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インフラ(建設) / 商社(専門商社(インテリア・建材)) / サービス(レストラン・フードビジネス)
最終更新日: 2007/10/01
コース別企業
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
会社初の個人向けビジネスを軌道に乗せた、新規事業立ち上げのプロ。
事務系−経営企画
外食事業部
巻渕 聡 (33歳) Satoshi Makibuchi
入社12年目 / 明海大学 経済学部 経済学科 出身

プロフィール
入社後5年間は、鋼構造事業部にて20数名のスタッフを管理する工場管理責任者として活躍。その管理能力が認められ、タイ工場で家具類製造の責任者を務める。2005年、経営企画室に異動。新規事業立ち上げを命じられる。同9月、新事業部『外食事業部』を創設。

プロローグ
朝もパン、昼もパン、夜もパン…1日3食、いや5食はパンを食べる。毎日そんな生活を続けていた巻渕は、同僚から「最近、太ったんじゃない?」と言われることもあった。巻渕は何も好んでパンばかりの食事を続けているのではなかった。自社で新たに飲食チェーン店を立ち上げるための調査をしていたのだ。その時点では、パンを中心に販売するカフェ店を構想していた。だが、どんなパンが売れるのか、それがなぜ売れるのか、といった理由がまったく解らなかった巻渕。デパ地下、コンビニ、個人経営のパン屋、カフェ…、ありとあらゆる店舗の売れ筋商品を自ら食し、売れる理由を探っていた。そんな日々が1ヶ月以上続いていた巻渕は、先行きが真っ暗な状況に陥っていた。「自分がやっていることに意味があるのか…、本当に新規事業を立ち上げられるのか…」。

思い起こせば4ヶ月前、社長から新規事業の立ち上げを任されたときは、まさかこんな事態に陥るとは予想もしていなかった。「自分の力でゼロからやっていくのが、こんなにも大変だなんて…」。机の上にあふれた“パンの山”を見つめながら、巻渕は肩を落としていた…。

「どんな店舗を作ればいいのか…」――市場調査のためにアメリカに渡った。 1
2005年1月末、エム・ワンでは新規事業が計画されていた。それまで、商業施設のチェーン展開を行う企業などを顧客に、その建物の建築や内装などを手がけてきたエム・ワン。それを今後、自社でも店舗を持ち、法人だけでなく個人を対象にしたビジネスを展開していくことが考えられていた。その初めての試みを任されたのが、店舗に使われるテーブルや椅子を扱うマテリアル事業部においてタイ工場の立ち上げなどの実績を残してきた巻渕だった。「何をやってもいいぞ、巻渕」。副社長の言葉は、ただそれだけ。ある程度の方向性は決まっているものだと思っていた巻渕は、唖然とした。しかも、立ち上げメンバーは巻渕一人だけだった。

「何をやるにしても、やはり現在の事業に関連するビジネスがいいだろう」ということは、巻渕の頭にあった。狙うは商業店舗。だが、何を売るのか、まずはそれを決定するべく調査を始めた。ファミレス、カジュアルウェア店、ドラッグストア、100円ショップ…、ありとあらゆる業態の店舗に通い、売れ筋商品や立地、集客数などを調査していく。また、日本だけでなく海外研修の一環でアメリカの市場調査も行った。ニューヨークなどの主要都市でどんな店が流行っているのか、10日間の調査を終え、巻渕は帰国の途についた。

パンを食べ続けて体は太るも、心はやせ細っていた。 2
「よし、カフェで行こう!」。5月、新規事業立ち上げを任されてからすでに3ヶ月あまりを調査に費やした巻渕は、ついに決断した。日米での市場調査を終えた段階で、ほぼ飲食店で進めることは決定していたが、ようやく“どんな店にするか”というところまで決まったのだ。巻渕が考えたのは、コーヒーに力を入れたカフェではなく、パンを商品の主軸に置いたカフェだった。大枠の事業計画をレポートにまとめ、社長と副社長に提出。承認を得た巻渕は、本格的に“カフェ事業”の詳細を煮詰める段階に入っていった。

他社のカフェチェーン店がどんな建物で、内装や調理機器はどんなものを備えているのか、といった“ハード”に関することはエム・ワンに実績があるため容易に想像できた。だが、巻渕の頭を悩ませたのは“ソフト”、つまり中身だ。レシピやメニュー構成、材料の仕入先などがどうなっているのかは、まったく検討もつかなかった。「とにかく、他の店の状況を探ろう!」。サンドイッチにクロワッサン、惣菜パンに食パン…、ありとあらゆる店舗の売れ筋パンを食べていった巻渕。だが、一向に売れる仕組みは解らなかった。「こんなことして、意味あんのかな…」。パンの食べ歩きを続けてすでに1ヶ月、見通しが立たない状況に巻渕の心は萎えていった。

溜まりに溜まった巻渕は、すべてを副社長にぶちまけた。 3
6月、エム・ワン本社にほど近い飲み屋に巻渕はいた。「だから〜、も〜無理なんですって…」。新規事業のことで溜まりに溜まっていた巻渕はベロベロに酔っ払っていた。「巻渕、お前ならできるよ。ここであきらめるな!」。副社長にすべてをぶちまけた巻渕は、少しだけ心が解放されたようだった。

その後、巻渕はある重大な決意をする。「やはり、ゼロから自分たちだけで飲食店を始めるのは無理だ。オリジナルではなく、最初はどこかのフランチャイズチェーン(FC)に加盟するのが賢明なのではないか…」。実は、新規事業を任された段階でFCに加盟することは巻渕の頭にあった。だが、「何もやっていないのに、最初からオリジナルでの出店をあきらめるな」と社長や副社長に言われていたのだ。しかし、今度は充分に調査を重ねた末に出した結論。社長や副社長は、毎月のレポートで巻渕の頑張りを知っていた。巻渕の意見は社内稟議を通過。ようやく事業立ち上げの道筋が見えてきた。巻渕はさっそく加盟できそうなFCを探し始めた。

巻渕の手によって、エム・ワンに新しい事業部が誕生した。 4
7月初旬、カフェの話は白紙に戻し、100社以上に及ぶFC加盟ができそうな店舗のリストに目を通す巻渕。どのくらいの利益が見込めるのか、といった観点で実際に加盟説明会に参加する店舗を決めた。焼肉チェーン、カフェ、カレー屋、居酒屋、ファミレスなど、多種多様な業態での加盟の可能性を考え、20社あまりの説明会に参加した。そして7月末、巻渕はあるお好み焼き屋のチェーン店に加盟することを決める。首都圏を中心に展開しているそのお好み焼き屋は、中部地区への店舗拡大を計画していた。エム・ワンの第1号FC店は同地区に決まる。巻渕はさっそく出店候補地を探した。不動産会社を通じて巻渕は地主に交渉。断られることもしばしばあったが、ようやく名古屋市郊外の集客が見込めそうな土地に決定した。その頃には、巻渕の下に後輩が一人ついていた。

その後、同FCで順次5店舗を出店することが決定した。第1号店のオープンは11月。具体的に動き出した新規事業は、巻渕と後輩によって次々と進められていった。そしてほぼ新規事業の計画が固まった9月20日、巻渕を事業部長とする新事業部『外食事業部』はついに誕生を迎えたのだった。

エピローグ
巻渕と後輩は、実際にお好み焼き屋で1週間の店舗研修を行い、第1号店の店長と副店長となる。現在、店舗運営方法の習得やスタッフの募集活動などで忙しい日々を過ごしている。また、会社からは2008年度中には、エム・ワンのオリジナル店舗をオープンさせるように言われている。当初の予定よりも早くなった目標の実現に向け、巻渕はお好み焼き屋が成功した“次”の段階を想定し、すでに動いている。

「全事業部の中で、外食事業部を売上No.1の事業部へと成長させたい」という巻渕。エム・ワンに新しい歴史を切り開いた男の目は、夢の実現に向かって輝いていた。
外食事業部のスターティングメンバーとなった巻渕と後輩の高尾。自ら立ち上げたビジネスの拡大に挑む日々が続く。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学は夜間コースで学んでいたため、多様な職種のあらゆる世代の人々と交流することができた。社会にはさまざまなモノの考え方があることを若いうちから知ることができた。他業界・他職種の人々とコミュニケーションをとりながら仕事を進めている今、そこで培った感覚は非常に役に立っている。
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