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最終更新日: 2007/10/01
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株式会社奥村組
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初の担当工事での危機を乗り越え、巨大トンネルを完成させたシールド工事のプロ。
技術系−機械・機構設計
東京支社 土木工事 第1部/主任技術者
藪ノ 和洋
(31歳)
| Kazuhiro Yabuno
入社9年目 / 大阪工業大学 工学部 機械工学科 出身
物を作るならできるだけ大きな建造物に携わりたい、という想いから、同じ機械工学科の大多数の学生が製造業を志す中、大型の土木機器に携われる奥村組を志望した。入社後はシールド工事の機械担当を経て、機械担当の内勤も経験。以後はシールド工事にかかわる機械の専門担当として、様々な工事に携わっている。
巨大な円筒形の機械のカッターが回転し、土砂を取り込みながら地下深くゆっくりと前進していく。「すごい……」。新入社員として配属されたばかりの藪ノは、初めてシールド工法によるトンネル工事の現場を見て、その壮大な工事の様子に驚きを隠せなかった。
藪ノの専門は土木ではなく機械工学。多少の基本的知識はあるが、現場での作業の進め方などはまったくといっていいほど分からない。「とにかく現場を見なさい」。これが上司から与えられた最初のミッション。朝、地下に降りると昼休みを除いてはその日の工事が終わるまで、ずっと地上に上らずに作業員について現場の作業を手伝いながら工事に立ち会った。そのうちに資材の在庫管理、注文、安全面の管理など、だんだんと仕事が増えていく。工事を円滑に進めるためにいかにコースをはずさないか、機械を止めずに進められるかなど、機械担当者の責任は重い。日々のすべてが勉強だった。
そんな修行の日々を過ごし、さらに東京支社での内勤も経験した藪ノは、入社2年目の終わりに一人前の担当者としてシールド工事の機械係を任されることになった。計画から現場の管理までのすべてが藪ノの手に委ねられたのだが……。
初めて一人で担当する現場は、地下深くの巨大トンネル。
地下60mの地点に直径7m、長さ約380mのトンネルを完成させること。これが藪ノに与えられた使命だ。これは、大型河川と大型河川を地下でつなぐ、“地下放水路”と呼ばれるもの。全長6kmに及ぶ川から川への放水路の一部で、川から水を落としこみ、本管となるトンネルまでをつなぐための支流となるものである。
機械担当者として、工事用の設計、計画、工事現場での機械・工程の管理と、3年に及ぶ大工事の全般を担当することになった藪ノ。周囲の様々なサポートはもちろんあるが、実質的な現場担当者は藪ノただ一人だ。大規模な工事であるだけに、ひとつの間違いが社会的な大問題に発展する可能性すらある。それだけに、まだまだ経験が不足している藪ノは不安だった。
まず大きな縦穴を掘り、それが完成したら横穴を掘るための機械を搬入し、現場で組立を行う。直径が7mの穴を掘るための機械は総重量が300tにも及ぶ巨大なものだ。完成状態では運搬することもできないので、分割して運び、現場で組み立てるのである。
上から見下ろすと目もくらむ高さ。これが藪ノの戦いの場。
直径15m、深さ60mの縦穴の上に立ち、下を見た藪ノは目がくらむ思いだった。深さ60mというと、20階建てのビルの屋上から見下ろすようなものである。これほどの巨大な縦穴を目にしたことはない。「ものすごい工事をするんだ」、という想いがひしひしと浮かんできた。
工事用エレベーターで地下に降り、機械の組立の指示をする。様々な業者の作業スケジュールを調整し、工程通りに作業を進めねばならない。だが、指示を出す相手はベテランばかり。若く、経験数の少ない藪ノだけに、軽く見られてしまうこともありがちだ。しかし、指示を出さねばならない立場である。それらが原因で人間関係がうまくいかないと、工事自体に支障をきたしかねない。そのため藪ノは、協力業者との関係作りには気を遣った。厳しいやりとりでしこりが残りそうな時には、休憩時に積極的に話しかけることで、良好な関係を作り上げていったのだ。
そして、シールド機は完成した。いよいよ、工事が本格化する。“段取り八分”という言葉がある。事前の準備が万全であれば、工事は順調に進む、という意味だ。準備は万全に思えた。だが、地下60mという深さでの工事は、予想を超えた難工事だった……。
いよいよ横穴を掘り始める時が…。だが、突然水が猛烈に噴出してきた!
シールド工法では、機械で掘り進めながら土砂を送り出していく。そして、1〜1.5m掘り進むごとにトンネルの枠となるセグメントと呼ばれる部分を組み立てていく。1日に掘り進める距離は3〜5mに過ぎない。長い工事期間中、方向がわずかでも狂わないように、そして事故や故障のないように、慎重な作業が要求される。
問題は水だった。水圧は、水に深く潜れば潜るほど増していく。地中でもそれは同じなのだ。60mの深さでの水圧は非常に大きい。うかつに掘り進めた結果、出水すると危険な事態に発展しかねないのである。そのため、様々な手法で水が出ないような処置を行いながら工事を進める。この工事では、掘り進める周囲の水を土壌ごと凍らせてしまう、凍結工法という手法が用いられた。
横穴を掘り始める段階の当初のこと。藪ノは、土木担当の後輩とともに、現場の施工管理に従事していた。すると、突然水が噴出してきた。土壌は凍らせていたのだが、それが均等にできていなかったため、弱い部分が水の圧力に負けてしまったのだ。上司の協力を得て無事に解決することはできたが、シールド工事の難しさを身をもって体験することになった藪ノだった。
数cmの狂いもなく地下深く掘り進めてきた月日が終わろうとしている…。
このような大きなトラブルばかりではなく、小さな故障などに伴うスケジュールの変更なども、限られた工期で行う工事では、大変な作業になる。機器が故障したら、その修理のための資材の調達を行わねばならないのはもちろん、それによって、予定されていた作業も変更しなければならない。作業が変われば携わる業者、人員数も変わる。それらの調整は非常に厳しいものだった。ましてや、工程管理だけではなく、工事そのものの管理も担当しているのである。藪ノの業務は多忙を極めた。
そして1年の月日が流れた。先の見えない地下を380mの長さに渡って掘り進んで来たが、ついに本管と結合する日がやってきたのだ。これだけの大きさのものだが、許される誤差は数cm。慎重に誤差を修正し、正確を期して行ってきた工事が、いよいよ終わる。本管との結合は、無事に済んだ。その晩、工事事務所は、大きな喜びの声でいっぱいになっていた。長い時間をともに過ごしてきたスタッフとの打ち上げが行われていたのである。経験不足ながら担当した大きな仕事。そのすべてが終わった今、藪ノの心には、苦難を乗り越えた喜びが満たされていたのだった。
「機械担当者としては、予定された工事が、機械による問題がなく予定通りに完成することが何よりうれしい」と藪ノ。だが、細かなトラブルは発生してしまう。その時に、どれだけ速やかに対処できるかが担当者の力なのだ。
現在は主任技術者として、工事の運営全体に責任を持つ立場。部下や協力業者といった仲間の安全にはより一層の万全を期す。今ではシールド工事の専門家として信頼も厚い。「機械担当者は技術専門になりがちですが、私はいつか所長となって工事全体を監督するようになりたい」。担当する規模が大きければ大きいほどやりがいを感じるという藪ノ。その夢は果てしなく広がっていく。
現在担当中の現場にて。この道路の下で、大規模な工事が展開されているのだ。
コンビニエンスストアや工事現場での作業補助など、数多くのアルバイト経験をした中で、様々な人々と接することができた。そのおかげで多くの社内・外の人々と業務を円滑に進めていくために必要な人当たりの良さを身につけられた。大学で広く基礎知識を学んだことも、現在の仕事に活かせている。
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活動履歴
株式会社奥村組
【理系】
1位
/
デジタルアーツ株式会社
2位
/
株式会社コスメディア
3位
/
株式会社イング
4位
/
JTBグループ
5位
/
株式会社エムアンドアール
【文系】
1位
/
ミサワホームグループ
2位
/
平田ネジ株式会社
3位
/
大河通商株式会社
4位
/
日神不動産株式会社(東証一部上場)
5位
/
東京メトロ(東京地下鉄株式会社)
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