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最終更新日: 2007/11/22
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プロの仕事研究
新人の育成に尽力し、プロ野球向けシステムの開発を成功させたシステム開発のプロ。
ソフトウェア系−システムエンジニア(オープン、WEB系)
東京システム本部 システム二部 システム一課/主任
齋木 正雄 (32歳) Masao Saiki
入社10年目 / 芝浦工業大学 工学部 通信工学科 出身

プロフィール
就職活動中、就職雑誌に掲載されていた『プロ野球公式記録集計システム(NPBBIS)』に興味を持った。選考を進めるうちに、社員の人柄と会社の成長性に惹かれて入社を決意。入社後は、数々のプロジェクトで設計やプログラミングを担当する。現在ではリーダーとしてプロジェクトの管理も任されている。

プロローグ
「アウト!」。プロ野球公式戦の球場に響く審判の声。その判定はデータとして集計され、TVや新聞などのマスコミによって報道される。審判の判定がマスコミ各社に届くまでには、『プロ野球公式記録集計システム(以下:NPBBIS)』の働きが必要不可欠となる。『NPBBIS』はアウトやセーフ、試合の勝敗といったプロ野球の公式記録をデータベースとして蓄積し、正確な情報を提供している。このシステムは、マスコミにとどまらず野球ゲームなどにも利用されている。

野球好きの齋木は、入社前から『NPBBIS』に興味を抱いていた。「いつか大好きな野球に関連するシステムの開発に携わりたい」と考えていた齋木にとって、絶好のチャンスが訪れる。『NPBBIS』のリニューアルを担当することになったのだ。齋木は、開発の中心的役割を担うと共に、新人の育成も任された。二つのミッションを成功に導くために齋木が心がけたことは、「自ら考え、能動的に動く」という姿勢だった。それは、常に新しい知識や技術が飛び交うIT業界のエンジニアにとって、必要不可欠な要素である。齋木の姿勢が、プロジェクトの成功の他にもたらした大きな成果とは ――。

入社前から興味を抱いていたプロジェクトへの参加。 1
入社2年目から、大規模な基幹システムの開発に携わっていた齋木。「自分の担当している開発は、一体どこに関わっているのだろう」。大規模システム故に、ユーザーの顔が直接わからないことや、自分が貢献できている範囲が小さいのではないかと手応えを感じられずにいた。「自分の作ったものが、社会に貢献していると実感できる開発に携わりたい」。2年間担当していたプロジェクトが終わった後、齋木はそう考えるようになっていた。

齋木にチャンスが巡ってきたのは入社4年目の春だった。『NPBBIS』のリニューアルを担当することになったのだ。好きな野球に関連し、かつ社会への影響がわかりやすいシステムの開発に携われることに、齋木は意気揚々としていた。それまで『NPBBIS』の導入には専用のソフトや回線が必要だった。また、キーの操作に独自性があって使いにくいなど、顧客から改良を求める声が上がることもあった。そこで、導入時の手間を省き、初期費用の低減や使いやすい操作を実現するために、『NPBBIS』をWeb型にリニューアルすることが決定した。翌年のプロ野球公式戦の開始までには完成させなければならないプロジェクトだった。

託されたミッションは、プロジェクトの成功と新人の育成。 2
プロジェクトチームはサーバと画面の開発という二手に分かれ、齋木はデータの処理を行なうサーバチームのサブリーダーに就任した。下には入社1年目の新人がつくことになり、育成も任されることになった。齋木にとって、今回のプロジェクトは初めてづくし。まず、システムを作るための環境がそれまで扱っていたものとは全く異なるものだった。新人の育成も齋木にとっては初となる。ハードウェアやプログラム言語といった開発環境が違うということは、考えていることを実行するための手段がそれまでとは一変するということを意味していた。

齋木たちは、開発がはじまってから1ヶ月は知識と技術を習得するための学習期間にあてた。開発期間中に1ヶ月の学習期間を設けることは異例である。しかし、何もわからないまま見切り発車しては、開発の途中に問題が起きたり、トラブルに対応できなかったりと、結局非効率な作業を生んでしまう。「納期を守り、かつシステムの質においても顧客のニーズ以上のものを提供する」という日本システム技術の高い意識がエンジニア一人ひとりに根付いているからこそ、設けられた学習期間なのである。

あえて厳しく接することで、エンジニアに必要な姿勢を伝える。 3
プロジェクトの成功にはメンバーの成長が必要不可欠だと考えていた齋木は、新人の育成にも尽力した。齋木が新人の育成で心がけていたのは、「受身ではなく、自ら考えて能動的に行動する」ということだった。たとえば新人が質問してきた際には、まず新人のできる範囲で調べ、考えた上での質問かどうかを精査する。もし、何の努力もせずに質問をしている様子であれば「それ調べたり、考えたりしてもわからなかった?」と叱咤することもあった。

あえてここで厳しくあたるのは、齋木の新人にかける期待からだった。IT業界という常に新しい知識や技術が飛び交う世界でエンジニアとして生き抜くためには、自ら率先して取り組む姿勢が必要である。このプロジェクトのように、新しい開発環境に出会うことは開発現場ではよくあること。その時に、「わからないからできません」ではエンジニアとしての信頼を失うことになりかねない。どんな状況においても、自ら知識や技術を習得するエンジニアとしての適応力を身につけさせようという意図があった。また、自らの経験を蓄積すると共に、常に新しいことにチャレンジできるという両面を兼ね備えたエンジニアの醍醐味を感じてほしいとも考えていた。

新人の成長が、プロジェクトを成功へと導く。 4
開発から半年ほどが経ち、新人も徐々に成長を見せはじめていた。質問も「ここまではわかりますが、この箇所がわからなくて…」など、自ら考えた上で自分のわかる範囲をしっかりと把握し、どうしてもわからない部分のみを相談するようになっていた。また、開発そのものに興味を抱き、自ら率先して仕事に取り組んでいた。新人が仕事をスムーズに行なえるようになったことも手伝って、プロジェクトは順調に進んでいった。1ヶ月の学習期間と新人の育成の効果がプロジェクトの進行を促し、開発は無事納期に間に合うことができた。

その後、齋木が育成した新人は他のプロジェクトでも中心的存在として活躍しているという声を聞いた。齋木の「自ら考えて、能動的に動く」というエンジニアとしての根幹が、しっかりと受け継がれている証拠である。自らも率先して知識と技術の習得に励み、プロジェクトと新人の育成を成功に導いた齋木。開発のやりがいを求めて携わったプロジェクトで、齋木は日本システム技術のエンジニアとして必要な要素を新人に引き継ぐという、大きな成果を上げたのであった。

エピローグ
齋木は、プロ野球の報道をTVや新聞などで見る度に、「自分の作ったシステムが活かされている」と感慨深くなるという。このプロジェクトでの成功体験を機に、数々の新人の育成に携わることになった齋木は、現在は主任として数名の部下を率いている。

「自ら考えて、能動的に動く」姿勢で開発にあたる齋木は、仕事外でも雑誌やインターネットをチェックするなど、常に情報収集を行なうよう心がけている。齋木のように、一人ひとりが能動的に考えて動けるエンジニアが集う日本システム技術。最新の技術を駆使したシステムの開発は、齋木たちエンジニアのたゆまぬ努力によって支えられている。
「一人で考えてもわからないことは、丁寧に教えますよ」。時にはプライベートの相談も受け、後輩との信頼関係を築き上げている。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代、カラオケ店のアルバイトをしていた。店では3番目のキャリアを誇り、「売上を上げるためには」などお店の経営まで関わることで、ビジネスの面白みを感じることができた。この経験で得た「仕事を長く続ければ、新たな面白みがわかる」という考えは、常に新たな案件に対して意欲的に取り組む姿勢につながっている。
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