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最終更新日: 2007/12/13
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プロの仕事研究
意識とアプローチの変革により、膨大な作業への集中力を高めていった研究開発のプロ。
技術系−基礎研究
平塚支店
町田 香織 (28歳) Kaori Machida
入社3年目 / 東京農業大学大学院 農学研究科 農芸化学専攻 出身

プロフィール
子供の頃に見ていたTV番組の影響で食品の機能に興味を持つようになり、学生時代は食品分析の研究に没頭する。就職活動では、単に研究職としてではなく、会社を自分達で創り上げていくような仕事にも携わりたいと、WDBエウレカへの入社を決意する。現在は研究の他、社内報作りにもその手腕を発揮している。

プロローグ
2004年、研究職人材サービスのWDBから「理学系研究職の就職を支援する」という目的のもとに設立されたWDBエウレカ。設立わずか3年にして社員数約300名、売上8億1800万円と急速な成長を続けている。

そんな同社にとって、この数年は極めて重要な意味を持つ。業界内でいかに磐石な基盤を築いていけるか。会社組織としていかに確立していけるか。そこで重要なのは、社員一人ひとりが配属先において顧客から高い評価を得ていくこと。そして急速に増えていく社員間の収束力、自社への帰属意識をいかに根付かせていくかである。その中で町田香織は、その両面において大いに力を発揮している社員である。

「“研究”については学生時代のものである程度の満足を感じていた」と町田は言う。そんな彼女がWDBエウレカへの入社を決心したのは、研究だけでなく会社創りにも参加できるという点に魅力を感じたからだった。現在は配属先の業務に加え、WDBエウレカの社内報制作の中核メンバーとしても活躍する町田だが、仕事に対するモチベーションを維持できずに悩んでいた時期もあった。彼女が悩み、それをいかに乗り越えていったか、その軌跡を追う──。

社会人として初めて携わった研究は、『病気の簡易検査キット』の開発。 1
入社後、神戸での1ヶ月におよぶ研修を終えた町田に初めての配属先が伝えられた。それは、ある大手化学メーカーでの、『病気の簡易検査キット』を開発するプロジェクトへの参加である。このプロジェクトは町田が参加するよりも前から進行していたが、いよいよ本格的に軌道に乗るという時期に町田に参加の声がかかった。プロジェクトはテーマも業務内容も町田の学生時代の専門である食品分析とは違う世界であった。確かに分野は違うとはいっても大学では生命科学の基礎は学んでいたし、プロジェクトで必要になる生化学に関しても授業で学んでいたためある程度の知識、経験はあった。しかし、町田はそれに甘んじることなく、自ら進んで改めて勉強しなおし、与えられた仕事に向かった。

町田らプロジェクトメンバーに与えられた仕事は、病気の簡易検査キットの感度を高めていくための検討。研究員と話し合い、模索しながらの作業。町田が初めて体験することも少なくはなかった。発見や驚きがある日々に、町田は面白みを感じながら仕事に没頭していった。

研究が進むにつれ、ルーチン化していく日々の仕事。 2
配属から約半年、製品化に向けた研究が本格化する。そうなると今まで以上に業務に集中することが求められる。競合他社よりも感度の良い製品にするために、反応系を改善していくための検討作業を行う。実験してデータを集めては、改善を加えまた実験するという作業を繰り返す。

しかし11月に研究所を移動。上司もかわり、町田は他の研究員と相談し合う場も少なくなり、ただ言われたとおりの作業をこなす毎日。一方で、その頃には研究全体のことが自分でも少しずつ分かるようになってきていた。そうなると、「何でこんなことやっているんだろう?」と携わる作業ごとに意義を求めてしまい、疑問が生まれてくる。しかしその疑問を上司にぶつけたところで、答えは「やるしかない」のひと言。解消されない疑問、なかなか減ることのない仕事量。いつしか町田にとって仕事とは決まりきった作業をこなすだけのルーチンワークにしか思えなくなっていった。それでも、新しい仕事環境・本格化してきた研究内容に慣れるため、最善を尽くした。

自分でもどうしようもできない集中力の低下。 3
年が明けると研究はますます本格化していく。相変わらず増える一方の仕事量。春には、仕事環境・ルーチン化した業務に慣れてしまい町田の仕事に対するモチベーションは格段に下がっていた。試薬を入れ忘れる、正確性が失われるなど基本的な部分でのミスが続く。原因は自分自身の集中力不足だとはわかっていた。本当はちゃんとやりたいのに、自分でもどうしようもできない。仕事に集中できないくらいモチベーションが下がっていることを悩む日々が続く。

そんなある日、就業先の元上司から声を掛けられた。「最近どう?町田さんにしては珍しく実験のミスが続いているみたいだけど…」。その言葉に町田は、はっとした。「元上司にまで心配をかけてしまった。申し訳ない…」。そう思うと同時に、自分が期待されていることを改めて実感する。町田は「周囲の人の期待に応えたい」という想いを強くする。そのためには悩む前に、求められたことをきちんとこなすことが必要だった。当たり前のことを当たり前に行う。それが自分の務めだと感じると、その日から町田の意識は一変した。

目の前の仕事に集中する意識と工夫が、仕事と町田自身を変えた。 4
たとえルーチンワークにしか思えない仕事も、その成果として生まれる製品はやがて人々の役に立つことを、改めて噛み締めた町田。そして、与えられた仕事をしっかりこなしていくことこそが、プロジェクトにとって意味のあることなのだと気づいた。より優れた製品を生み出すことを使命とする研究現場では、全ての研究員に対して常に華々しい活躍の場が用意されているわけではない。一人ひとりが同じ作業を繰り返すだけの“地味”とも思える作業を積み重ねることもよい製品を世に生み出すためには必要なことなのだ。町田が続けてきたルーチンワークの先にあるものも2年間関わってきた製品の商品化である。

プロジェクトチームの目標を達成するため、周囲の期待に応えるため、町田は自分自身を変えようと決心する。まずはケアレスミスの最大の原因である、作業量の多さに対する焦りをなくすという意識改革を心掛けた。さらに、集中力を高めるために独自に毎日のタイムスケジュール表を作成した。時間ごとに作業予定を紙に書き出し、作業が終わったら消していく。1つひとつ作業をクリアしていくことを、“消していく喜び”にすることでモチベーションを高めていった。

その結果、仕事の精度は急激に上がり、町田自身をも成長させていた。「自分は社会人としてまだまだ未熟だ。悩んだり不満を言っている段階ではない。今は目の前のことを積み上げ、チームで助け合いながらプロジェクトの達成をめざそう。そして自分自身も少しずつでいいから着実に成長していこう」。町田は、社会人としての大きな一歩を踏み出していた。

エピローグ
現在町田は、間近に迫る商品化に向けて追い込みというさらにハードな日々を迎える。そんな町田の活躍は研究現場だけにとどまることはない。会社創りに関わっていきたいという入社当初からの想いを、現在は社内報作成プロジェクトのリーダーという形で実現している。どんな社内報にするかという構成の段階から、メンバーと共に立ち上げてきたものだ。そこでも、配属先も住んでいる地域も別々なメンバーを統率するため、一人ひとりのことを気遣いながら協力して仕事を進めていくことの大切さを実感した町田。「研究職としても、社内業務においても、人をサポートしていく仕事をしていきたい」と意欲を新たにしている。
「目の前の仕事を積み上げていくことで成長したい」。そう言う町田の将来に、配属先や会社から大きな期待が寄せられている。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
学生時代はコーヒーショップチェーンでバイトをしていた町田。忙しい店舗であったため、いかに他のスタッフのことを考えて協力し合うかといったチームワークの大切さを学んだ。また、視野を広く持ち、些細なことにも気づける力が、今の仕事の中でも活かされている。
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