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マスコミ(放送)
最終更新日: 2007/11/22
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プロの仕事研究
貪欲に技術を習得し、ワンチャンスをモノにして監督の座を掴んだ映像制作のプロ。
専門職系−マスコミ専門職
SODクリエイト株式会社 ディレクター
宮門 良輔(仮名) (30歳) Ryosuke Miyamon
入社6年目 / 法政大学 経済学部 出身

プロフィール
「楽しいと思えることを仕事にしたい」と考え、就職活動を展開。出会ったのがSODグループだった。説明会に参加し、「ここだ!」と直感。既に得ていた他社の内定を蹴って入社した。入社後はADからスタートし、2005年、ディレクターに昇格。持ち前の企画力を活かしながら、日々、映像制作に取り組んでいる。

プロローグ
「ものづくりをしてみたい。自分の手で、面白いものを生み出してみたい」――。

宮門良輔がソフト・オン・デマンドグループを志望したのは、そんな理由からだ。だが、「きちんと映像について学んだこともない自分に、務まるのだろうか」。自信はなかった。「制作を希望して良いものか…」。結局、宮門は配属の希望に営業を選ぶ。「間接的にものづくりに関わっていければ良い」。悩んだ末に出した結論だった。

そんな宮門の心境に変化を与えてくれたのは、制作の先輩たちだった。入社直後の研修期間中、折に触れ「お前は制作に向いている。制作に来いよ」と誘ってくれたのだ。「なぜそこまで自分を誘ってくれるのか」。詳しい理由は分からなかった。けれど、背中を押されたことは確か。加えて、制作現場を手伝った経験も大きく気持ちを動かした。実際に現場を目の当たりにし、ささいなことではあったが、そこで与えられた仕事も無難にこなすことができた。宮門の心は決まった。「やっぱり、自分が本当にやりたいのは映像制作だ」。3ヶ月間の研修が終わり、最終的に出した希望部署は制作。希望は通り、2003年7月、宮門のディレクターへの道が幕を開けた――。

予想以上に厳しいADの仕事。 1
グループ内で、映像制作を担うSODクリエイト。社員は必ず、アシスタントディレクター(AD)からそのキャリアをスタートする。宮門も、最初のポジションはサードAD。小道具の準備、技術スタッフの用意、出演者との交渉、スタジオの発注や撮影当日の準備などを行うのが主な業務だった。

ADの仕事は予想以上に厳しかった。当初は要領が分からず、チーフADから怒鳴られることもしばしば。落ち込むこともあった。撮影時はまだ良い。「ディレクターの演出を学ぶ絶好の機会」と、集中しているからだ。だが、長時間に及んだ撮影が終了した時など、ふと我に返り、「自分の選んだ道は合っているのだろうか」と迷うこともあった。

それでも宮門がとどまったのは、「ディレクターを目指す」という明確な目標があったためだ。ディレクターには、作品の全てを決定する権限が与えられる。自ら台本を書き、演出し、頭の中で思い描いたイメージを映像化する。それは、宮門にとって非常に魅力的なことだった。「俺は、ディレクターになるまでは絶対に辞めない!」。周囲の励ましにも支えられながら、宮門はAD業務に取り組み続けた。

入社2年目には、チーフADに。 2
入社から1年が過ぎ、宮門はチーフADとなった。これまでとは異なり、指示されたことをこなすだけでは、チーフADの仕事は務まらない。ディレクターやプロデューサーと密に打ち合わせを行い、台本を見ながら撮影スケジュールを考えたり、配役を考えるのがチーフの役割。時には台本を書くこともある。また、ディレクターの意図を的確にスタッフに伝える役目も担う。チーフADがいなければ、現場はスムーズに回らない。「これまでよりも明らかに責任は重い」。そう考えると、否が応でも気合が入った。

とはいえ、決して自分の仕事が映像に残るわけではない。あくまでも作品はディレクターのもの。だが、ディレクターに近い位置にいられる、ということは、言い換えればディレクターの視点や技術を盗むチャンスでもある。「自分ならこう撮る」 「アングルはこうした方が良いんじゃないか」。宮門は、そんな視点で撮影に臨むようになった。

同時に、カメラの使い方も学んだ。チーフADともなれば、ワンコーナーを任されることもある。「いつ任されてもいいように、準備だけはしておかなければ」。宮門は、いつ訪れるともしれない“その時”に備え、貪欲に技術の習得に励んだ。

真夏の過酷なロケ。宮門の役目は、現場を盛り上げること。 3
チーフADとなってしばらく経った頃、宮門は数名の女性が真剣にスポーツに取り組む、という作品に携わることになった。ディレクターとの打ち合わせは、撮影の1ヶ月ほど前から開始。宮門も企画段階から積極的に意見を述べていった。

どういった競技を取り入れるのか、スポーツ経験のある女性をいかに集めるか、ロケはどこで行うのか。決めるべきことは山ほどあったが、7月末、何とか撮影は開始された。ところが、スケジュール的に厳しかったこともあり、スタッフは皆寝不足気味。しかも、真夏の強い日差しの中での撮影である。そのせいか、撮影現場は今ひとつ盛り上がりに欠けていた。その時だ。宮門に向け、ディレクターから檄が飛んだ。「お前が盛り上げなくてどうするんだ!」。

宮門はハッとした。現場の雰囲気づくりはチーフADである宮門の重要な役目。特に今回のように大規模な撮影では、誰よりも大きな声を出し、出演者をリラックスさせ、良い雰囲気を作らなければならない。それを怠れば、スタッフを不安にさせてしまう。「自分はディレクターではない。一番の役割は、撮影をスムーズに進めることだった」。宮門は改めてチーフADの重要さに気づかされた。

「お前が撮ってみろ」。突然与えられたチャンス。 4
その日の夜のことだ。「お前も撮ってみるか?」。宮門は突然、ディレクターから告げられた。聞けば、夜に撮影が予定されているコーナーを任せてくれるという。「ついに来た!」。昼間怒鳴られた直後だけに戸惑いもあったが、待ちに待ったチャンス。宮門は即答した。「やらせてください!」――。

実はSODクリエイトでは、チーフADになるまでの期間に個人差はほとんどない。誰もが、約1年でチーフADまでは上がることができる。だが、そこからディレクターになれるか否かは、その人次第。運と、努力と、時おりやってくるチャンスをモノにできるかどうかにかかってくる。チャンスは決して多くはない。任されたワンシーン、あるいはワンカットでどれだけ結果を残せるか、その一瞬のために、どれだけ準備を整えているかが勝負なのだ。

「失敗はできない」。プレッシャーもあったが、これまで誰よりも技術の修得に努めてきたという自信が、宮門にはあった。チーフADとして学んだ全てをぶつけて臨んだ撮影は成功。その映像は、発売された作品にも使用された。それはすなわち、宮門の能力が認められた証。こうして宮門は、ディレクターへの扉を自らこじあけたのだった――。

エピローグ
この経験からほどなくして、宮門はディレクターへと昇格した。初の監督作品は人気シリーズの中の1本。「前作よりも面白くするためには、どうすれば良いか」。考えに考え、様々なアイデアを詰め込んだこの作品は、スマッシュヒットを記録。ディレクター・宮門は、まずは好調な滑り出しを見せたのである。

だが、宮門は満足していない。「台本を書いている時に思い描いていたイメージを超えるような作品、しかもお客様に満足してもらえる作品を生み出し、その作品で売上1万本を超えたい」と意気込む。その姿に、自信のなかった入社当時の面影はない。心からものづくりを楽しみ、胸を張って言うことができる。「この仕事は自分に向いている」と。
「今度のロケのことだけど…」。後輩ADに指示を出す宮門。撮影を成功に導くには、周到な準備が欠かせない。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代はクラブでアルバイトをしていた。クラブには、様々な面々が集まってくる。それら個性的な人たちとコミュニケーションを取ったおかげで、たくさんのことを吸収できた。アルバイトに熱中しすぎて留年してしまったのは想定外だったが、その時に得た経験は、大人数をまとめる立場にある現在の仕事にも役立っている。
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