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情報・通信(ソフトウェア開発)
最終更新日: 2007/10/09
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プロの仕事研究
好奇心を忘れることなく仕事に取り組み、大手企業の経営を支えるシステム開発のプロ。
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
技術部 第2課
新谷 貴志 (36歳) Takashi Shintani
入社9年目 / 関西大学 工学部 土木工学科 出身

プロフィール
土木系学部に通っていたが、卒論制作がきっかけでプログラミングに興味を持つようになる。そこで就職活動でも、IT系企業を志望。会社の考え方に惹かれ、ドルフィンシステムに入社を決めた。プログラマーとして経験を積んだ後、現在はシステムエンジニアとして活躍。商取引システムなどの開発に携わり、力を発揮している。

プロローグ
1990年の設立以来、常に最新鋭の技術を取り込み、市場を席巻している株式会社ドルフィンシステム。「最強のITスペシャリスト集団を目指そう」を合言葉に、「より良いシステムを、より早く、より安価に」提供している。それまで情報化が難しいと言われていた卸売市場の「セリ」業務のシステム化をはじめ、数々の大規模案件を手がけてきた同社は、多くの大手クライアントから信頼される存在だ。

新谷貴志がそんな同社に入社したのは、2000年のこと。学生時代は土木工学を専攻していたため、本格的なプログラミングを学んだ経験はほとんどなかった。しかし入社後、徐々に専門知識を身につけるにつれ、彼はプログラミングの面白さにのめり込んでいったのである。「難しいけど…面白い! この仕事を選んでよかった」。新しい知識を常に吸収しながら、システムエンジニア(以下SE)の設計をもとにプログラムを組んでいく。自分の携わったシステムが意図通りに動いた時は、プログラマー(以下PG)として大きな達成感を得ることができた。「システム開発という、モノ作りの一端を担っている」。そんな実感が、新谷にとっては何よりのやりがいとなっていたのである。

「考えてみろ」。初めての設計に、心を躍らせる。 1
「新谷。このシステムはどう作ったらうまくいくか、考えてみろ」。

入社2年目のある日。ホワイトボードに図を描きながら、上司はそう告げた。「えっ?」。思わず聞き返す新谷。しかし、上司の言葉が意味するところを、彼は悟っていた。「考えてみろ」――つまり、システムの設計をしてみろ、ということだ。新谷は入社以来、PGとして開発の経験を積んできた。しかし、設計はPGではなくSEの仕事。新谷はいよいよ、システム構築全体を管理するSEへとステップアップしようとしていたのである。「この部分の設計と開発を任せたいんだ。できるか?」 「…はい!」。目の前に開けた新しい道に、心を躍らせる新谷だった。

SE・新谷の初仕事は、オンライン商取引システムの構築。大手飲料メーカーと原料メーカーとの取引を、Webブラウザ上で行えるようにするプロジェクトだ。「こうか? いや、そうすると…」。新谷は数日かけて試行錯誤を繰り返した。結果、上司のアドバイスを受けながらではあったが、初めての設計は無事完了。仕事量は多かったものの、プログラミングも概ね順調に進み、やがてシステムは完成した。「自分の考えたシステムが動くのは、嬉しいものだな」。新谷は、今までにも増して大きな喜びを噛み締めていた。自ら設計し、プログラムを書き、形になったシステムは、まるで自分の子供のように思えた。

プロジェクトの進行を左右する、4人のメンバー。 2
その後も新谷は、企業向けのシステム構築を中心に経験を積んでいった。徐々にスキルも身につき、着実に成長。手がける仕事の範囲が幅広くなるほど、やりがいも大きくなっていった。

そうして、SEとしての自信もついてきた入社4年目。新谷のもとに、また新たな仕事がやってきた。今回手がけるのは、大手鉄鋼商社の在庫管理システム。そのパイロット開発メンバーとして、新谷を含めた4人が抜擢されたのだ。パイロット開発とは、大規模なシステムの一部分だけを他の部分より先に開発すること。この段階でシステム構築の方法論をある程度固めておけば、その結果をもとに他の部分の開発ができ、プロジェクトを効率よく進められる。つまりパイロット開発は、プロジェクト全体の進行を左右する重要な作業なのである。

「本当にできるんだろうか…」。納期を聞かされた新谷は、これまでにない不安を感じていた。今回の案件は高度な技術が必要とされるため、設計も開発も簡単にはいかない。しかし、設定された納期はかなり厳しいものだったのである。しかもパイロット開発メンバーはたったの4人。一部分とはいえ、相当なスケールのシステムであるため、一人ひとりが担う役割は大きい。「呆けている暇はないな」。会社としての信用がかかっている以上、納期をずらすわけにはいかない。新谷は、覚悟を決めるしかなかった。

ギリギリの状況下でも、尽きることのない探究心。 3
新谷たちパイロット開発メンバーは、さっそくシステム構築に乗り出した。土台となるものがない開発だけに、全てを自分たちで考え、検証しながら作業を進める必要がある。試行錯誤を繰り返す中で新谷は、少しでも参考になる技術がないか、常に情報収集を行った。「こんなこともできるのか」。日々進歩するIT業界。世界中で次々と新たな取り組みがなされ、新技術が生まれ続けている。本やインターネットで情報を仕入れる度、新谷は新鮮な驚きを得ることができた。次から次へと新たな知識を仕入れ、それを自らの仕事に応用していく。時間に追われるギリギリの状況ではあったが、新谷はIT業界の、そしてSEという仕事の醍醐味を存分に味わっていた。

こうして、パイロット開発は徐々に進行。「このボタンを押した後、この画面を表示するには…」 「商品の値段と個数をデータベースに入れて…」。新谷たち4人は、それぞれの担当箇所を必死に開発していった。作業が遅くまでかかることも珍しくなかったが、「この開発の結果が、プロジェクトの進行を左右する」という使命感が、メンバーたちを動かしていたのである。

「動いた…!」。自ら作り上げた道。 4
「動いた…!」。

ディスプレイを見つめていた新谷は、一気に緊張が解けるのを感じた。苦心して構築してきたシステムが、ついに完成したのである。「これで、残りの部分もスムーズに開発できるはず」。パイロット開発メンバーとしての使命を無事に果たした4人は、一様に満足気な表情を浮かべていた。

こうして、パイロット開発は終了した。残されている作業はまだまだあるが、新谷の役割は、ひとまずここで終わりである。「きっと大丈夫だ」。そう信じつつも、新谷は後ろ髪を引かれる思いでプロジェクトを離れたのだった。

――やがて、残された部分のシステム開発が始まった。パイロット開発の甲斐あり、作業は停滞することなく進行。巨大なシステムが形作られていく様子を見守りつつ、新谷は今までにない大きな達成感に酔いしれていた。自ら道筋を作り、プロジェクトを成功に導いたという自負。それはSEとして、また一回り成長した証だった。

エピローグ
「この仕事は、常に新しい技術や知識に触れられるのが醍醐味。いつまでも『面白い!』という新鮮な気持ちでいられるんです」と語る新谷。日々の勉強を怠れば、すぐに取り残されてしまうIT業界。しかし、いつでも探求心を忘れない新谷は、それを苦にすることなく楽しむことができる。
「もちろん、一つひとつの仕事に達成感はあります。でも、満足して『これで終わり』というポイントは、ありません。これからもどんどん新しいことに挑戦していきたいですね」。社会人になってから出会った、SEという仕事。知れば知るほど、その面白さは新谷の心を捉えて離さない。
「作ったシステムが『動いた!』という瞬間は、たまらないですね」。いつでも新人の頃の新鮮さを忘れず、仕事に取り組む新谷。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代は朝から晩まで研究室で過ごし、卒論制作のためコツコツと研究に取り組んだ。「自分に甘くなる傾向がある」と語る新谷だが、目標に向かって自らを厳しく律したこの経験が、根気強さの必要な現在の仕事にも活きている。シビアに取り組む姿勢があるからこそ、厳しい納期の案件もやり遂げることができるのだ。
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