/主任
田中 知幸 (28歳) Tomoyuki Tanaka
入社8年目 / 東京工業専門学校 建築工学科 出身

プロフィール
個々の能力を伸ばそうとするエム・ワンの教育体制に惹かれ2001年に入社。ショッピングモールやモノづくりの原点である工場の建設などの鉄骨を製造する鋼構造事業部に配属。2003年にはチェーンストアや住宅などを建築する建築事業部に異動。現在はマンションや医療施設などの大規模な現場を指揮している。

プロローグ
「田中、そろそろ一人でやってみるか?」。

建築事業部に異動をしてから4年目のある日、事業部長に声をかけられた。これまで田中はSIPと呼ばれ、エム・ワンのスピード建築を実現させる躯体製造の予算管理を2年間。そして約1年間、事業部長の下で多くの建築現場を経験してきた。「完全に現場を仕切れるかどうか…」という不安はあるものの、それ以上の自信がある。「はい、やらせてください!」。田中は自分が成長できるチャンスだと感じ、即答した。そして、部長のサポートがあるとはいえ、初めて自分が主導で現場を動かすことに胸を高鳴らせた。

田中に任されたのは戸建て住宅の施工管理。それは多くの職人たちを取りまとめながら、スケジュール通りに住宅を完成へと導く、建築において最も重要な仕事の一つ。「絶対に成功させてみせる」。設計図面を見ながら田中のモチベーションは次第にあがり始める。しかし工事が本格的に開始されると、自分の甘さを思い知らされる出来事が次々と起こってしまう――。

建築の初歩段階。打合せで、自信を失ってしまう。 1
田中がまず行なったのは、職人の代表者や建築資材を扱う業者との打合せ。施工管理者という立場で出席していた田中には、工程をはじめとした様々な質問が投げかけられた。「えーっと、それはですね…」。工程に関しては一応の理解はしているつもりだったが、次々と寄せられる質問に曖昧な返事しかできなかった。初めての打合せということもあったが、経験不足から専門的な会話についていけない。そして打合せを終えたとき、田中の当初抱いていた自信は失われ、悔しさと不安だけが残った。「このままじゃ施工管理なんてできない」――。

田中はこれから始まる建築で仮に分からないことがあっても「現場を仕切るのは初めてだから」という言い訳だけはしたくなかった。それは初めての経験であろうとも、施工管理者として責任を果たしたかったからだ。しかし、現状では誰もが田中の実力不足を見抜いているとしか思えない。「何とかしなければ!」。施工管理者として現場の指揮を執らなければならない田中は必死になって、これまでの経験を振り返り、また様々な建築関係の専門書に目を通した。他にも工事が始まる前にできる準備は全て整え、あとは着工を待つばかりとなった。

初めての現場を前に気持ちを高ぶらせるが…。 2
そして、いよいよ着工日。これまでに何度も現場に入ったことはある。しかし自分が仕切る現場となると、少し様子が違って見える。「ここが俺の初めての現場か」。そこでは幅広い年齢層の職人たちが工事の準備を手際よく進めている。そんな光景を前に田中の気持ちは自然と高ぶっていく。しかし、その気持ちも工事が本格的に開始されたとき、すぐに焦りへと変わってしまう。

「田中さん、工程について確認したいんだけど」。一人の若い職人が図面を手に田中のもとへ歩み寄り、いくつかの質問をしてきた。しかし、その職人の話す言葉の中には数多くの建築用語が含まれていて、何を言っているか半分も理解できなかった。「…あとで確認しておきますよ」。田中はその場で「分からない」とは答えられなかった。それは自分が「未熟だ」ということを悟られたくないという気持ちと、「現場を仕切る立場として、職人に不安を持たせてはならない」というプレッシャーからのものだった。

施工管理者としての責任を果たすために…。 3
しかし、一方では言葉にできないほどの焦りが芽生える。工事現場を仕切る人間が職人との会話もままならない状況。質問を受けては、建築用語辞典を調べたり、部長に相談したりして返答をすることが一日に何度もあった。「このままでは何かトラブルを起こしてしまうかもしれない」。つけ焼刃の知識で何とか工事を進める田中だったが、「施工管理者として、これでいいのか」という不安は拭えなかった。

「お前、工程分かってるのか?」。焦りと不安から進捗状況を報告した田中に対して、部長は呆きれ顔で答えた。「この日に配管の工事をするなら、資材はもう発注しておかなきゃ駄目だろ。それから…」。様々な指摘を受けることによって工程管理の甘さが明るみに出る。最大の原因は、職人たちとコミュニケーションが取れていないことだった。部長の指摘により、発注は間に合ったものの、危うく工期に遅れが生じるところだった。住宅の完成を心待ちにしているお客様がいる限り、期日を守ることは施工管理者として絶対である。しかしこのとき、その責任すら果たすことができない可能性があった。「このままじゃマズイな…」――。

施工管理者でも、分からないことは素直に尋ねる。 4
そのことをきっかけに田中の気持ちは徐々に変化してきた。職人たちが使う言葉の中に少しでも分からないものがあれば、その場で素直に尋ねるようにした。その姿勢の変化により、少しずつだが田中は現場で使う建築用語を一つずつ習得していく。そして、それに伴うように職人たちとの会話も徐々にスムーズになり、住宅が建つまでの一連の工程も完全に把握できるようになった。

「お客様から浴室に窓を取り付けたいって要望があがってきてるけど間に合うかな?」。ある日、社内の設計士から急な設計変更依頼があった。「大丈夫ですよ。外壁工事に取り掛かるのは1週間先だから、今から窓枠とかを発注すれば変更可能です」。「施工管理者だから」というプレッシャーを拭い去ることによって田中は大きく成長していた。そして田中の指揮のもと、工事は一度の遅れも生じることなく竣工を迎えることができた。「やっと終わった…」。田中は達成感よりも無事に工事が終了したことに胸を撫で下ろしていた。現場を取り仕切った田中に対して、これといった労いの言葉はない。しかし、周囲を見渡すと職人たちもそれぞれ満足気な表情を浮かべている。その光景が田中を一つの大きな仕事をやり遂げたという充実感で包んでいった。

エピローグ
「『建築用語は飛行機の部品と同じ数ほどあるらしい』と職人に教えてもらったとき、途方に暮れましたね。でも同時に覚悟もしました。それでこのときの現場では職人を先生だと思って、分からないことは分からないと、素直に教えてもらいました」。施工管理者という仕事は“現場を仕切るのは自分だけ”というプレッシャーを感じることもあるが、ときには素直に周囲の協力を仰ぐことの大切さを学んだ。

「建築の魅力は、仕事の区切りがハッキリとしていること。一つひとつの仕事を終えたときの達成感は何ものにも変えられないものですよ」と話す田中は現在も一般住宅・マンション・医療施設など様々な規模の建物の施工管理を続けている。
現場で大切なのは工程管理。いつ、どのような工事があるのかを把握しておくことで、スムーズな建築が実現できる。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代には学校、プライベートと様々な人と関わりを持った。そこでは先輩・後輩との接し方など人間関係の大切さを学び、そのときの経験は多くの人々と協力しながら竣工を目指す建築現場で活かされている。
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