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情報・通信(ソフトウェア開発) / 情報・通信(ネットワーク・通信技術)
最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
入社2年目で新インターネット回線導入プロジェクトを成功させたネットワークのプロ。
ソフトウェア系−ネットワークエンジニア
ネットワークインテグレーション事業部 ネットワークサービス1課
岩崎 真也 (28歳) Shinya Iwasaki
入社5年目 / 九州大学 理学部 数学科 出身

プロフィール
入社以来、主に社内パソコンのセットアップやソフトウェアのバージョンアップなど社内ネットワーク体制の維持・運用・保守を行う。2005年には外部の工場のネットワーク再構築プロジェクトに参加。2006年2月には社内の新規回線敷設プロジェクトの陣頭指揮を担当。社内ネットワーク環境の向上に貢献した。

プロローグ
「新しい設定が入らないぞ!」。
深夜の京セラコミュニケーションシステム(KCCS)社内。先輩エンジニアの報告を聞き、岩崎の体に緊張が走った。
「ネットワークの設計は万全のはずだ。新しい設定が悪いのか。原因を探らなければ。いや、時間がない」。
岩崎の頭の中を、さまざまな考えが駆け巡る。そして先輩エンジニアと素早く相談し、決断を下した…。

岩崎は、社内のシステムネットワークの運用・保守を行うネットワークエンジニア(NE)だ。
「何か新しいサービスを作り出したいという気持ちがあったんです。プログラムに興味はありましたが、ネットワークの方がより大きいことに携われると思ったんです」。
入社後、岩崎は自社のネットワーク環境の運用・保守・改善業務を行う部署に配属された。トラブルがあると原因を突き止め、解決するネットワークの番人だ。入社2年目、彼は社内の新ネットワーク導入プロジェクトのリーダーを任される。パートナーは後輩の新入社員。戸惑いながらも、後輩の指導と並行して作業計画の策定と進行を行い、ようやく迎えた新回線の導入作業当日。想定外のトラブルが、壁として岩崎の前に立ちはだかる。

ネットワークエンジニアの魅力。 1
2005年の年の瀬。入社2年目のネットワークエンジニア(NE)・岩崎は自身のデスクで新しいプロジェクトの見積書作成に取り組んでいた。「あの件、やるぞ」。思えば、上司の一言がこの作業を始めるきっかけだった。それは、社内のインターネット回線増速を目的とする新しいネットワークの導入プロジェクトだ。岩崎が所属するのは、社内のパソコンやデータセンターなど約1300人の社員が利用する社内ネットワークの運用や保守を行う部署。普段はパソコンに新しいアプリケーションをインストールしたり、それに準じた設定作業を行う。またトラブルの際は現場に駆けつけ、問題箇所を見つけ出し解決する。大学で数学を研究していた岩崎は、この仕事が好きだった。ネットワークの技術・仕組みを理解した上で、目に見えないトラブルの原因を特定し解決していく工程は、公式を駆使して解法を導く数学に似ている。何より、自分が企業のネットワークを支えているという自負を感じる仕事だ。ただ、今は年明け早々に提出する見積書作成が最優先。「結構大変だな」。岩崎はパソコンの画面に集中した。

入社2年目のプロジェクトリーダー。 2
「え、自分たちがやるのか」。年が明けた2006年1月。岩崎は自分の置かれた立場を知り、絶句した。プロジェクトの陣頭指揮を、岩崎と後輩の新入社員の二人で執ることが決まっていたのだ。KCCSにはメンター制度という教育制度があり、先輩社員が一人の後輩を担当し、指導・教育を行う。そのため二人で指揮を執るのだが、実質的なリーダーは岩崎である。
「自分には早過ぎる。プロジェクトの指揮なんて、5、6年くらいのキャリアがないと」。
今回のネットワーク技術も充分理解している。ただ、リーダーの経験がない。一瞬、弱気が頭をもたげた。「でも、やるしかない」。そう思い直し、岩崎は腹をくくった。

岩崎はプロジェクトの進行に忙殺されることになった。ネットワークの設計期間と切り替え作業の実施日はすでに決まっている。実施日は2月19日。それまでに、綿密な切り替え作業のマニュアル策定から実際の進行、作業に参加する先輩や他部署の人々へのアナウンス・協力体制の整備まで、万全の準備が必要だ。岩崎は新しい回線への切り替えによって起こり得るトラブルを綿密にシミュレーションしていった。「会議は週1度。いや、実施日近くは頻繁に打ち合わせする必要があるな」。そう思いつくと、打ち合わせ場所の確保に走った。

リーダーとして、先輩社員としての責務。 3
岩崎は、毎日シミュレーションを行い、切り替え作業のマニュアルに反映していった。切り替え作業は19日、全社の休日の業務が終わってから、翌朝の営業開始時間まで。ネットワークがうまく稼働しないと、全社の業務を止めてしまうため、失敗は許されない。そのために技術に関する書籍を3冊読み、完璧に理解した。その上で、あらゆる想定を行った。

一方で、後輩に業務を割り当て、教えながら仕事を進めるという作業は、非常に骨が折れた。日々、仕事を頼む。「あの書類、作っておいて」 「はい」。その後、いつ提出してくれるかと待っていると、期限ギリギリに提出された。当然、修正作業の時間はない。手直しが入ることを想定していない。策定したスケジュールをこなしながら本番の予定を詰め、日々後輩の技術面の指導をしながら、基本的な仕事の進め方も教えていく。実施日が近づくにつれて、退社時間は遅くなっていった。

2月19日午後10時。岩崎は、スタッフ以外誰もいない社内にいた。「手順計画は完璧なはずだ」。これまでの仕事を思い、午前2時から始める作業の準備に入っていった。

立ちはだかるトラブル。迫られる決断。 4
「新しい設定が入らないぞ!」。
報告を聞き、岩崎の体に緊張が走った。通信ケーブルの配線は、予定通り配置されている。ただ、各パソコンなどのシステム端末に、新しい回線に対応した設定をしなければ稼働しない。その設定ができないというのだ。「設計は万全のはずだ。設定方法が悪いのか」。すぐにヘルプスタッフとして参加していた他部署の先輩エンジニアと相談し、岩崎は決断した。
「とにかく元通りにして、まずシステムが動く状態にしましょう」。
そして原因を追究した。トラブル箇所は、QOS(ネットワーク上で、特定の通信帯域を予約し、一定の通信速度を保証する技術)の部分。既存の設定の上に新しい特殊な設定を入れると上書きされる。それが原因だったのだ。そこでルールを変え、既存の設定と共存する形に変更した。すると、問題は解決。「よし」。他のパートは、計画通り進んでいる。ふと気がつくと、夜明けが近づいていた。

2月20日正午。岩崎は、いつものように自身のデスクで業務に取り組んでいた。始業後ずっと気が気ではなかったが、これまでトラブルの報告は入っていない。「もう大丈夫だろう」。岩崎は仕事をやり遂げた達成感を感じ、一つ大きな息を吐いた。

エピローグ
入社2年目ながら、リーダーとして新しいネットワーク環境の導入を成功させた岩崎。この案件を通じ、NEとしてステップアップを果たせたと感じている。
「プロジェクトを進める立場となって、後輩や他部署の人などスタッフ全員の意識を集約し、まとめることの大切さを学びました。また技術優先ではなく、ユーザー視点の意識が身についたと思います」。

現在、入社4年目の日々を送る。その夢は変わらず、大きい。
「やはり、いつかネットワークを活かした新しいサービスを手がけたいですね。そのために、今はもっと何があっても対応できる高い技術力を持ち、自ら提案していける力を磨いていきたいです」。
日々、ネットワーク技術の向上を目指す岩崎。一方で「指導も業務も前向きに取り組んでもらうのが大事」と人間関係にも心を砕く。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代は弓道部に所属していた。弓を構え、矢を射る一連の動作の反復練習の中で、「一つの物事を突き詰め、常に妥協せず質を高めていく探究心と向上心、集中力と忍耐力が養われた」と語る。こうした能力は、常にシステムの向上を考え、トラブル時には理論を突き詰めて原因を探っていく今の仕事の特性に合っているという。
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