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メーカー(インテリア・建材・住宅設備) / メーカー(住宅・建築) / メーカー(メーカー(その他))
最終更新日: 2008/04/28
(マークの説明) 正社員 理文不問 No.1 株式公開
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プロの仕事研究
庁舎の省エネ構造に合わせて、1200台の特殊ブラインドを設置した製品開発のプロ。
技術系−応用研究・技術開発
技術本部 応用技術部 応用技術科
山岸 貴也 (29歳) Takaya Yamagishi
入社4年目 / 青山学院大学 理工学部 電気電子学科 出身

プロフィール
大学卒業後、TV制作会社に入社した山岸。しかし3年後、『形あるモノづくりに携わりたい』という強い想いから転職を決意する。転職活動中、住まいを彩る窓辺のインテリアに魅力を感じ、立川ブラインド工業に入社。その後は、電動ブラインド等の特殊品開発を担当。現在までに、飲食店や庁舎などの案件に携わる。

プロローグ
遡ること数年前。山岸はブラウン管から映し出されるTVコマーシャルに心奪われていた。コマーシャルのラスト1秒に映し出される、『タチカワブラインド』というブランド名。そのコマーシャルこそ、山岸と立川ブラインド工業の初めての出会いだった――。

大学を卒業した山岸が入社した先は、TV制作会社。「モノづくりに携わりたい」と考えていた山岸にとって、TV番組を作り上げることは魅力に溢れていた。だが1年、2年・・・と時が経つにつれて、心のどこかで新たな想いが膨れ上がるのを感じていた。「形に残るモノづくりの仕事で、もっと身近な人々の役に立ちたい」。

そうして転職を決意した山岸の目に留まったのが、立川ブラインド工業だった。TVコマーシャルで見たブランド名が鮮明に記憶として残っていたこともきっかけであったが、加えて住まいを彩る多種多様なブラインドに山岸の心は惹かれていた。自身の技術で新しいモノを生み出せる仕事に意欲を掻きたてられ、山岸は入社を決意した。

目の前に突然現れた、成長の舞台。 1
「私が・・・ですか?」。山岸は、上司の言葉に耳を疑った。「サポートもあるし大丈夫だろ。この案件を山岸に任せるよ」。上司が山岸に任せた案件とは、A県の新庁舎建設に併せた電動ブラインドなどの納品だった。その数、およそ1200台。100台を超えれば大型案件と言われるが、この案件は大型に「超」が付くほどの規模である。その案件に指名されたのが、入社2ヶ月の山岸だった。次第に山岸の中で、驚きはプレッシャーに変わっていた。今までホテルのロビーを始め、期間にして1ヶ月くらいの小規模な案件しか担当したことがなかったのである。山岸の心を支えていたのは、サポート役の存在。山岸が主導の案件だったが、サポートに先輩社員がついてくれることになっていた。案件が本格的に開始するまでの間は、先輩が担当する大型案件に同行する日々。打ち合わせや商談の進め方を盗むべく必死だった。

しかし、1ヵ月後――。事態は、急展開を迎えた。サポート役だった先輩が他部署に異動。急遽、山岸が一人で案件を遂行することになったのだった。だが、この事態にも山岸は臆すことはなかった。既に山岸の気持ちは、不安よりも案件を成し遂げる強い意思で固められていたのである。

ニーズに応える特殊製品を開発出来ることが、山岸の強み。 2
その後、案件は本格的に動き出し始めた。山岸は、庁舎の建設を請け負う建設会社との打ち合わせに参加。その場でニーズを把握して、期待に沿える製品の提案をしなければならない。今回建設される新庁舎は、ダブルスキン構造が用いられている。この構造は、建物のガラス壁を二重にして外壁と部屋の間に層を作る建設手法である。窓二面に挟まれた層があることで、熱効率が向上。それにより、建物自体に省エネ効果が生まれるのだ。しかし、ダブルスキン構造には懸念すべき点がある。外気を建物内に導入するため雨風が建物内に浸入する恐れがあるのだ。新庁舎に使用するブラインドは、電動式の製品。そのため、製品が故障しないか建設側は不安視していた。

「既存の製品でも防滴加工を施せますので、雨風にも耐えられますよ」。山岸の発言に、一同は納得した表情を見せた。その場で、電動ブラインドの特殊品を開発することが決定。それと同時に、庁舎の1階と2階にまたがる吹き抜けのロビーにも特殊品の電動ロールスクリーンを使用することになったのだった。

竣工2ヶ月前、山岸を襲う不測の事態。 3
後日、完成した試作品は見事に、建設側が抱く懸念点を払拭していた。ニーズに応えられたことで、すぐに実用化に向けた製品開発が進み始めた。山岸は製品開発に併せて、社内の担当営業と電気配線業者を交えた打ち合わせを開始。庁舎に設置後の電動ブラインドの動きや納入までの方法を話し合ったのだった。そして、半年後――。特殊の電動ブラインドと電動ロールスクリーンは、山岸の手によって完成された。その後は、施工業者が庁舎の定められた場所に製品を設置していったのである。

全ての製品設置後、予想だにしていなかった連絡が山岸の元に届いた。「山岸さん、ロールスクリーンなんですが・・・」。その声の主は、担当営業だった。「施工業者が設定変更のスイッチ切替を忘れて、スクリーンの動きが逆になっているんです」。営業の話に耳を傾けながら、山岸は焦りを隠せずにいた。竣工まで残り2ヶ月。職員に製品説明する時間を考えると、残された期間は1ヶ月をきっていた。

この事態は、特殊品であるが故に起きたことでもあった。『タチカワブラインド』製の電動ロールスクリーンは、通常モーターが右側に付いているのだが、建設側の要望によりモーターを左側に移し変えていたのである。そのため、設定変更のスイッチ切替をしない限り、スクリーンが逆の動きをしてしまうのであった。

竣工直前まで、山岸は走り回る。 4
「ソフトの仕様を変更するしかないな・・・」。山岸は、現状の最善策を打ち出した。竣工2ヶ月前ということもあり、足場は既に解体されている。残された手立ては、電動ロールスクリーンのコントローラーの役割を果たすソフトウェアの仕様を変更することだった。

山岸はすぐに、ソフトウェア制作会社に仕事を依頼。担当者との度重なる打ち合わせを経て、電動ロールスクリーンを正しく制御するプログラムに修正することが出来たのだった。製品として完成したのは、竣工の1ヶ月前。ロビーで正常な動作を確認した山岸は、ようやく安堵と達成感に包まれていた。

「山岸さん、ありがとうございました!」。そう山岸の元に訪れたのは、担当営業だった。今回の案件で苦労と喜びを共に分かち合った同士。お互い堅い握手を交わして、称えあったのだった。ホッとしたのも束の間、山岸に休息の時間はない。山岸が担当する案件は、月に10案件を超えているのだ。常に、先のことを考えながら目の前の仕事に立ち向かっている。こうして、入社前に抱いていた想いを山岸は自らの手で叶えつつあるのだ。

エピローグ
電動式のブラインドとロールスクリーンは、庁舎に勤める職員からも好評。ブラインドは太陽の動きに応じて、自動的に遮断するようにプログラミングされており利用者からの評判も高い。今回、山岸が納品した製品はおよそ1200台。売上げにして数億円にも上る。

「現在、当社にある特殊製品は先輩方が考案して生み出したもの。だから、将来的には自分で考案した特殊製品を世に広めたいですね。それを街で見掛けたら、知人に自慢するんです」。山岸は現在、B県に所在する市の総合庁舎の案件を担当している。社内からも社外からも山岸に掛けられている期待は大きいのだ――。
お客様に商品を提案する前に、入念に社内で打ち合わせを行なう。「最も大事なのは相手とのコミュニケーション」と山岸は語る。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代を勉学に打ち込んできた山岸。電気や電子に関する基礎知識を身に付けたことで、仕事の大事な場面で役立っている。製品の耐久試験を行なう際、ロムに電気回路を書き込んで配線する。通常、この所作を学ぶのに時間を要するのだが、山岸にとっては基礎知識を発揮出来た瞬間でもあった。
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