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インフラ(不動産) / インフラ(建設) / メーカー(住宅・建築)
最終更新日: 2008/06/23
マンガ「プロ研」
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プロの仕事研究
新規顧客とゼロから信頼関係を築き、最適な資産運用を提案し実現した営業のプロ。
営業・販売系−営業(個人・新規開拓が中心)
西支店/支店長
中塚 功一 (34歳) Koichi Nakatsuka
入社13年目 / 名古屋法経情報専門学校 法経学部 商学科 出身

プロフィール
顧客のニーズに合わせて、自由にプランを組み提案できる貝沼建設の営業方法に惹かれ入社する。入社後はペット可能な物件、ガレージつきの物件など、様々なプランを提案し、またその傍らで顧客の資産を活用すべく、客付けなどの不動産管理を行った。現在は支店長として、自分が培ったノウハウを部下に継承中である。

プロローグ
「提案をしていく上で一番大切なのは、やはりお客様との間に信頼関係を構築することですね。お客様は自分の大切な資産である不動産の運用を我々に任せるのです。物件によっては数億円にも上る場合があります。たとえ確実に利益の出るプランがあったとしても、信頼の置けない人間に預けようとは思いませんよね。だからこそ、足しげくお客様のもとに通い、緻密な信頼関係を築き上げていくしかないのです。昔も今もそれは同じですね」。

現在、西支店の支店長である中塚は、貝沼建設の営業スタイルについて語った。というのも、中塚自身が身をもってそれを体験してきたからだ。もともと中塚は自分で自由にプランを組み、顧客に資産運用の提案をできるところに魅力を感じ入社した。そして、実際に営業活動を開始するようになると、若くして活躍している先輩を見ていたこともあり、早く「デキる営業」になろうと決めた。入社当時はまだ珍しかったペット可能な賃貸物件、1階をガレージにしたメゾネット式のマンションなど、提案してみたい物件はいくつもあった。しかし、勢いこそあったものの、契約へと結びつかない。それどころか、話すら聞いてもらえないことの方が多かった――。

どんなことでもいい。話をして、まずは信頼を得ていこう。 1
「こんにちは」――。中塚はある個人宅を訪れた。するとにこやかな笑顔を浮かべたオーナーが現れた。オーナーを前に、中塚は話を始めた。仕事の話とは関係のない世間話だ。そして、その日は物件に触れることなく話を終えた。これまでの経験から、いきなり不動産の話をしても聞いてもらえないだろうと中塚は考えていたのだ。だからどんな話でもして、とにかくオーナーのことを知っていこうとしたのである。

それから毎週のように、中塚はオーナーのもとを訪れた。徐々に二人は打ち解け始め、オーナーから悩みを相談されるようになっていった。オーナーが所有するマンションの入居者が廃棄の難しいゴミを残して転居した場合には、処理場探しを引き受けた。他社に管理を任せてある物件に空室があれば、入居者探しを手伝った。さらには、オーナーの息子の就職相談に乗ることもあった。複雑で回答が難しい節税に関する質問などについては、一度会社に戻り、その日中に再訪問し答えた。とにかくすぐに行動に移すようにしたのだ。そして、どんな些細なことでもオーナーが困っていると感じると、中塚は力になっていった。

徐々に明らかになるオーナーの資産状況。 2
中塚はオーナーのもとを訪れた際には、細かくメモを取っていた。そして、会社に戻るとオーナーの情報をまとめたファイルに書き込んだ。何度も足しげく通い悩みを聞き続ける中で、オーナーの口から資産に関する情報を聞くことも珍しくなかった。家族に関する情報も集まってきた。最初に訪問してから数ヶ月が経過した頃になると、ファイルの内容もかなり充実したものになっていた。

そして、蓄積した情報からわかることがあった。オーナーがまだ空いている土地を所有していること、そしてオーナーには進学を控えた娘がいるということだ。娘の将来のために、何か援助をしてあげたい。オーナーは中塚にそう話していた。「この空いている土地を利用して不動産収入が得られれば、娘さんの学費にあてられるのでは?」 中塚はそう考えていた。オーナーに本当にメリットがあるのか、電卓をたたき計算をする。オーナーにはこれまで色々と可愛がってもらってきた。だからこそ、絶対に中途半端な提案はできない、と中塚は思っていた。

ついに来た提案のチャンス。 3
「ご主人、今日は私の話を聞いていただけませんか?」 真剣な表情でオーナーを見る中塚。ついにこの時が来た。不動産運用の提案だ。オーナーは静かにうなずいた。中塚は考えていた運用プランを話し始めた。「現在、ご主人が所有されている土地をご利用いただくのです。そうすることで、不動産収入を得られるようになりますので、先日ご相談いただいた娘さんの学費。こちらについても十分まかなえるようになりますよ」。継続して利益を得られることのメリットを、オーナーに伝えた。オーナーはしばらく考え、そして口を開いた。「悪くないね。何か建てられるのであれば、キミのプラン通りにしてもいいかもしれないな」。手ごたえはあった。それならば、このチャンスを逃す手はない。「そちらについてはお任せください!」 中塚は輝きに満ち溢れた目でそう答えた。

早速、中塚は何を建築するのかを考えた。利用する土地は住宅地域にある。そこで客数が見込めることをオーナーに相談しながら、店舗を建てることに決めた。そして建てるものが決まると看板を立てかけたり、敷地面積や内観などの情報を書き込んだ中塚お手製のチラシを配布しながら、店舗主探しに明け暮れていった――。

不動産も、信頼関係も、大切なのは築き上げた後。 4
「ついにできたねぇ」。オーナーと共に、完成した店舗を訪れる中塚。そして、店舗内を歩き回りながら、これまでを振り返った。長かったが、地道に通い続けた結果、仕事をいただくことができた。受注額は800万円。平均的な受注単価と比べても、決して大きな金額ではない。しかし、営業として認められ、仕事を任されたことが嬉しかった。その後もオーナーと連絡を取り続け、提案した店舗が継続して利益を上げられるように不動産管理を行っていった。

―― それから10年以上経った今も、中塚はオーナーと連絡を取り続けている。10年間で、依頼された案件は3件に増えていた。最初に提案した店舗の他に、2階建てのアパート、6階建てのマンションが建ったのだ。アパートは3000万円、マンションは2億円と、受注額も段階を進むごとに大きくなっていった。それはいつも小まめに連絡をし、自分のことを考えて提案をしてくれる中塚を、オーナーが信頼しているという何よりの証拠だった。

エピローグ
「現在はアパート・マンションの賃貸を中心としてお客様の資産運用のお手伝いをしていますが、今後は戸建て賃貸を提案できるようにしていきたいですね。戸建ての企画はないので、ゼロからつくる必要があります。そのためにも、まずは私がいなくても西支店の業績が安定するようにメンバーを育成していきますよ」。中塚は自身のビジョンを熱く語った。

営業に天才などいない。地道に努力を続けられること。それが貝沼建設の営業に必要な能力だ。そう中塚は考える。そして、今日もまた顧客との絆を強くしている。
「売上をグラフにしたり、目標を達成した人をねぎらったり。支店長として、常に全体の士気を高めるように努めています」。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
「今思うと、当時経験していた店舗での販売業務や飲食店での接客業務が、一生懸命お客様に尽くすというベースになっているのかもしれません。どの職種においても人と関わる以上は相手のことを考え、敬うといったスタンスが重要ですね。今後もその考え方は変わりません」。
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