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メーカー(インテリア・建材・住宅設備) / メーカー(住宅・建築) / メーカー(鉄鋼・金属・非鉄金属)
最終更新日: 2007/12/27
(マークの説明) 正社員 理文不問
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プロの仕事研究
取引先との折衝を経て、「住む人」のことを考えた外装を手掛けた実施設計のプロ。
技術系−建築・土木技術者
ビル建材事業本部 設計技術統括部
住江 嘉宣 (43歳) Yoshinobu Sumie
入社21年目

プロフィール
学生時代に土木について学んでいたこともあり、建築業界を中心に就職活動を展開。新日軽のパンフレットに書かれていた、先輩社員の言葉をきっかけに同社に興味を持ち、入社を決意。中低層設計課、多摩ビル建材営業所に配属された後、現在は設計技術統括部にて、アルミニウム製カーテンウォールの実施設計を担当している。

プロローグ
窓枠のサッシや、耐震性、軽量化を実現し高層ビルなどに使用される外壁(カーテンウォール)など。建物の表情と言うべき外装は、形、色、素材1つで見え方が多様に変わる。同時に耐震性や風圧に対する強度など、建物において必要な要素を担っている重要な部分だ。新日軽株式会社は、アルミニウム素材に特化した建材を企画、設計、製品化することで、「使う人」「住む人」のことを考えた空間づくりを行なっている。

「型にはまった仕事をこなせばいい会社ではない」というパンフレットに書かれていた、先輩社員の言葉に惹かれ、同社に入社を決意した住江。中低層設計課に配属され、すでに開発された製品をどのように納品していくか、その提供方法を設計する「実施設計」の基礎を学んだ。その後、高層ビルのようなよりスケールの大きい仕事に携わりたいという思いから、自ら異動を願い出る。その意欲的な姿勢が認められ、より高度な技術や知識が必要となる、設計技術統括部の設計部に配属となった。常に向上心とチャレンジ精神を持って仕事に取り組む住江が、新天地で最初に携わることになったのは、不安を覚えるほど大きなプロジェクトだった――。

異動後すぐに、高層マンションの外装を手掛ける仕事を任される。 1
高層ビルやマンションのサッシ、カーテンウォールを手掛ける設計部では、主にオーダーメイドの製品を扱っている。クライアントからの「こう表現したい」という外装に関する意匠を汲み取り、カタチにして提供するのが仕事だ。それまで、いわば既製品の実施設計を行なってきた住江にとって、この異動はチャレンジだった。仕事のおおまかな流れは同じだとしても、クライアントは大規模な仕事を扱う企業が増えてくる。また、何よりも求められる技術や知識のレベルが非常に高いものになり、どれだけ自分のスキルを向上していけるかが勝負だった。

異動になってすぐ、住江は上司からある仕事を任されることになった。それはオフィスや商業施設を併設する、高層マンションの外装を手掛けるというもの。これから都内に建設が予定されており、メディアからも注目される施設の一角だった。設計部所属になってまだ日も浅い住江は、この大型プロジェクトを任されたことに驚いた。しかし「自ら異動を申し出た意欲を買い、やりがいのある仕事を与えてくれたのだ」と考え、不安と共に嬉しさを感じながら早速仕事に取り掛かった。

全体像を把握し、必要となる部分の設計図を読み取る。 2
まずは設計図を読み取ることから仕事は始まる。建物の全体図を把握してから、担当する部分がどういうカタチをしているのか、どのような性能がクライアントから要望されているのか、といったことを確認していった。サッシやカーテンウォールは、1つの部材で全てができているわけではなく、多くの部材・部品が集まって作り上げられている。施工図自体はその部位ごとに必要だが、全体を見て設計を行なわなければ、最終的に提供する製品にズレが出てしまう。また、耐震性や暴風雨などに耐えられるかどうか、といった強度のレベルも1つひとつ確かめていった。

それらを基に施工図を描き、実際に製造するための型を考えていった。アルミニウムの建材は、ビレットと呼ばれる塊を加熱して柔らかくし、型に押し出すことで製造していく。そのため、型の大きさ、種類、断面図に至るまで細かく決めていかなければならない。住江にとってオーダーメイドの製品は初めての挑戦ということもあり、分からないことばかりだったが、今までの経験を活かし、周囲からの協力を得ることで、比較的順調に施工図の作成を進めていった。しかし、この仕事において一番の難関は、その次の工程に隠されていたのだった。

最大の難関は、クライアントとの折衝。 3
施工図から製造の工程に入るには、どういったカタチや性能の製品ができあがるのか、そのための型はどういうものなのか、クライアントに説明して納得してもらい、受領を得る必要がある。住江も早速、55種類にも及ぶ部材図や施工図を提出し、チェックを受けた。しかし、すぐに「これでは要望を満たしていない」と突き返されてしまった。「もっと薄くて細いものがほしい」など、細かな意匠を再現するために決して妥協はしないクライアント。しかしただ相手の言っている言葉を鵜呑みにするだけでは、本当に良いものは作れない。住江はできること、できないことをきちんと明確にし、クライアントに伝えた。しかし「できないのであれば、他の方法を考えてほしい」と相手も譲らなかった。

慣れていないこともあり、なかなかうまく打開策を見つけられず、進展のないまま社内で検討し直すこともあった。納品の期日も迫り、肉体的にも精神的にも疲弊してくる。しかしここで諦めては全てが台無しになってしまう。仕事を任せてもらった責任感を改めて感じ、自分の手で最後までやり遂げるための方法を模索しながら、諦めずに粘り強く交渉を続けていった。

「住む人」のことを考えること――無事に55種類すべての型が認められる。 4
クライアントの要望をどう取り入れるかを試行錯誤しながら、住江は「住む人」「使う人」のことを考えた設計をしなくてはと考えていた。安全性を第一に考え、災害や毎日の雨や風にも強い、快適な空間を生み出していかなくてはならない。クライアントは住江以上に製品について詳しく、徹底したこだわりを持っている。そんな相手を納得させるために、住江は上司、後輩など積極的に周りに協力してもらい、分からないところをクリアにするようにした。交渉のシミュレーションを行なったり、安全性に関して証明するための資料を作成したり、できることを全てやっていった。

そしてようやく受領の出た型で、製品の一部分のプロトタイプを組み立てた。性能を満たしているか実証実験を行なうためだ。地震や、台風に耐えられるかなど様々な実験が繰り返されていく。ここで性能が満たされていないと判断されてしまえば、また作り直しだ。初めて見るその光景を真剣な面持ちで見つめながらも、住江は自分で設計したものが試されている、という今までにない独特の緊張感を感じていた。しかしそんな住江の心配をよそに、55種類もの型は全て問題なく量産体制に移ることが受領され、ホッと胸をなで下ろすことができたのだった。

エピローグ
これまで、大小様々なプロジェクトに携わってきた住江。新日軽には実施設計の他にも、多くの分野が広がり、新しいものを生み出すには最適なフィールドがあると考えている。今の目標はこれまでの経験を活かし、会社にとって何か新しい試みに挑戦していくことだ。

そのためには日々、疑問を感じ、それを解決するために何が必要かということを念頭において仕事に携わっていかなくてはならない。日常を大切にするという考え方が、「住む人」「使う人」のことを一番に考えた製品づくりに繋がり、そこから新しいものを生み出していくことができる。その考えを大切に、住江は広い視野を持って、今日も意欲的に仕事に取り組んでいる。
設計の仕事は製品を受注し、納品するまでの流れの中で重要な工程の1つ。最後まで必ずやり遂げる強い責任感が必要だ。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
仲間を集め、バンド活動を行なっていた。様々な人と触れ合い、コミュニケーションを取っていく中で、相手の抱える状況や環境を理解することの必要性を学んだ。その経験が集団の中で働く今の仕事に活かされている。また現在も社内の仲間とバンドを結成し、他部署や社外の人との交流の場として役立てている。
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