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最終更新日: 2007/10/01
(マークの説明) 正社員 理文不問 3年増益 株式公開
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プロの仕事研究
クライアントのホームページにお客様を呼び込み信頼を得る、コンサルティングのプロ。
専門職系−コンサルタント・研究員
SEMグループ/コンサルタント
N・T (28歳)
入社4年目 / 慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 出身

プロフィール
大学卒業後、1年間海外に留学。そこで勉強をしながら、レコード会社でアルバイトを経験。帰国後、アウンコンサルティングに入社。1年目からコンサルタントとして活躍。入社2年目で社内の最優秀コンサルタントに選ばれた。現在は人材業界、中古車業界など、幅広いクライアントを抱え、多忙な毎日を過ごす。

プロローグ
周りと比べても、Nはデキる新人だった。入社1年目でも次々と仕事を任されるアウンコンサルティングでは、新人のNにも数多くの案件が転がり込んできた。最初は分からないことも多かったNだが、すぐに持ち前のインテリジェンスを発揮。クライアントの問題を察知し、解決していった。しかしそれでも、Nの上司はたびたび苦言をはいていた。

「Nさん、これ、忘れているでしょ」 「しまった!」。それは2週間前に、上司から命じられていた資料作成の仕事だった。「すみません、忙しくて忘れていました」。すでに7つのクライアントを抱えているだけに、ミスはどうしても出てしまう。しかし上司は容赦ない。「忙しくてできないなら、最初からそう言えばいいでしょ?」。正論なのだが、言い返したくなる。それでも最初は我慢していた。たしかに忘れていたのは自分のミスなのだ。けれども、入社1年目としては異常な仕事量をこなしている上に、上司は細かいミスもうるさく指摘してくる。我慢にも限界があった。「この資料のヘッダー部分、入れ忘れているよね。こういうミスをしている人は、別のミスもするんじゃない? やっているでしょ?」。

シビアな業界で結果を残したN。 1
本当に小さいミスだった。クライアントに資料を提出する場合には、細かいフォーマットがあるのだが、その一部分が抜けていた。「いつもこういうミスをするよね?」。Nはついに言い返した。「お言葉を返すようですが、こんなにもたくさん仕事がきているんですよ。それくらい、自分で直してくれたらいいじゃないですか。9割以上は僕が作っているんだから!」。すると上司は言い返す。「そういう姿勢だからだめなんだ」。そう言われると、返す言葉がない。しかしNは、自分の仕事を正当に評価してほしかったのだ。

アウンコンサルティングが売りにしている「SEM」は、結果が如実に現れる。SEMは、検索エンジンにて上位に掲載されるようにサイトのコンテンツを最適化し、キーワード連動型広告などと結びつけ、クライアントのホームページにお客様を誘導することを目的としている。Nが担当していたのは保険業界。この業界は、特に数字にシビアだった。保険の成約、資料の請求など、さまざまな尺度で仕事が評価される。その厳しい世界で、Nは結果を残してきたのだ。

「なぜ認めてくれないんだ?」。Nが持っていた不満。 2
SEM対策は、すでに方法論が確立している。「お客様を一人誘導するのに、いくらかかるのか?」。それはだいたい決まっているのだ。また二千円かけて一人のお客様を誘導する場合は、たくさんの人を呼び込めるが、五百円で一人の場合は、数が限られる。そういうことも過去のデータから、ある程度は推測ができてしまう。Nの役割は、その数字を少しでも上げること。今までは限られた予算の中で、200人しかお客様を誘導できていなかったのを、205人、210人と増やしていくことだ。Nは入社1年目にもかかわらず、クライアントのサイトへの集客数を10パーセント以上もアップさせていた。それは並みの新人にはできることではなかった。「これだけやっているのに、なぜ認めてくれないんだ?」。Nはその気持ちでいっぱいだった。

ただ、もちろん全部が全部うまく行くわけではない。クライアントによっては、多少集客数が減ってしまったこともあるし、波はどうしても出てきてしまう。結果が芳しくなかったときにこそ、資料や報告書を作り、クライアントに理由を説明しなければならない。Nは最初、「クライアントへの説明」を軽視していた。だからこそ以前は、報告書などにおいて、小さなミスが生じていたのだ。

たとえ結果が出なくても、クライアントの評価を上げるために。 3
あるとき、Nが担当しているクライアントの結果がよくないことがあった。すぐにNは謝りに行く。「すみません」。最初の頃は、Nのプライドが邪魔して素直に謝れなかった。だが、入社して1年たった頃のNは、すぐにクライアントのところへ駆けつけた。その後、詳細な報告書をすぐに作り、クライアントに提出する。数字こそ芳しくなかったが、クライアントの評価が落ちることはなかった。その過程において、上司はNに何も言ってこなかった。「あれ、おかしいな? いつもならどこかで何か言ってくるはずなのに…」。不思議に思いながらも、次の仕事にNは取り組んだ。

次はパソコンの直販サイトのコンサルタントだ。課題はキーワード連動型の広告展開。そのクライアントは、インターネットでキーワードを検索した後に出てくるテキストの内容に問題を抱えていた。30文字のテキストにつめるべき内容を見誤っていたのだ。「今回はこういう軸にしましょう」。Nがターゲットに据えたのは、「パソコンの上級者」。クライアントの売りは「シンプルでカスタマイズが可能で、高性能」。これに絞ったテキストに変更したのだ。この戦略は見事に当たった。ほぼ予算を変更することなく、それまで以上のお客様を直販サイトに集めた。「予想通り、うまく行った」。

No.1コンサルタントに選ばれたNに、上司から手紙が渡された。 4
その後もNはクライアントの信頼を勝ち取っていき、クライアントから別のクライアントを紹介されるようにまでなった。Nの売上はアウンコンサルティングに大きな利益を生み出している。そして、2006年の夏。Nは社内のNo.1コンサルタントとして表彰されることになった。No.1コンサルタントは半年に一度決定される。入社2年目であったが、Nを選ぶことに異論を唱えるものはなかった。

迎えた表彰式。壇上にたったNに、上司は手紙を用意していた。「おめでとう。最初は生意気で、どうしようもないと思ったけど、いつのまにか成長していました。ここまでできるようになるとは思っていませんでした」。そのとき初めて、Nは上司の小言の理由が分かった気がした。「最初の頃、自分は本当にクライアントの信頼を得ていたのだろうか? 失敗したときクライアントに謝る姿勢。それが足りないことを指摘してくれていたんだ」。Nは、心の中で上司に感謝した。けれどもそれを素直に言うのは恥ずかしい。手紙をもらうとNは、それをそっと机に忍び込ませた。

エピローグ
半年後、NはNo.1コンサルタントの称号を連続受賞していた。現在は人材業界や出版業界など、幅広いクライアントを抱えている。「人材業界は、今でこそ需要がありますが、3年くらい後のことを考えると不安です。人口も減ってきているし、業界自体が縮小する可能性もある。そこでどうするのか? 頭の使いどころですね」。

クライアントからは、数あるサイトをトータルで、しかも1年間を通して任されている。その信頼に応えるためにも、失敗は許されない。「もちろんプレッシャーはありますけど、同時に自信もあります。自分に合っていると思うんです。今後どうなるか分からないけど、マーケティングには一生携わりたいですね」。
ホワイトボードで、現状を説明するN。「いつも数字が求められるシビアな仕事なので、説明はもっとも大事です」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
英語は学生時代から好きで、英語の本や雑誌をよく読んでいた。また大学卒業後、Nは1年間留学をしていたため、英会話も堪能だ。「メジャーな検索エンジンについては、アメリカから最初に情報が流れてくるんです。だから検索エンジンの情報をすばやく仕入れるためには、英語力は欠かせません」。
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